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2024年2月10日土曜日

【おすすめ度○】マクシム・シュワルツ『なぜ牛は狂ったのか』紀伊國屋書店, 2002年

著者はパスツール研究所・元所長。プリオン病が発見されるまで、伝染性の病気はDNAまたはRNAを持った病原体によって引き起こされるものであると考えられていた。「たんぱく質の一種であるプリオンが伝達性の重篤な病気を引き起こす」という、それまでの常識を覆す説が通説になるまでの研究の歴史をわかりやすく描いている。良書だが内容が古くなっているので◎ではなく○とした。
 なお、フランスでは、低身長症治療用の脳下垂体ホルモンが異常(病原性)プリオンで汚染されていたことが明らかになっている。そのため脳下垂体ホルモンの治療を受けた数万人から100人強の新型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が発生したが、著者は脳下垂体ホルモン治療を停止しなかった判断は正しかったとしている(著者はパスツール研究所の元所長なのでこの件の当事者)。一方、イギリス・アメリカではフランスとは異なり人の遺体から抽出した脳下垂体ホルモンによる治療はいったん中断し、遺伝子組み換えによるホルモン生産が実用化された段階で治療を再開した。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
“狂牛病パニック”のさなかフランスで出版され、「真実と嘘を見究めるのに不可欠」と評された本。三世紀におよぶ姿なきウィルスの正体を追跡する人間の物語を、ミステリー仕立てで描く。牛肉や牛乳を口にしても平気なのか?予防と治療の可能性は?いま何をなすべきか…といった問題にも真摯に答える。


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