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2024年5月26日日曜日

【おすすめ度○】高橋進『生物多様性を問いなおす』筑摩新書, 2021年

著者は元・環境省の官僚。環境省官僚の立場からの生物多様性の概説。大学の研究者や環境保護活動家とは異なったものの見方で書かれている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
SDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」とは? 地球公共財をめぐる収奪・独占という利益第一主義を脱し、相利共生を実現する構図を示す。
生物多様性を、「生物資源」と、人類の「生存基盤」という二つの価値と、さらにその両方を統合したアプローチである「地球公共財」と位置づけて考察。大航海時代以降の植民地・帝国主義時代からグローバル企業などによる現代のバイオテクノロジーの時代までの生物資源をめぐる先進国・途上国という構図、自然保護を目的とした国立公園で生じる軋轢や地域社会との関係。人類と自然との相利共生関係。そして近年世界的な標語となったSDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」を提起する。


2024年5月24日金曜日

【おすすめ度○】西村晋『中国共産党 世界最強の組織』星海社新書, 2022年

 中国社会を実質的に動かしている中国共産党の基層組織の仕組みを、わかりやすく解説している。同じような内容の本は他にない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで
中国の草の根社会に根差す中国共産党の実態がいま明らかに!
「強い中国」を実現した異形の「民主」システム
中国共産党の真の力を「組織論」から解き明かす!

日本人は、隣国かつ最大の貿易相手である中国を支配する共産党の実態をほとんど知りません。というのも、その本質は日本で盛んに報道される党中央ではなく、地域に根差したボトムアップの組織構造にあるのです。本書は、これまで日本で語られてこなかった中国共産党の下部組織を初めて紹介します。約1億の党員がいかに訓練され、企業や地域に浸透しているかを知らずに中国社会は語れません。「なぜ中国は迅速なロックダウンができたのか」「なぜ中国進出する日系企業は共産党員を迎える必要があるのか」このような疑問を解く鍵を握るのが共産党組織です。「一党独裁」のイメージからは想像できない真の中国をご案内しましょう。
日本の中国専門家、全員脱帽。
──安田峰俊(中国ルポライター、第50回大宅賞受賞)

なんで中国共産党はあんなに強固なんだろうとつねづね思ってたんですが、全て氷解しました。
──井上純一(『中国嫁日記』作者)