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2025年12月16日火曜日

【おすすめ度○】ルース・ドフリース『食糧と人類』日本経済新聞出版社, 2016年

急増する世界人口を支える食糧増産技術、特に肥料と品種改良の歴史。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
人類の歴史は「食糧増産→土壌の悪化→ブレイクスルー→人口増→食料危機」の繰り返しだった。人類は再び危機を乗り超えられるのか。

○都市の夜景を彩るライト、地平線まで広がる穀物畑……空から眺めれば、人類の活動の痕跡は至るところにみられる。人間は生息数を何倍にも増やし、生息分布を拡大したという意味において、生物界における極端な成功例である。何十億人もの人々のための食料生産と住宅供給は、地球を変える巨大な力になっている。
 数万年前までは他の動物と同様に野生動植物の狩猟と採取にだけ頼っていた人類が、なぜ食料生産に成功し、爆発的に生息数を増やすことができたのか? 本書は、コロンビア大学教授でマッカーサー・フェローでもある著者が、人類が自然をコントロールし、食料生産を増やしていった過程を歴史的観点から描くもの。

○これまで人類は、大河の恵み、焼畑、鶏糞や屎尿など肥料の工夫、そして近代以降は種や品種の改良と化学肥料、農薬の発明によって、食料危機を何度となく乗り越えてきた。一方でこの100年の急激な食料増産は記録的なペースだった。その結果、人口急増、肉食の横行、土壌の疲弊、水不足、食料供給の不平等といった数々の問題が起きている。私たちはこうした難問をどう解決していくのか? 本書はSDGSの半分以上の項目に関係する内容であり、人類史レベルで持続可能な未来を考えていくうえで必須の本といえる。
(表紙画像は文庫版のもの)


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