砂糖というモノを話の中心にして、植民地でのサトウキビ栽培、労働力としての奴隷貿易、砂糖生産の増加と価格低下のヨーロッパへの影響(人々のライフスタイルの変化)など、世界システムの近代史を読み解く良書。
本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
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【まとめ】このブログ全体のまとめです。
紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に) 【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら (教科書あるいは入門書的な本) 【おすすめ度○】の本の一覧はこちら (読むことをおすすめする本) 【おすすめ度●】の本の一覧はこちら (専...
2022年8月11日木曜日
【おすすめ度☆】川北稔『砂糖の世界史』岩波ジュニア新書, 1996年
出版社ページより紹介を引用
茶や綿織物とならんで歴史を動かしてきた「世界商品」砂糖にスポットをあて,近代史の流れをいきいきと描く.
茶や綿織物とならぶ「世界商品」砂糖.この,甘くて白くて誰もが好むひとつのモノにスポットをあて,近代以降の世界史の流れをダイナミックに描く.大航海時代,植民地,プランテーション,奴隷制度,三角貿易,産業革命―教科書に出てくる用語が相互につながって,いきいきと動き出すかのよう.世界史Aを学ぶ人は必読!
2022年8月3日水曜日
【おすすめ度○】橋本宗明『コロナと創薬』日経BP, 2022年
題名は『コロナと製薬』だが、コロナ関係(ワクチン、治療薬)は一部で、主に日本製薬メーカーの抗体医薬開発のルポルタージュ。製薬メーカーの雰囲気が分かって面白い。文章のスタイルはいかにも雑誌記者が書いた文体であり(著者は日経メディカル等の記者)、研究者の文体とは雰囲気が違う。(詳細内容)厚生労働省ワクチン政策の問題点、幻の国産mRNAワクチンプロジェクト、ワクチン開発の新潮流、新型コロナ治療薬へのチャレンジ、創薬新時代と業界の変動、日本の創薬イノベーション(中外製薬「ヘムライブラ」、第一三共「エンハーツ」、協和キリン「クリースビータ」、塩野義「フェトロージャ」)
出版社ページより紹介を引用
なぜ日本の製薬企業は出遅れたのか。
2022年4月、遂に感染者数が世界で5億人を突破した新型コロナウイルス(COVIV-19)のパンデミックは依然として終息する気配が見えない。切り札となっているワクチンの4回目の接種も検討され始めている。ワクチンでは、メッセンジャー(m)RNAという新しい仕組みのワクチンを短期間で開発したファイザー・ビオンテック連合とモデルナに依存し、日本の製薬企業の存在感は薄い。治療薬でもメルクなどが先行している。
かつての創薬大国日本はなぜ凋落したのか。バイオテクノロジーと医薬品産業を長年取材してきた専門誌記者の著者は、「モダリティ」のイノベーションに日本の製薬企業が乗り遅れたことが原因と見る。
「低分子化合物」「ペプチド」「抗体」「核酸」など治療に用いる物質の種類の違いを「モダリティ」という。低分子化合物の時代には有数のい創薬国だった日本が、バイオ医薬品へのモダリティの変化というイノベーションの大波についていけなかったのだ。
第1部では厚生労働省にも大きな責任がある「ワクチン敗戦」を分析し、日本企業の創薬力については、第2部で検証する。
ワクチン「1日100万回接種」を指示した菅義偉前首相のインタビュー「非常時は国内だけの視点では克服できない」を収録した。
2022年8月1日月曜日
【おすすめ度☆】石川真澄・山口二郎『戦後政治史 第4版』岩波新書, 2021
あまり深い分析はされていないが、基本的なことがバランスよく書かれている。日本の政治について知りたい人が最初に読む本としてよい本。
出版社ページより紹介を引用
的確かつ簡潔な叙述で定評のある通史に一〇年分を増補した最新版。民主党政権下で起きた東日本大震災から、安倍政権の復活と長期化、そしてコロナ危機に揺れる現在までの軌跡をたどる。それは、自民党「一強」と野党の弱体化が進み、政治的幻滅が拡大する時代であった。衆参両院の全選挙結果も収めた必携の一冊。
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