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2022年12月27日火曜日

【おすすめ度○】倉橋正直『阿片帝国日本』共栄書房, 2008年

あまり知られていないが、実は重要な大日本帝国の阿片政策に関する本。日本が中国侵略していたときに、日本が実効支配していた台湾・満州で日本政府がアヘンの専売制を敷いて、アヘンを大量に売りつけて儲けていたこと。のみならず、中華民国が実効支配していた地域にもアヘンを密輸出してばらまいていたこと。当時、日本と中華民国の間には不平等条約があり、中華民国は日本人のアヘン密輸業者を逮捕しても、裁判にかけて処罰することができなかった。テーマがテーマだけに史料が少なく、推測に頼らざるを得ない部分はあるが、中国にいた日本人の大半が、何らかの形で阿片密輸・密売に関わっていたという。 内容:阿片を用いた日本の中国侵略 阿片密売関係者(「祇園坊」と名乗る正体未詳の人物)による中国阿片密売レポート 満州国における阿片政策 後藤新平と台湾における阿片政策 阿片禁止運動家・菊池酉治

版元ドットコムより紹介を引用
今日、薬物汚染が世界的に問題になっている。日本もまた例外ではなく、すでにその害は軽視できない段階に至っているが、日本国民の多くは、日本が薬物汚染問題では被害者の立場にあるとだけ考えている。たしかに、現在、あるいは戦後の時期に限定すれば、日本は被害者である。しかし、戦前まで視野に入れれば、当時、日本は恐るべき加害者であった。すなわち、日本は世界一の麻薬生産国であって、阿片・モルヒネ・ヘロインなどの毒物を大量に、かつ長期間にわたって中国や朝鮮をはじめとするアジア諸国に密輸した。その結果、アジア諸国民は、はかりしれない害毒を被った。しかも、戦後の日本は、そういった恥ずべき行為を真摯に反省するどころか、ひたすら隠蔽し続けてきたのだ。


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