1テーマ2~4ページ形式で気候変動問題(脱炭素)の概要と、技術的対策の紹介、日本での取り組み状況を概説している。なお共生エネルギー社会実装研究所所長の堀尾正靭(ほりおまさゆき)先生は東京農工大名誉教授。
この本には気候変動(脱炭素)に関わる論点のほぼ全体がカバーされているけれど、例外として気候変動の問題をめぐる先進国と発展途上国の対立という論点が抜けていて(「南北問題」という単語は出てくるけど、説明は一切されていない)、この本を読んだだけだと「先進国は、将来世代の利益のために真剣に気候変動対策に取り組んでいるけど、発展途上国は遅れている」という誤解をする恐れがあります。実際には、気候変動(に限らず地球環境問題)は大部分先進国が引き起こした問題であり、先進国に主たる責任があります。
1992年の「アジェンダ21」や気候変動枠組み条約のころは、先進国と発展途上国には「共通だが差異ある責任 Common But Differentiated Responsibility (CBDR)」があると言われていましたが、最近はこの言葉はあまり聞かなくなった気がします。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
いま、最も注目される「脱炭素」問題のすべてがわかる!
環境・エネルギー分野の第一線で活躍する執筆陣が、地球温暖化の現状・対策から再生可能エネルギー、カーボンニュートラルによる地域活性化まで、97の主要テーマを図入りでコンパクトに解説。
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