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2023年11月20日月曜日

【おすすめ度○】岡本亮輔『創造論者 vs. 無神論者』講談社選書メチエ, 2023年

アメリカにおける宗教(創造論)と進化論の対立の歴史。デイトン裁判、トピカ公聴会、ドーキンスの反宗教活動など興味深い話題が書かれている。
 ただし、この本には問題点もある。いわゆる「筆が滑った」のだろうけど、オウム真理教を「仏教原理主義」というのは妥当ではないと思われる。その一方で、第2次世界大戦敗戦まで日本で猛威を振るい、今でも隠然・公然の影響力を持っている国家神道について何も述べられていないのは大きな問題点であろう。日本において、科学に対する悪影響という点では、キリスト教よりも国家神道の方が深刻である。

出版社ウェブサイトより紹介を引用
宗教と科学の長い戦争、なかでも、それぞれの陣営の最も過激な人々である創造論者と無神論者の戦いは、21世紀に入ってますます過熱している。それは、抽象的・理論的な戦いではなく、教育・医療・福祉・行政といった現実をめぐる戦いでもある。本書は、おもに欧米で激しく展開する両者の戦いに密着し、信念をぶつけ合う人間たちのドラマを描き出す。
サッカーの神様・マラドーナを祀る「マラドーナ教会」、『スター・ウォーズ』に感化され、宇宙の平和と正義のために戦う「ジェダイ教」、「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」なる異様な創造主を崇める「スパモン教」。乱立するこうした「パロディ宗教」は、近年台頭する創造論への反抗であり、「そもそも宗教とは何か」という根本的な問いかけである。
100年前のテネシー州で、進化論教育の是非をネタに企画された「町おこしのための茶番」が、文字通りの死闘となった「猿裁判」。2005年のカンザス州で開かれた公聴会では、20名以上の科学者・知識人が進化論を否定し、公教育に創造論を組み込むように訴える。そして、「穏健な信仰者」も敵とみなす「新無神論者」の登場で戦場は拡大し、戦いは激化する。
ヒトゲノム解読に成功したコリンズ博士の信仰と友情、新無神論を代表するドーキンスが到達した意外な宗教観、さらに、これから展開する戦いの見通しは――。



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