ドイツが脱原発を決めるまでの反対運動の詳細な分析。ドイツの反原発運動が、どうやって脱原発という大きな成果を挙げたのかがよくわかる。ただ、残念ながら推進の側(政府側)はあまり分析されていないので、そもそもドイツがなぜ原子力発電を推進したのかがよくわからない。
日本政府が原子力発電を推進している政治的理由として、日本独自の核兵器開発(ウラン濃縮技術や再処理によるプルトニウム抽出技術の確保)や、米軍の原子力空母が横須賀を母港としていることなどがあるが、ドイツにはそのような政治的背景はあったのか。ドイツには米軍の原子力空母はいないし、おそらくドイツ自身が核兵器開発をする意志もないので、そもそもドイツには原子力発電を推進する政治的背景がなかったのではないか。経済的理由だけでは、ひとたび大事故を起こすと数十兆円の被害を引き起こす原子力発電は正当化できないだろう。
出版ウェブサイトから紹介を引用
福島第一原発事故からまもなく、ドイツは原発の段階的廃止を決めた。いったん確立した原子力産業から撤退を決意するまでの政治過程をたどりながら、ドイツの民主政治の特徴を明らかにする。労働組合、環境団体、緑の党、メディアなどの組織や市民の活動は、連邦や州の政治にいかなる影響を与え、その結論を導いたのだろうか。
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