アメリカの女性法律家たちの「闘い」を紹介している(著者もジャーナリストだが弁護士資格を持っている)。とりわけトランプ政権下でこれまで女性たちが勝ち取ってきた平等が交代させられており、どうやってそれをくい止めるのかという切実な問題意識で書かれている。取り上げられているのは、移民、妊娠中絶の自由、シャーロッツヴィル極右暴動(著者はシャーロッツヴィル在住)、コジンスキー裁判官の性暴力事件(著者も被害者の一人、なお現在、最高裁裁判官になっているブレット・カバノーはコジンスキーの助手(調査官)だった)など、右派(保守派)と左派(進歩派)の意見が対立しているテーマ。もちろん著者は進歩派に属する。
アメリカでは裁判所が大きな政治的な権限を持っており、そのため弁護士の政治力は大きい。実際に弁護士から政治家になる人も多い(例えばビル&ヒラリー・クリントン夫妻、オバマ元大統領、カマラ・ハリス副大統領など)。著者のように、弁護士資格を持ちながらジャーナリズムやビジネスの世界で活躍する人も多い。そういうアメリカにおいて裁判所が果たしている機能の重要性や、今のアメリカで何が問題になっているのかを知るのにも有用な本。
ただし環境問題には全く言及されていない。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
女性+法=変革! 法を公平、平等、尊厳を得るための力に変えてきた女性法律家たちの闘いを描くエンパワリング・ノンフィクション。(※吉田注:実際にはこの本は女性法律家へのインタビューとその分析を主な内容とする「ルポルタージュ」であって、小説の1ジャンルである「ノンフィクション」ではない)
人種差別、人工妊娠中絶の阻害、投票権の制限、性暴力……トランプ政権時代の暴政に抗して自由と平等を守るべく即座に立ち上がったのは、多くの女性法律家たちだった。女性やマイノリティができることや望めることを常に規定してきた法。その法を権利獲得のための武器に変えてきたアメリカの女性法律家たちの歴史と現在の闘いを描く。
推薦のことば
女性やマイノリティの尊厳と平等のためにたたかってきたアメリカの女性法律家たち。
彼女たちが切り拓いた道の先で、それでも時として私たちは、なにも変わっていないと打ちのめされ、たたかいを続けている。
声をあげる女性たちと、ともにたたかう法律家、そしてそれを支える市民。
法によって社会を前進させようとするすべての人に、レイディ・ジャスティスの物語が勇気を与えてくれる。
――亀石倫子(弁護士、「LEDGE」代表)
アメリカ社会の変革を求めて果敢に挑戦した女性ロイヤーたちの姿に、目を見張りました。「女性に法を足すと魔法の力が生まれる」という著者の言葉に勇気づけられる、感動の一冊です。
――髙部眞規子(元裁判官・弁護士)
これはアメリカの話だが、日本の話でもある。日本もアメリカも、女性やマイノリティの平等からはほど遠い点では同じ。本書で描かれるのはアメリカで女性法律家たちが闘っている物語だが、日本でも世に知られざる多くの女性法律家たちが古い制度に挑戦し、社会を変えてきた。そんな先人たちに憧れた私は、法と制度を変えることをミッションとする弁護士になった。『レイディ・ジャスティス』は、よりよい未来の実現を望む若い人たちや、法の力を信じて弁護士を目指している人たちへのインスピレーションになるだろう。
――土井香苗(ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
「法は男の領域」。そんな時代にもレイディ・ジャスティスたちは見抜いていた。法は女性に変革の力を与えること。女性たちが連帯すればいかに偉大な変革が成し遂げられるかを。「最強」と呼ばれた女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの死。揺らぐ中絶の権利。トランプ再選の可能性――バックラッシュに立ち向かうための勇気と戦略がここに詰まっている。
――三牧聖子(同志社大学大学院准教授)
『レイディ・ジャスティス』は、人が最高の状態や最悪の状態にあったときの、そしてその人たちがこの五年間でアメリカ合衆国をどのようにかたち作ってきたかについての、心をつかみ、感動させ、わくわくさせる物語である。ダリア・リスウィックほど、深い知識とすぐれた報道、それに鋭いウィットを織り交ぜながら、法についての文章を生き生きとしたものにできる人はいない。本書は、トランプ時代の嵐の中で人権や真実のために立ち上がった勇気ある女性ロイヤーたちについての作品である。そこに書かれている歴史も重要だが、本書は非常におもしろく、迫真力をもって書かれた、あの時代を駆け抜けるような一冊でもある。
――レベッカ・ソルニット(文筆家)
女性やマイノリティの尊厳と平等のためにたたかってきたアメリカの女性法律家たち。
彼女たちが切り拓いた道の先で、それでも時として私たちは、なにも変わっていないと打ちのめされ、たたかいを続けている。
声をあげる女性たちと、ともにたたかう法律家、そしてそれを支える市民。
法によって社会を前進させようとするすべての人に、レイディ・ジャスティスの物語が勇気を与えてくれる。
――亀石倫子(弁護士、「LEDGE」代表)
アメリカ社会の変革を求めて果敢に挑戦した女性ロイヤーたちの姿に、目を見張りました。「女性に法を足すと魔法の力が生まれる」という著者の言葉に勇気づけられる、感動の一冊です。
――髙部眞規子(元裁判官・弁護士)
これはアメリカの話だが、日本の話でもある。日本もアメリカも、女性やマイノリティの平等からはほど遠い点では同じ。本書で描かれるのはアメリカで女性法律家たちが闘っている物語だが、日本でも世に知られざる多くの女性法律家たちが古い制度に挑戦し、社会を変えてきた。そんな先人たちに憧れた私は、法と制度を変えることをミッションとする弁護士になった。『レイディ・ジャスティス』は、よりよい未来の実現を望む若い人たちや、法の力を信じて弁護士を目指している人たちへのインスピレーションになるだろう。
――土井香苗(ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
「法は男の領域」。そんな時代にもレイディ・ジャスティスたちは見抜いていた。法は女性に変革の力を与えること。女性たちが連帯すればいかに偉大な変革が成し遂げられるかを。「最強」と呼ばれた女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの死。揺らぐ中絶の権利。トランプ再選の可能性――バックラッシュに立ち向かうための勇気と戦略がここに詰まっている。
――三牧聖子(同志社大学大学院准教授)
『レイディ・ジャスティス』は、人が最高の状態や最悪の状態にあったときの、そしてその人たちがこの五年間でアメリカ合衆国をどのようにかたち作ってきたかについての、心をつかみ、感動させ、わくわくさせる物語である。ダリア・リスウィックほど、深い知識とすぐれた報道、それに鋭いウィットを織り交ぜながら、法についての文章を生き生きとしたものにできる人はいない。本書は、トランプ時代の嵐の中で人権や真実のために立ち上がった勇気ある女性ロイヤーたちについての作品である。そこに書かれている歴史も重要だが、本書は非常におもしろく、迫真力をもって書かれた、あの時代を駆け抜けるような一冊でもある。
――レベッカ・ソルニット(文筆家)
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