有機塩素系をはじめとする、戦後の強力な殺虫剤が開発される以前の害虫防除に関する文化史。昔の人も、害虫と決して「共生」などしていなかったことがわかる。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による排除の対象となっていく。日本において“害虫”がいかにして誕生したかを、科学と社会の両面から考察し、人間と自然の関係を問いなおす手がかりとなる一冊。
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