かつて、障碍者が生まれることを防止することによって人類を改善しようという主張がされた。そのような考え方を優生学(Eugenics、ユージェニクス)という。現代社会において、優生学の考え方は表面的には否定されているが、水面下では社会のなかから優生学的な考え方がなくなったわけでは決してない。極端な例であるが2016年に起きた「やまゆり園障害者大量殺害事件」は優生学的な動機によって引き起こされた事件である。この本は、(もちろん批判的な立場から)優生学の考え方を説明する本。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
優生学とは、ひとことでいえば、優れた血統をのこし、劣った血統をなくすことで、人類全体の質を向上させようとする思想です。それは、ナチスドイツだけのものではないし、過去のものでもありません。かつては世界の多くの国でおこなわれ、いまも根強くその考えはのこっているのです。(本書「訳者によるまえがき」より)
前世紀、世界各地で政治をまきこむ運動となった優生学。その短くも変化にとむ歴史をひもとき、優生思想の呪縛がいまだに私たちをとらえてはなさない実態を明らかにする。
自分をとりまく「世界」がどんな難題をかかえているか。それはなぜ起こり、どうしたら解決できるのか。
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