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2022年7月27日水曜日

【おすすめ度●】小林光・岩田一政・日本経済研究センター『カーボンニュートラルの経済学』日本経済新聞出版社, 2021年

2050年の「カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出量の実質ゼロ実現)をめざして、今後に起きることを予測し、産業構造・政策・企業や消費者の行動の変化の必要性などを説明している。日本の自動車メーカーは、ハイブリッド車中心の戦略をやめて電気自動車中心に移行すべきであると主張するなど大胆なことも書かれている(日本経済研究センターは、日本経済新聞社関連の機関なので、日本を代表する大企業を批判するのは大胆な行為であるといえる)。

気候変動問題について、基礎知識のある人が次に読む本に良い。
社会の変化を実現するために、政治(政治家)が変わる必要があることは指摘されているが(189ページ)、この本は自民党政権の批判をしていないためぼやけた指摘になっている。

出版社ページより紹介を引用
企業のDXこそが温暖化問題解決の鍵を握る! カーボンニュートラル実現のために必要な制度、政策、企業の選択を提言する改革の書。
おすすめポイント
菅義偉首相は2020年10月26日、国会での所信表明演説の中で、日本政府として初めて2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標を表明しました。今年11月に英グラスゴーで開催されるCOP26(2020年度は開催されず延期)ではさらなるカーボンニュートラルの議論がなされると思われますが、この目標を実現するための経済政策の道筋は日本では明確にはなっていません。
日本経済研究センターは、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoT、ビッグデータが広く深く普及した第4次産業革命後のデジタル経済を想定、2050年度に13年度 比8割削減した場合の経済構造や削減コストを試算しています。現状で想定できるデジタル経済へ全面的に移行すれば、エネルギー消費量は6割減少し、さらに1万円/㌧・CO2(t-CO2)の環境税(炭素税)を課税すれば8割削減は可能、との結果が得られています。1.5℃目標の達成には税率を2.1万円超にするほか、脱原発に移行するならば、CO2を地中埋設するCCS(CO2の回収・貯留)が必要になります。デジタル経済への移行が、生産性向上につながる経済改革だけでなく、結果的に温暖化ガス削減にも貢献し、排出量ゼロも可能性があるのです。
本書は、ここまで日本経済研究センターに蓄積されてきた地球環境問題の知見と長期予測の成果を活用してカーボンニュートラル実現のために必要な制度、政策と企業の選択を明らかにするもの。日経センターでは企業のDXなしにはカーボンニュートラル実現は不可能としており、本書は企業にとっても関心が持たれる分析となります。



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