やや古い本であるが、フェアトレードの取り組みを通じて、現在の先進国と発展途上国の関係の在り方を論じている。フェアトレードを(主流派)経済学的に分析しているところが面白い。内容:フェアトレードの経済学 フェアトレードと倫理的(エシカル)消費 フェアトレード業界の構造と戦略 資金調達 フェアトレード認証 フェアトレードのマーケティングなど
出版社ページより紹介を引用
「途上国の作り手との「公正な貿易」により,貧困問題解決を推進するフェアトレード.コーヒーやバナナを中心に始まった取り組みは,いまや急激に拡大している.その先駆的研究者と実践者が,フェアトレードのビジネスとしての実際と魅力を,豊富な事例とともに紹介.消費者の選択が変えうる未来を提言する.
■訳者からのメッセージ
本書の原書は,二〇〇四年にイギリスで出版された.(中略)サブタイトルに “Market-driven ethical consumption”とあるように,本書はフェアトレードの経済学的側面,マーケティング,資金面など,他の書籍が扱っていない分野を多く取り上げた,アカデミックな内容となっている.特に経済学的側面については,農業という産業自体が持つリスクの分析や,途上国の農村地域における資本の流れと資金アクセス,また世界の商品市場の特性とフェアトレードの整合性などが書かれている.
編著者のアレックス・ニコルズ氏はオックスフォード大学サイード・ビジネススクールで社会的起業について教鞭をとるフェアトレード研究者である.同じく編著者のシャーロット・オパル氏は,本書執筆時はトランスフェアUSAの新製品開発担当スタッフであった.また第五章は,NEF(新経済団体)のスタッフで,ツイントレーディングの共同事業者でもある,ホイットニ・トーマス氏の執筆がした.研究者と実践者がともに書いた数少ないフェアトレード本として,本書の存在は大きい.
フェアトレードを研究する学生や研究者,またフェアトレードに関心を持ち,深く知りたいという一般の消費者の方々に読んでいただければ幸いである.」
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