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2022年12月25日日曜日

【おすすめ度○】秦正樹『陰謀論』中公新書, 2022年

ポリティカル・サイエンスの手法でいわゆる陰謀論を分析している。この本に書かれている分析は参考になるが、残念ながらこの本では、政府自身が陰謀論を垂れ流す、あるいは少なくとも政府が陰謀論を阻止しようとしないことの危険性が全く見落とされている(著者はまだ若い研究者なので厳しいことを要求するのは酷だが)。政府の側が陰謀論を垂れ流すのと、政府を批判する側が陰謀論を垂れ流すのでは社会に対する悪影響のレベルがまるで違うのだけど、この本では「保守の陰謀論」と「リベラルの陰謀論」が「どっちもどっち」のような扱いになってしまっている。実際には、今の政府と緊密な関係がある「保守の陰謀論」の方が社会に及ぼす悪影響ははるかに深刻。 内容:「陰謀論」の定義 陰謀論とソーシャルメディア 「保守」の陰謀論 「リベラル」の陰謀論 「政治に詳しい人」と陰謀論 民主主義は「陰謀論」に耐えられるのか

出版社ページより紹介を引用
「ネット上の陰謀論「Qアノン」を妄信する人々によって引き起こされたアメリカ連邦議会襲撃は、世界を震撼させる事件であった。21世紀の今、荒唐無稽な言説が多くの人に信じられ、政治的影響力すら持つのはなぜか。本書は、実証研究の成果に基づき、陰謀論受容のメカニズムを解説。日本で蔓延する陰謀論の実態や、個人の政治観やメディア利用との関連、必要なリテラシーなどを交え、「民主主義の病」への対抗法を指南する。」


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