インド、タイ、ベトナムでの代理出産ビジネスのルポ 著者は金沢大学医学部助教だが、まるで新聞記者のようなスタイルで関係者に丁寧にインタビュー(取材)している。このスタイルのおかげで問題の社会的な側面(貧困)が掘り下げられているが、逆に個別事例に深入りしすぎで全体像が見えなくなっているように感じられる面もあるように感じる(その点も新聞記者の本のようだ)。
出版社ページより紹介を引用
子どもがほしい──この願いが生殖技術の進展によってかつては考えられなかったレベルまで可能になった。卵子・精子の提供にとどまらず、子宮を借りることによって子を持てるようになったのだ。「親」になるのは不妊カップルだけでなく、独身者、同性愛カップルにまでおよぶ。一方、親子をめぐる法律や社会風土は各国それぞれで異なり、代理出産を許容する国には世界から「子づくりツアー」がやってくる。代理母先進地のインド、タイ、ベトナムの現地で代理母、依頼者、仲介者、医師にインタビュー調査した著者が、代理出産の今と将来をリアルに描き出す。他人の子を代わりに産むこと、他人に子を産んでもらうこと、などさまざまな境遇の人びとの生の声からは、その社会の家族観や子ども観、さらに南北問題や貧困問題までが浮かびあがってくる。
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