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2022年12月17日土曜日

【おすすめ度◎】リチャード・ハリス『生命科学クライシス』白揚社, 2019年

生命科学分野における再現性の危機(論文に掲載された実験結果が、他の研究者によって再現できないこと)の原因を科学的側面と科学社会学(研究組織)面の両方から追及する興味深い本 生命現象自体の変動性(実験条件によって結果が変わりやすい) 動物実験と人間との差 細胞株の問題(他細胞の混入が多発) 統計手法の誤用 詳細データを公開しない慣習 いきすぎたインパクトファクター至上主義 ほか

出版社ページより紹介を引用
効果を再現できない医薬研究、約90% 捏造や改ざんよりも根深い、科学のタブーを暴く
  製薬企業が53件の研究を追試したところ、結果を再現できたのはそのうちわずか6件。
再現失敗率、約90%――
 命を救うはずの研究が、低すぎる再現性のために、無用な臨床試験、誤った情報、虚しい希望を生みだし続ける。ずさんな研究はなぜ横行するのか? その影響はどこまで及ぶのか? 改革は可能か?
 トップ研究者から、政府組織の要人、業界の権威や慣習に立ちむかう「反逆児」、臨床試験に望みを託す患者まで、 広範な調査・取材を基に、ひそかに生命科学をむしばんできた「再現性問題」の全貌をあぶりだす。

【次々と明らかになる、ずさんな研究の実態】
・乳がん細胞と黒色腫細胞を間違えて、1000件以上の乳がん研究がおこなわれた
・糖尿病や心臓病などの疾患との関連が報告された遺伝子の98.8%が、のちに関連が否定された
・実験の結果が出た後に、それをうまく説明できるように仮説を立てなおすことが横行している
・わずか数匹のマウスの実験結果をもとに、人での臨床試験がおこなわれた
・マウスで開発された敗血症治療薬150種類すべてが人では効果がなかった
……生命科学では、いったい何が起きているのか?」



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