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2023年5月7日日曜日

【おすすめ度●】大嶽秀夫『自由主義的改革の時代』中央公論社, 1994年

若い人には、自分の生まれる前のことなのでイメージしづらいかもしれないが、激動の時代だった1980年代(主に中盤まで)、言い換えれば中曽根康弘政権時代の「改革」の詳細な分析が書かれている。この本を見ると、2019年に死去した中曽根康弘・元首相が、1980年代の時代の流れにうまく乗っかった卓越した政治家だったことがわかる。
 なおこの本は1994年の本であるにもかかわらず、1993年の「政治改革」は全く扱われていない。「政治改革」で問題になった自衛隊海外派兵も、重要な「対立軸」としては捉えられていない。1980年代にはまだ自衛隊の海外派兵に賛成する人は少数に限られており、自民党内でも圧倒的に反対多数だったので、主要な「対立軸」を構成することはなかったのであろう。そういう状況は30年以上が経過した現在ではすっかり変わっている。 内容:戦後日本における3つのイデオロギー的対立軸 1:経済政策をめぐる対立軸(経済的自由主義と社会民主主義) 2:道徳的・社会的争点をめぐる対立軸(伝統的保守主義と社会的自由主義) 3:参加と統治をめぐる対立軸(参加民主主義と私生活中心主義) 行政改革の登場と展開 国鉄 電電 健康保険 臨教審 民活から土地臨調へ 中曽根政治の光と影
【「TRC MARC」の商品解説】
国鉄分割・民営化や民活政策など、80年代政治をゆるがせた中曽根行政改革の理念と政治過程を具体的に分析し、現在の混乱する政治から脱脚するための指針を提示する。中曽根政治の光と影を追究する書。


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