半導体ビジネスの発祥期から現在までの企業興亡の歴史。激しい競争が行われ、それに生き残った少数の企業に全世界の半導体生産が集中していく。この本で見る限り、日本はすでにほぼ脱落し、ヨーロッパも危ない。(なぜ日本やヨーロッパが敗北しつつあるのかというと、やはりアメリカほど激しく競争的な社会ではないからではなかろうか)
著者は半導体と軍事の関係を非常に重視しており(最先端の高性能プロセッサによって兵器の精密なコントロールが可能になり、AI専用プロセッサが発展すればいずれは無人兵器も可能になる)、半導体産業においてアメリカが覇権を維持することが重要だと考えている。この点で、半導体産業は自動車産業などとは全く異なる。なお筆者はソフトウェアの発展よりも、それを高速で実行できるプロセッサの発展こそ重要だと考えているようだ。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
自動車や家電だけでなく、ロケットやミサイルにもふんだんに使われる半導体は、今や原油を超える「世界最重要資源」だった。国家の命運は、「計算能力」をどう活かせるかにかかっている。複雑怪奇な業界の仕組みから国家間の思惑までを、気鋭の経済史家が網羅的に解説。NYタイムズベストセラー、待望の日本語訳!
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