サブタイトルに「地政学から読み解く!」と付けられているけど、実際の本の中身はいわゆる地政学的な空論ではなくて、現実主義に基づいている。特に中国との関係では、中国と「全面的に衝突すべきでない」「協力してプラスになる効果が期待できそうな分野では協力し、進めていくことも必要」(268~270p.)としている。「中国と全面的に衝突しない」ということは、もし中国が台湾に侵攻したとしても中国と戦争しないということであるが、日本の経済の現実を踏まえれば、そういう結論になることは当然。 内容:資源を豊富に持つのはどの国なのか 国家の命運を左右する世界の分断と戦略物資 政治化する気候変動問題 脱炭素化からみた戦略物資 日本の戦略物資
出版社ウェブサイトから紹介を引用
米中対立が激化し、世界情勢が激変するなかで戦略物資への各国の眼差しが大きく変わってきている。
経済効率の追求から、自国または同盟国の安全保障を重視する方向へと向かうことで、資源エネルギーなどを中心とした戦略物資の確保が重要になってきているためだ。とくに近年は2020年に新型コロナが世界中で流行し、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が起きたことで、半導体や化石燃料などの資源を巡る各国の政治的な動きが活発化。さらに、グローバル経済によるサプライチェーンの崩壊や再生エネルギーへの転換なども複雑に絡まっており、戦略物資への理解は一筋縄ではいかない。
本書籍は戦略物資の現在地と未来の状況を地政学的な観点から読み解いた上で、それが国際情勢や各国の利害にどのような影響を与えるのかまでを丁寧に紐解く。戦略物資から世界を俯瞰することで、国家の盛衰までもが理解できるようになる1冊!
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