第2次世界大戦中、日本が占領していたインドネシアで、破傷風ワクチンの人体実験中に少なくとも98名が破傷風を発症して死亡する事件が発生した。当時、インドネシアを支配していた日本軍は、この事件をインドネシア人研究者による謀略であるとして研究者を死刑にしたが、冤罪であるという説が強い。本書ではこの事件の調査に基づき、やはり冤罪である可能性が高いことを示している。さらに、このインドネシアで行われた破傷風ワクチンの人体実験が、悪名高い731部隊と連携しながら行われていたことを指摘している。
またこの本では、インドネシアの破傷風ワクチン事件とは直接の関係はないが、731部隊の細菌戦活動(事実上、日本の支配下にあった「満州国」の首都だった新京市の郊外でペスト汚染ノミを散布したため、新京市内とその郊外でペストが発生した事件を含む)や、米占領軍が731部隊関係者を免責した秘密取引、その結果としての戦後の731部隊関係者が国立予防衛生研究所(予研、現在の国立感染症研究所)を拠点として日本社会で復権したことも書かれている。いわゆる帝銀事件で名前が挙がった「松井蔚」が731部隊関係者であることや、さらに新型コロナ蔓延時のいわゆる「アベノマスク」の背景にも731人脈があったことが指摘されている。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
1944年8月、ジャカルタのロームシャ収容所で謎の破傷風事件が発生。事件の背景にあった日本軍の謀略とは。
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