キリスト教は、有名な「もし、だれかがあなたの右の頬を打つなら、ほかの頬をも向けてやりなさい。」(マタイ福音書5:39)のように、「愛と平和」を説く宗教である。しかしその一方で、キリスト教が各国で事実上の国教となると、各国の戦争を正当化し、戦争のために兵士たちを鼓舞する役割を果たすようになる。それどころかキリスト教そのものが戦争の原因になった(十字軍や宗教戦争)こともある。
この本は、「なぜ建前上は『愛と平和の宗教』であるキリスト教が、実際には戦争を正当化したり戦争を煽ったりするのか」という難問に対して、その思想展開の歴史から考察する興味深い本。この本を読む限り、やはりキリスト(ナザレのイエス)自身は非暴力、反戦争であり、後の権力と結託した時代の神学者たちが戦争を正当化するための「理論」(というかこじつけや屁理屈)を編み出しているように見える。著者自身もキリスト教の信者だと自認しているが、開き直っているように見えるところもある。
出版社ウェブサイトから紹介を引用
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