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2025年8月27日水曜日

【おすすめ度○】富樫貞夫『<水俣病>事件の61年 未解明の現実を見すえて 』弦書房, 2017年

水俣病研究班の歴史、熊本大学をはじめとする「水俣病」の医学研究の問題点(現地調査に基づく疫学的研究の軽視)、認定と診断の違い、水俣病「最終解決」の問題点、チッソの倒産処理と補償責任など重要な論点を深く掘り下げている。この本の内容は高度であり、水俣病についてのかなりの専門知識がないと理解できない部分が多いだろう(それどころか知識の不十分な人が読むと、まるで医学者たちがまったく的外れな研究をやっていたかのように誤解する恐れもある)。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
ひとつの公害病として、水俣病が公式に確認(1956)されてから今年(2017)で61年がたつ。この間、水俣病闘争、見舞金契約、認定問題など政治的社会的にさまざまな動きがあった。それは今も続いており、胎児性水俣病などを含めて世界的に水銀汚染が問題になっている。しかし、水俣病はその大半が未解明のままなのである。本書は、初心者も含めて、「水俣病」の病名、メチル水銀汚染の海域の範囲、毛髪水銀値からみた健康影響、社会的な「認定」と医学的な「診断」の違いなど未解明の問題点を講義した、その記録集。


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