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【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 気候変動問題に関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 地域づくりと地方自治に関する本 水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本 原子力と核兵器に関する本 陰謀論、...

2026年1月13日火曜日

【おすすめ度●】山下一仁『環境と貿易 WTOと多国間環境協定の法と経済学』日本評論社, 2011

「環境と貿易」に関する経済的分析。ガット/WTOと多国間環境協定と環境問題の関連についても詳しい。良書だが専門的で簡単には理解できない。またやや古くなっているところもある。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
環境を改善しようとする動きと貿易自由推進の仕組みに生じた対立を、いかに解消するか。法と経済学の手法でアプローチする。


2026年1月12日月曜日

【おすすめ度○】野村総合研究所『カーボンニュートラルからネイチャーポジティブへ サステナビリティ経営の新機軸』中央経済社, 2024年

多数の実例を紹介しながら、「ネイチャーポジティブ」という新しい考え方に基づくサステナビリティ経営の新展開を解説する本。 内容:自然資本に関する諸概念 ネイチャーポジティブと他のサステナビリティテーマの関連 各国・各地域の政策等の動向(欧州、アメリカ、オーストラリア) 金融セクターの動向 事業会社の動向 求められる取り組み

紀伊國屋書店ウェブサイトから紹介を引用
自然資本・生物多様性にどう対応すべきか? 各国・地域の政策等の動向から国内外企業の取り組み事例までを紹介。1トピックを見開きで解説したビジネスパーソン必携の1冊。
なおこちらの著者による紹介も参考 → https://www.nri.com/content/900033287.pdf

【おすすめ度◎】久野秀二『アグリビジネスと遺伝子組換え作物』日本経済評論社, 2002年

古いが、政治経済学的な観点から遺伝子組み換えの問題を取り扱う良書 内容:理論的枠組みの検討 農業バイオテクノロジーの産業化の歴史 多国籍企業の農業バイオ戦略とその到達点 アメリカ合衆国におけるバイオテクノロジー政策の展開 農業バイオ政策の国際的整合化と対抗軸 農業者利益論の実際と開発者利益 途上国利益論の実際と国際研究機関の役割

出版社ウェブサイトから紹介を引用
GM食品の是非論を超えて、農業・食糧システムのグローバル化とバイオメジャー支配下の農業バイテクを、社会経済的側面から考察するとともに今後の展開方向を明らかにする。






2026年1月11日日曜日

【おすすめ度☆】片野田耕太『HPVワクチンのはなし ―効果は? リスクは? なぜ問題になったの? 素朴な疑問に答えます―』朝倉書店, 2025年

未解明の問題を残しながら、接種が再開されたHPVワクチンについて、問題の全体像を概説する本。内容:HPVワクチン問題の概要 HPVワクチンの効果とリスク HPVワクチン論争

出版社ウェブサイトから紹介を引用
HPVワクチン問題について,背景や経緯をできるだけ客観的に,医学・社会・政治的な側面を含めて解説.読者が自分なりに納得したうえで判断できることを目指し,信頼性の高い情報をわかりやすくまとめた1冊.〔内容〕HPVワクチンって?/どんな効果・リスクがあるの?/HPVワクチンをめぐる論争/なぜ問題がこじれるのか他

(「序」より)
 「HPVワクチン」,この言葉を聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。正式名称は「ヒト・パピローマウイルス・ワクチン」,かつては「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていました。「怖い」,「もめている」というイメージでしょうか。お子さんがいらっしゃる方で子どもに打たせようか迷っている,ご自身が接種するかどうか迷っているという方も多いでしょう。男性の中には自分とは関係ないと思っている方もいるでしょうか。医療者であれば,大事なワクチンなのに普及していないのをもどかしく思っている方が多いと思います。HPVワクチンをめぐっては,賛成,反対の双方からいろいろな情報が出回っていて,混乱している方も多いでしょう。本書は,HPVワクチンとは何か,どのような経緯で社会問題になったのか,なぜこんなにもこじれてしまったのかについて,できるだけ事実に基づいて解説したものです。
 まず序章の「HPVワクチン問題とは?」で,副反応疑い報道に端を発したこの問題の経緯について簡単に紹介します。次の第1章では,「HPVワクチンってどのようなワクチン?」と題して,HPVがどのようなウイルスで,どのような経路で感染し,どのような過程を経て子宮頸がんなどの病気になるのか,そしてHPVワクチンがどうやって効くのかについて,医学的な解説を中心にしています。やや理系寄りの説明で,社会問題としてのHPVワクチンとは直接関係はありませんが,HPVとHPVワクチンそのものの性質が論争の的となっていることがあるため,あえて最初にこの章を設けました。次の第2章「HPVワクチンにどのような効果があるの?」では,HPVワクチンのメリット,つまりHPVワクチンの予防効果について解説します。続く第3章「HPVワクチンにどのようなリスクがあるの?」では,HPVワクチンのデメリット,つまりHPVワクチンの副反応と考えられるリスクについて解説します。広く報道された「副反応疑い」についてはこの第3章で詳しく紹介しています。そして第4章「HPVワクチンをめぐる論争」では,HPVワクチンの行政,研究,裁判において繰り広げられてきた議論と論争について解説します。続く第5章「どうしてHPVワクチン問題はこじれるの?」では,HPVワクチン問題がなぜここまで泥沼化したかについて,新型コロナワクチンとの比較や社会的背景を含めて考察します。最後の第6章「HPVワクチンのこれから」では,HPVワクチン問題を踏まえて,社会としてワクチンとどう向き合っていくかについて考えます。
 なお,本書はHPVワクチンの効果について肯定する立場をとっています。安全性については,一定の副反応リスクがあることを認めつつも公衆衛生上のメリットがデメリットを上回るという立場をとっています。その上で,HPVワクチン問題をめぐるさまざまな出来事を可能な限り客観的に整理し,いろいろな観点から考察することを試みました。私自身は医師ではなく,医療資格を持っているわけではありません。がんの疫学(病気の原因を集団レベルで調べる学問)に約20年間携わってきた経験から本書を執筆し,HPVやワクチンの専門的な部分については執筆協力の江川長靖先生にご助言をいただきました。どの章から読んでいただいても理解ができるような構成になっていますが,医学的な問題と社会的な問題とがからみあっているのがHPVワクチンの特徴です。ぜひ最初の章からお読みになって,HPVとHPVワクチンの理解を深めてから複雑な社会問題へと進んでいただければと思います。

【おすすめ度☆】徳永達己, 武田晋一 編『これからのインフラ開発』弘文堂, 2021年

インフラ開発に関する教科書。インフラ開発に関心がある人は読んでみるとよい。 内容:持続可能なインフラ開発に向けて インフラの基礎知識 インフラの計画とデータ分析 都市計画・まちづくり 交通・ロジスティクス 防災 産業 農業 給水 インフラと人づくり インフラ開発の未来

SDGs、地方創生、Society5.0の視点から、未来のインフラのかたちを探る!
 世界中の人・モノ・情報の流れの高速化に伴い、インフラの再構築が求められる現在、質の高い日本の技術に再び注目が集まっています。また、少子高齢化を迎えた日本がコロナ禍の打撃から立ち直るためにも、老朽化したインフラの整備をはじめとした地方創生は急務です。
 日本が世界に誇る技術を網羅し、最新情報を整理した本書は、これからのインフラの可能性を示すとともに、日本経済復興への青写真となることでしょう。

【おすすめ度◎】橋本淳司『あなたの街の上下水道が危ない!』扶桑社新書, 2025年

現在の上下水道が抱える問題をコンパクトにまとめている良書。 内容:八潮市の陥没事故 水道管の寿命 高騰する水道料金 インフラ技術者の不足 水道民営化という幻想 水道の未来

出版社ウェブサイトから紹介を引用
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故。原因は老朽化した下水管の破損だった――。
この一件は、日本中どこでも起こり得る「水インフラ崩壊」の象徴であり、今まさに地下で進行している“静かな危機”の現れだと言えます。
 実は、全国の下水道管の総延長49万km(2022年度末)の2割が2032年には法定耐用年数を超え、2042年には、なんと4割が法定耐用年数を超える見込みだとされています。
 この数値はあくまでも現状のまま推移した場合。気候変動の影響で集中豪雨や台風が増え、下水道の負荷が増しており、老朽化や腐食は加速度的な勢いで早く進むと考えられているのです。
 本書では、こうした現実を、さまざまなデータをもとに検証。八潮で起きた事故は、決して他人事ではなく、自分の自治体・近所でもいつ起きても不思議ではないことなのです。
 その一方で、高騰を続ける水道料金。なぜここまで水道料金が上がり続けてしまうのでしょうか? 水道民営化をすれば解決するのでしょうか? 庶民の生活に密着する水道ですが、このあたりを詳しく説明し、民営化のメリットデメリットをフラットな視点から開設します。
 本書は、日本の上下水道インフラの老朽化が進む中で、見過ごされてきた課題を浮き彫りにし、維持管理体制の限界、人材不足、予算難、さらには水道民営化の問題点にまで踏み込み、国民一人ひとりが無関心ではいられない現実、さらには「ではどうすればいいか」という解決策を模索する一冊となっています。



2026年1月7日水曜日

【おすすめ度●】原田昇 監修『サステイナブル都市の輸出』学芸出版社, 2017年

日本からアジアの発展途上国に向けて、廃棄物処理、水資源、環境保全などの都市インフラの輸出がどのように行われているかが書かれている。やや内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アジア発展途上諸都市へのインフラ輸出ビジネスが急成長中だ。既にシンガポールや韓国の進出が著しく、日本も開発援助で培った信頼関係、耐震・環境技術等、質の高いインフラ技術を活かした官民連携の整備が急務だ。北九州や横浜等の自治体及び民間の先進事例と共に、政府、行政、研究者、民間の各観点から現状と課題を総括

【おすすめ度○】永松俊雄『環境被害のガバナンス(新版)』成文堂, 2017年

著者は元熊本県庁職員。水俣病の被害者救済について、元県庁職員らしく具体的に書かれている。さらに、水俣病の経験を踏まえて、福島原発事故の被害者救済についても考察されている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
水俣病と福島第一原発事故について、丁寧な分析、解説がなされている研究者、行政職員、市民向けの好著。

本書はいくつかの素朴な疑問から出発している。
第1に、環境被害はなぜ繰り返されるのか、私たちは過去の教訓に何を学んできたのかという問である。
第2に、環境被害はなぜ解決に数十年という長い年月を要するのかという問である。水俣病などの公害事件の多くは今なお解決していない。
福島第一原発事故も同様の道を歩むと予想されているが、一体なぜそのようなことになるのだろうか。
第3に、不意に降りかかる環境被害に対して、私たち市民はどう対処すればよいかという問である。
過去の例を見ても福島第一原発事故を見ても、期待どおりに事は進まない。
私たちは市民として環境被害をどう理解し、どのような行動選択を行うべきなのだろうか。
これらの疑問に対して、筆者なりの答えを見出すことを試みた書である。