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【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 気候変動問題に関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 地域づくりと地方自治に関する本 水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本 原子力と核兵器に関する本 陰謀論、...

2026年3月31日火曜日

【テーマ別】科学的認識論・科学方法論、陰謀論(極右や宗教を含む)、マスコミなどに関する本

科学的認識論・科学方法論、陰謀論(極右、宗教を含む)やマスコミなどに関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

フィリッパ・レヴィン『14歳から考えたい優生学』すばる舎, 2021年(優生学は人種差別や陰謀論との関係が深い)

【おすすめ度●】井上弘貴『アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち』新潮選書, 2025年

「オルトライト」や、イーロンマスク、ピーター・ティールなどの「テックライト」をはじめとするアメリカの新しい右翼思想の考察。白人優越主義と移民問題が重要な役割を果たしていることがわかる。この本の「あとがき」でも書かれているが、この本で取り上げられている人たちは「思想家」とはいいがたく、政治運動家か経営者が大半である。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカを乗っ取った「危険な思想」の正体を明かす!
トランプ政権による国家改造の成否に関わらず、リベラル・デモクラシーへの不信感は決定的なものとなっている。左右両極の間で起きた思想戦争の内幕を追いながら、テック右派から宗教保守、ネオナチなどの思想家たちが、なぜリベラルな価値観を批判し、社会をどのように作り変えようとしているのか、冷静な筆致で読み解く。


【おすすめ度○】鎌田安里紗/マルティメンド有加『わたしの服はどこからきてどこへいくの?』晶文社, 2026年

ファッションのサプライチェーン(服が作られて、売られるまでの流れ)・バリューチェーンとファッション廃棄物問題を題材にして、先進国と発展途上国の関係を考察する本。「サステナブルファッション」と言われるものが本当にサステナブルなのか、表面を飾っているだけ(いわゆる「グリーンウォッシュ」)なのではないかという問題提起もされている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
ファッションとサステナビリティについてのモヤモヤ、まとめて掘り下げます!
素材についての知識から、愛着ある服を長く着るコツまで、服と人との良い関係をめぐる7章の報告書。
服にもサステナビリティが大事なことはわかっているけれど、いざ自分の消費行動になるとそれから外れた選択をしてしまい、なんとなくモヤモヤしている……。そんなひとに向けて、服にまつわるさまざまな問題について考えてみました。著者は「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに、サステナブルファッションに関する教育やコンサルティングを行う一般社団法人の理事2人。
手放した服はどんな運命に? リサイクルされる割合はどのくらい? オーガニック素材はほんとうによいの? 服の値段はどのくらいだと妥当? サステナブルを企業は謳うけれどどこまで信用できる?……そんなあなたの疑問に答えます。ほんとうに心地よい服との付き合い方、いっしょに考えてみませんか?


2026年3月29日日曜日

【テーマ別】戦争と平和に関する本

戦争と平和、およびそれに密接にかかわるエネルギー資源問題や宗教対立に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

加藤喜之『福音派』中公新書, 2025年(直接に戦争や平和を取り扱った本ではないが、アメリカとイスラエルの関係の一面を知ることができる)


【テーマ別】原子力と核兵器に関する本

原子力と核兵器に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

【おすすめ度●】海渡雄一/大河陽子『東電刑事裁判 問われない責任と原発回帰』彩流社, 2023年

東電刑事訴訟高裁判決の批判を中心にして、これまでの原発訴訟を振り返る。さらに、これまでの原発訴訟等の運動の成果を踏まえて、今日的な論点についても考察している。 この本で取り上げられている今日的な論点の例:福島原発事故はなぜ起きたか(福島原発事故の教訓) 福島イノベーション・コースト構想での軍事・民事デュアルユース 「革新炉」はもんじゅの二の舞になる こどもの甲状腺がんと裁判 原発老朽化 原子力規制委の評価 汚染水の海洋放出 など
やや一方的(一面的)な議論になっているところもあるので、おすすめ度は○でなく●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日本の急速な原発回帰と東電元経営陣被告への国策に配慮した結論ありきの無罪判決。全裁判をつぶさに把握する弁護士が再度問う。
岸田政権は原発の新規建設や60年以上の運転延長など、原発回帰に急速に政策転換している。そのなかで、東電元経営陣に対し 3・11 原発事故の刑事責任を問う裁判で被告全員に無罪判決が出た。
現場検証や証人尋問等による証拠採用もせず、被害者をふみにじる、国策に配慮した結論ありきのような判決は、次の原発事故を準備する危険な論理である。その危険な論理を、すべての裁判をつぶさに把握する弁護士がわかりやすく解説する。




【おすすめ度○】同志社大学良心学研究センター 『良心から科学を考える パンデミック時代への視座』岩波書店, 2021年

軍事、環境破壊、バイオテクノロジーを中心にして、科学と良心の関係を考察している。多数の著者による論文集なので内容にあまりまとまりがない。またサブタイトルが「パンデミック時代への視座」となっているが、新型コロナのパンデミックについて深く考察している論考はない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
歴史的に、国家は科学の領域に積極的に介入してきた。人工知能やドローンなどの最先端技術が軍事利用の対象となり得る今、長期的な視点で科学や技術の進展を俯瞰することが必要ではないか。この重要課題に宗教・自然科学・科学史などの研究者14名が答える。パンデミックの危機にさらされる時代を生きるために必読の書


【おすすめ度●】大塚英志/大澤信亮『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』角川書店, 2005年

「ジャパニメーション」と言われるアニメとはどういうアニメなのか、ジャパニメーションの歴史に関する考察と、それを踏まえた上で政府による「ジャパニメーション」振興策を批判している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日本のまんが、アニメの何が本当に特別なのか。戦時下のサブカルチャーはどのような影響を受けるのか。萌とナショナリズムの親和性とは。国
家の振興策は有効なのか。まんが、アニメの過去、現在、未来を問い直す。

【おすすめ度○】豊下楢彦『「核抑止論」の虚構』集英社新書, 2025年

「核抑止」の思想が発展してきた歴史を振り返ったうえで、その虚構性・虚構性を明らかにする良書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。
しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場、さらにイスラエル・イランのミサイル攻撃に対するアメリカの軍事介入など、核使用の危険性がますます高まっている。
そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は”脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。
こうした核抑止論の本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。



2026年3月14日土曜日

【おすすめ度☆】鷲津明由/赤尾健一/有村俊秀 編著『カーボンニュートラルと社会』晃洋書房, 2025年

気候変動問題に関する教科書的な概説書だが、内容は高度。内容:カーボンニュートラル社会が求められるに至る経緯 気候変動問題と世代間公平・持続可能性 日本の気候変動対策法制 企業の視点から見た脱炭素化 グローバル気候変動ガバナンスの発展 脱炭素とカーボンプライシングの役割 温暖化と社会経済の超長期シナリオのモデル化と評価 カーボンニュートラルとエネルギー転換の地政学とガバナンス スマート社会の産業連関分析

出版社ウェブサイトから紹介を引用
社会科学の学際的視点から、脱炭素社会の捉え方、それへの貢献の仕方を,脱炭素に係る様々なトピックの最新知見とともに紹介
 脱炭素社会の実現のためには、技術革新に加えて、社会そのものが変わっていく必要があり、関連する社会科学の知見はその実現に不可欠である。本書は、政策学、経済学、法学、社会学、経営学等の社会科学の視点から、脱炭素社会をどう考えることができるか、それにどう貢献できるかを紹介する。温暖化の国際交渉、世代間の衡平、カーボンプライシング、気候変動対策法制等に関する最新の知見を紹介。


2026年3月12日木曜日

【おすすめ度☆】塩川伸明『民族とネイション』岩波新書, 2008年

民族や「ネイション」に関する理論・思想的な考察と、世界各地の民族・ナショナリズム問題の現状。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
国民国家の登場以来の歴史をたどりながら,「民族」「ネイション」「ナショナリズム」とは何かを明らかにする.
地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で,「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」という言葉がさかんに飛び交っている.だが,これらの意味や相互の関係はそれほど明確ではないのではないか.国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら,複雑な問題群を整理し,ナショナリズムにどう向き合うかを考える.



【おすすめ度☆】J.A.トーマス/M.ウィリアムズ/J.ザラシェビクシュ『人新世再入門』名古屋大学出版会, 2025年

「人新世」に対する諸科学からの分析の集成。教科書・入門書のスタイルではあるが、内容は高度。 人新世の地質学的背景 人新世と気候変動 人新世と生物圏の変容 古人類学、考古学、人類学 政治学と経済学(これらに対してはあまり評価していない) 人新世の実存的課題

出版社ウェブサイトから紹介を引用
人類の手により地球システムが変容を遂げた危機の時代に、どう向き合うべきか。最も信頼できる著者らが、あらためて地質学的背景から社会的意味まで、系統的かつ包括的にわかりやすく語る。人新世を長大な地球史の流れの中に明快に位置づけた、「文系」「理系」を横断する待望の入門書。




2026年3月11日水曜日

【おすすめ度☆】松岡久蔵『日本が食われる いま、日本と中国の「食」で起こっていること』彩図社, 2020年

題名はセンセーショナルだが、まじめな内容。グローバル化が進むなかで起きている新品種開発と遺伝資源保護の問題(和牛 イチゴとブドウ、ニシキゴイとナマコ)、漁業資源管理(サンマとウナギ)、漁業資源管理と動物愛護的な環境保護運動と政治が密接にかかわる問題(マグロとクジラ)、メディアによるこれらの問題の取り上げ方などに関する本。ルポルタージュのスタイルで読みやすい(出版社の紹介ではノンフィクションになっているが、正確にはルポルタージュ)。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
 いま、日本の資産と考えられていた「食」の数々が、海外に流出している。
 和牛やマグロは、すでに海外による飼育・漁獲によって日本がかなり押され気味である。そのほかにイチゴ、マスカット、サンマなども、中国をはじめとする海外勢力により、日本のシェアは縮小している。
 なぜこのような事態になったのか。それぞれの現場はどのような状況なのか、そして今後の展望は?
 食分野の記者経験が長い著者が足で集めた情報をもとにした、骨太なノンフィクション。


2026年3月1日日曜日

【おすすめ度☆】マイケル・D・ゴーディン『疑似科学から科学をみる』岩波書店, 2025年

「科学」と「疑似科学」を簡単に線引きして区別することができないという立場から、反進化論や反ワクチン、心霊科学などのいわゆる疑似科学を「痕跡科学」(占星術や錬金術のように、科学が発展することによって従来の学説が否定された事例)、「御用科学」(ルイセンコ学説のように、権力と結託することによって非科学的な学説が社会で有力になった事例)、「反体制科学」(反体制的な心情をもった人が、通常の科学に対する反発として非科学的な学説を支持する事例)、「心霊科学」「グレーゾーンの科学」という観点で分類して説明する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
疑似科学とされる、占星術や錬金術、創造論、心霊研究、水の記憶…。数世紀にわたる論争を見れば、科学の本質が見えてくる。
 かつては「科学」と呼ばれた、占星術や錬金術、骨相学や優生学。今は「疑似科学」と呼ばれるこれらに、現在では創造論や心霊研究、「水の記憶」をめぐる主張なども加わっている。では、正しい科学とは? 本書では、擬似科学をめぐる数世紀におよぶ論争を振り返り、科学の本質を考え直す。否認主義が拡大する今こそ読みたい1冊。

【おすすめ度☆】北村朋史, 田中佐代子, 若狭彰室, 藤澤巌, 森肇志編『国際法で世界がわかる 新版』岩波書店, 2025年

領土問題や戦争、海洋(領海)のような問題から、人権、環境、労働など社会的な分野まで、国際法がどのように関わっているかを概説する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「国際ニュースの疑問から国際法を学べるユニークな入門書」として好評を博した初版を九年ぶりに改訂。今回はウクライナとガザでの戦闘、トランプ関税、ビジネスと人権など新たなテーマを取り上げ、背景にある国際法の問題を解説。楽しみながら国際法の基礎知識が身につき、激動の国際社会を見通す確かな視点が得られる本。