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【まとめ】このブログ全体のまとめです。

このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動問題に関する本 原子力と核兵器に関する本 地域づくりと地方自治に関す...

2026年5月30日土曜日

【おすすめ度●】三浦まり/岡野八代 編『ジェンダーで学ぶ政治学』世界思想社, 2026年

ジェンダーと政治とのかかわりを多角的に分析する本。本のスタイルとしては教科書のような形式になっているけど、内容的に教科書の水準ではない。 

出版社ウェブサイトから紹介を引用
なぜ政治家は男性ばかりなのか? なぜ政治はケアを不可視化するのか?
政治の思想と仕組みから平和構築まで、ジェンダーの視点から政治をとらえなおす最先端の政治学講義。男性中心の権力構造を刷新し、誰もが生きやすい社会を作るための必読書

【「0 ジェンダーから問う政治/学」より】
 本書は、私たちの暮らしや生き方に政治が密接に関わっていることを、ジェンダーという視点を導入することを通じて、四つの観点から明らかにしていく。四つの観点はそれぞれ本書の各部の柱となっている。
 第一の観点とは、そもそも政治とはなにかを、これまでの政治学では扱わなかった私的領域から捉えなおす視点だ。政治の意味を権力者による意思決定に限定せず、家族を含む私的領域に拡張することで、政治と私たちの人生との深い関わりが見えてくる。第二の観点からは、人類の長い歴史のなかで男性の活動の場とされた政治領域に、いかにして現代の女性たちが参画しようとしているのかを問う。第三の観点からは、政治の基本的単位であり、最大の権力機構である国家が、ジェンダー規範とどのように関わっているかを明らかにする。そして最後に、国際社会において最も(暴)力をふるう国家という観点から、女性たちはその(暴)力にいかに影響されてきたのか、あるいは抵抗してきたのかに光を当てる。
 以上四つの観点を貫いているのが、私たちの身近な出来事の多くは個人的な選択や好みの結果であり、政治や経済は日常生活からはかけ離れた非個人的なものであるという常識を、批判的に検証する視座である。つまり、既存の政治学の多くが依拠してきた、私的な関心と公的な事象を厳格に切り分ける公私二元論を根本的に疑ってみる視座である。



2026年5月26日火曜日

【おすすめ度☆】阿部正浩/松繁寿和『キャリアのみかた 第3版』有斐閣, 2026年

「就職」して社会に出るために参考になる情報がいっぱい書かれている。1項目につき見開き2ページで記述される形式(つまり、短い説明が多数収録される形式)で、この形式が合う人と会わない人がいると思うが、もし「自分にはこの形式は合わない」と思ったら無理して読む必要はない。なお初版(2010年)や第2版(2014年)は内容が古くなっているので、現時点で読む価値があるのは2026年に出版された第3版だけである。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
不安定な時代のキャリア選択に,経済学という確かな視点を。
キャリア形成に役立つ最新データと,その確かな見方をやさしく解説。1トピック見開き2頁完結で,労働市場の今をビジュアルに学べる。テクノロジーと仕事の変化など最新動向を反映し,入門書としての学びやすさを追求。就活を控えた学生の最初の一歩に最適。


2026年5月25日月曜日

【おすすめ度●】デビッド・クアメン『パンデミックのとき科学は 未知のウイルスに挑んだ研究者たちの記録』白揚社, 2025年

 SARSと新型コロナへの対応の比較など、パンデミックの時の科学者の役割を詳しく描いている。なぜ日本で被害が比較的少なかったのかという問題は取り上げられていない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
新型コロナ・パンデミックは、人類史上まれに見るウイルスと科学技術の総力戦だった。
ウイルスの全ゲノム配列が解読・公開されると、最先端の研究成果や技術を応用したmRNAワクチンの開発や変異株のリアルタイム追跡などが前例のないスピードとスケールで実現された。
突発的な感染爆発に対して、なぜそんなことが可能だったのか?
エイズやエボラの研究で名を馳せた伝説的なウイルス学者、感染症流行を監視する疫学者、新進気鋭のバイオインフォマティシャンなど100名近い科学者への取材を基に、ウイルスと科学の攻防を克明に描く。


 


2026年5月22日金曜日

【おすすめ度☆】後藤道夫/木下武男『なぜ富と貧困は広がるのか』旬報社, 2008年(改訂版2009年)

社会変革をめざす立場からの経済学(マルクス経済学)の教科書。古い本であるが今でも通用する。(言い方を変えれば、この本よりも良い教科書がいまだに出ていないということで、それはいいことではないけど)

出版社ウェブサイトから紹介を引用
暴走する新自由主義がもたらした世界経済危機と雇用破壊!働いても生きていけない社会のしくみを解き明かす。



2026年5月19日火曜日

【おすすめ度☆】江成穣/倉地真太郎/佐藤一光/藤原遥『Why not?! 財政学 超入門からホットイシューまで』有斐閣, 2025年

財政思想と財政制度、経費(歳出)論、歳入論などの通常の財政学の教科書の内容に加えて、「大きな政府と小さな政府」、「グローバル化と財政」、「財政と地域経済・雇用」「環境政策と財政、環境被害救済と責任」、「政治的合意形成」、「多様性と財政」などの現代的な問題についても降らられている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
財政がわかると社会がわかる! 一番やさしい財政学の教科書。
専門用語を極力使わず,教育,年金,医療など日々の生活と財政とのつながりを動画とともにゼロから学べる財政学の超入門書。1章10ページで読みやすく,かつ体系的に学べます。社会の写し鏡としての財政を自分のこととして捉え,考える力を養います。

【おすすめ度●】高崎経済大学地域政策研究センター『景観法と地域政策を考える』勁草書房, 2014年

景観法の仕組みと、景観保全の実践例の紹介。良い本だが内容が古くなっているところがあるのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地域政策を考える上で景観法はどのような効力を及ぼすのか。研究者と実務家が協力し、景観と地域政策との関連性について整理する。
地域の景観を守ることは、住民と自治体、それに専門家も交えた協働作業である。70年代以降、全国各地で地域全体の調和や美観を軽視した建築物が増え、伝統と風格ある街並みが損なわれている。それに対し、景観条例、景観法、景観協定はどのような役割を果たしてきたのか。複雑な景観法とその関連法について、背景や内容を中心に解説。



2026年5月18日月曜日

【おすすめ度☆】松田憲忠/西岡晋/宇野二朗 編著『生活からひもとく政策と行政』ミネルヴァ書房, 2026年

地域交通、公共事業、商店街活性化、景観保護、社会保障、少子化など具体的な地域の課題の解決を題材にした政策研究の部と、窓口「たらい回し」、ワクチン接種順への有力者の介入、政治家と官僚組織、「お役所仕事」、公務員の役割、地域おこし協力隊などを題材にした行政研究の部の2部からなる行政学の教科書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
行政についての学習の「入門の入門」となるテキスト。高校までで扱ったような事例や社会問題、これまでの生活の中で経験してきた事例のような「身近な問題」について「もうちょっと深く考える」ことを通じて、本書全体で「学問への誘い」を示す。
[ここがポイント]
◎ 行政についての「入門の入門」となるテキスト
◎ 「行政学」や「政策学」の一般的なテキストより一歩前に読んでほしい一冊
◎ 生活の中での素朴な疑問や気づきの先(あるいは裏)にある行政や政策の存在をたぐりよせる
◎ 身近な事例を行政学における重要概念・理論等につなげ、学問としての行政学への自然な橋渡しをおこなう
◎ ゼミや自主学習のテキストとしても最適!



2026年5月16日土曜日

【テーマ別】公害問題と食の安全に関する本

公害問題と食の安全に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)


直接公害問題を扱った本ではないが、密接な関係がある本

【まとめ】おすすめ度○の本(読むと有意義な本)

おすすめ度○(読むと有意義)の本のまとめです。(新しい本→古い本の順)

阿部潔『東京オリンピックの社会学 危機と祝祭の2020JAPAN』コモンズ, 2020年
マーク・ダウィ『草の根環境主義』日本経済評論社, 1998年

【おすすめ度☆】松永和紀『食品の「これ、買うべき?」がわかる本』大和書房, 2024年

科学データに基づいて、「健康食品」や「サプリメント」などを評価する本。食品に関する「リテラシー」を育てる内容。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
メーカーが「言いたがらない」58の視点で、本当に正しい食の知識が手に入る。
科学ジャーナリストが本気で調べた、食の真実。
体にいい食品と悪い食品、サプリやセールストークのウソとホント。目から鱗の58視点!
この20年あまり、私が一貫して気になっているのは、世間に氾濫する間違った情報に惑わされている人たちが目立つこと。そこで本書では、お買い物をし、作ったり食べたりする人目線での、情報の“交通整理”を試みました。(はじめに)
セールストークは一切ナシ。メディアも、食品メーカーも言いたがらない真実。


2026年5月13日水曜日

【おすすめ度●】柳川喜郎『襲われて 産廃の闇、自治の光』岩波書店, 2009年

岐阜県御嵩町で巨大な産業廃棄物(産廃)処分場が計画されたときに、反対していた町長が襲撃されて瀕死の重傷を負う事件が発生した。この本は事件を中心にした本。当事者(襲撃された町長)が著者になっているが、書き方のスタイルとしてはルポルタージュに近い。産廃ビジネスをめぐる闇勢力の暗躍が詳しく書かれている。ただしその反面、産廃問題そのものについては体系的ではない。なお処分場計画は最終的に中止になった。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
テロに屈せず住民投票を実施し,産廃処分場計画を阻んだ岐阜県御嵩町の前町長が,その生々しい体験を語る.
緑の谷を産業廃棄物で埋め尽くし,「東洋一」の処分場に──.1990年代に岐阜県御嵩(みたけ)町で浮上した巨大計画は,慎重な町長への襲撃事件と住民投票での圧倒的反対で全国の注目を集めた.金力・権力・暴力と対決したその前町長が,利権に群がる魑魅魍魎の姿と産廃・環境問題の考え方を,生々しい体験とともに語る.

■著者からのメッセージ
 空気が読めなかった田舎町長の物語
 最近の自民党内紛劇を見ていても,政治家の皆さんは空気を読むのがほんとうにうまいな,と感心する.「反麻生」で激しく抵抗していた面々も,あたり一面の空気を読んで,利あらずと見るや,たちまち沈黙してしまった.見事なまでの「読気術」である.
 政治家のはしくれの田舎町長だった私も,そうした「読気術」を身に付けていれば,襲われて死にそこなうこともなかっただろう.
 カネの力で強引に産廃処分場建設を進める産廃業者,それを後押しする許可権者の県,さらには利権に群がる暴力組織.しかも産廃処分場計画は発進直前だった.空気は誰の目にも見えていた.
 だが,500万人の水道水源である木曽川,そのほとりの「東洋一」の巨大産廃処分場計画には,あまりにも多くの理不尽があり過ぎた.もし政治家らしく空気を読んで,理不尽は見て見ぬふりして沈黙していれば,いまごろ木曽川畔の谷は産廃の山で埋め尽くされていただろう.
 空気を読んで沈黙することは,ときに共謀や加担につながる.それは私にはできなかった.


【テーマ別】途上国の開発やグローバル化、貿易と環境などに関する本

途上国の開発やグローバル化、貿易と環境などに関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

中原聖乃/三田貴/黒崎岳大『核問題の「当事者性」』泉町書房, 2024年(旧植民地における核兵器実験の問題を扱っている)
原田昇 監修『サステイナブル都市の輸出』学芸出版社, 2017年(発展途上国における都市インフラ開発問題を扱っている)
白輪剛史『動物の値段と売買の謎』ロコモーション, 2010年 (希少動物の国際取引について、輸入業者の立場から詳しく説明している)
フレッド・ピアス『水の未来』日経BP, 2008年 (世界の水問題を扱っている)

【おすすめ度○】高橋英一『肥料になった鉱物の物語 グアノ、チリ硝石、カリ鉱石、リン鉱石の光と影』研成社, 2004年

グアノ、チリ硝石、カリ鉱石、リン鉱石に関する歴史。これらの肥料になる資源が、人類の歴史に大きな影響を及ぼしてきた非常に重要な物質であることがわかる。

紀伊國屋書店ウェブサイトより紹介を引用
人類文明の豊かさと貧しさを再認識させる肥料革命!四つの肥料鉱物が次々に登場したきっかけは何か、それによって何がかわり、近未来にどのようなことが起こるのか、乱掘と多用の歴史的エピソードを物語風に綴り、農業の変革や環境問題も織り交ぜて検証していく。




2026年5月8日金曜日

【おすすめ度☆】関根佳恵『13歳から考える畜産 小さな畜産からつくるサステナブルな未来』かもがわ出版, 2026年

工業化された畜産の問題点を指摘して、持続可能な畜産への転換を主張する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
持続可能な暮らしを実現する畜産の未来を考える
畜産を通して、食・環境・命のつながりを学ぶ、総合学習・探究学習にぴったりの一冊。
輸入飼料の価格高騰による経営難、人手不足、鳥インフルエンザなどの伝染病・・・
私たちの暮らしを支える畜産の現場でいま、何が起きているのでしょうか。
[気候変動][アニマルウェルフェア(動物福祉)][オーガニック]などのキーワードで、〈持続可能な畜産〉を探ります。



【おすすめ度○】黒岩比佐子『伝書鳩』文春新書, 2000年

伝書鳩の軍事利用と民間(新聞社)による利用の歴史。この本を読んで、私が思っていたより実用的に使われていたことがわかった。

紀伊國屋書店ウェブサイトから紹介を引用
今の我々は鳩といえば駅前や公園のドバトを連想しがちだが、かつては新聞社のスクープ合戦の一翼を担う鳩もいた。海上や山間や僻地から写真などを身に帯び、隼や鷹の襲撃をかわしつつ、ときには数百キロという遠路を社屋目指して飛び帰る伝書鳩は、いわば当時の花形通信手段だったのだ。本書は明治期、軍用鳩として西洋より導入されてから、近年、レース鳩へと転身するまでのその歴史を、丹念な取材でたどりつつ、鳩が秘めた驚くべき能力の謎にも迫る。


【おすすめ度☆】大河原誠也 編『国際協力ってなんだ? つながりを創るJICA職員の仕事』ちくまプリマ―新書, 2025年

JICA(国際協力機構)がどのような仕事をしているか、事例を紹介する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
私にも、できるかも!?  JICA(国際協力機構)若手職員が語る、人と協力する仕事のリアル
ホンジュラスで柔道、広島で大縄跳び。東京で書類づくり、バングラデシュで堤防づくり。JICA(国際協力機構)若手職員が語る、人と協力する仕事のリアル。



2026年5月5日火曜日

【おすすめ度●】レベッカ・スクルート『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』講談社, 2011年

本書はヘンリエッタ・ラックスの娘のデボラに対するインタビューを中心に書かれた家族のルポルタージュ。
 黒人女性ヘンリエッタ・ラックスのがんから採取されたヒーラ(HeLa)細胞は、科学研究に多大な貢献をしたしただけでなく、莫大な経済的利益ももたらした。それにもかかわらず、ヘンリエッタ・ラックスの家族たちには何の利益還元もなくは、家族たちは貧困に苦しんでいる。それどころかヘンリエッタ・ラックスの細胞が科学研究に利用されていることさえ伝えられていなかった。
 また過去のアメリカでは黒人を対象にして危険な人体実験が行われており、家族たちは、ヘンリエッタ・ラックスも人体実験の犠牲になったのではないかという疑いにも苦しめられた。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカ中を感動させた科学+ヒューマン・ノンフィクションの金字塔、待望の邦訳!
(ストーリー)
彼女の名前はヘンリエッタ・ラックス。
だが、科学者のあいだでは「ヒーラ」として知られている。
1951年、貧しい黒人のタバコ農婦だった彼女の身体から、本人の同意なく採取された癌細胞は「ヒーラ」と名付けられ、世界初の“不死化したヒト細胞”として、のちに医学界のきわめて重要なツールとなる。
 ヒーラはその後の細胞培養法に革命をもたらしたのみならず、ポリオワクチンの開発、化学療法、クローン作製、遺伝子のマッピング、体外受精ほか、幾多の研究の礎となった。だが、数十億個という膨大な単位でその細胞は売買されてきたにもかかわらず、ヘンリエッタは死後も無名のままにとどまり、そして彼女の子孫もまた、健康保険すらまかなえない境遇に置かれていた――。
 生命倫理・医学上の争い・科学・人種間の葛藤・信仰療法、そして、亡き母への想いと葛藤に苦悩する娘の物語を鮮やかに描いた〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー!!



2026年5月1日金曜日

【おすすめ度☆】シンジア・アルッザ/ティティ・バタチャーリャ/ナンシー・フレイザー『99%のためのフェミニズム宣言』人文書院, 2020年

マルクス主義の立場からの資本主義批判としてのフェミニズムの概説書。いわゆる「リベラルな」フェミニズムを厳しく批判している。「宣言」という題名の通り、断定的な書き方になっていて、「なぜそのように主張するのか」という理由の説明はあまりされていない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。

私たちはまだ連帯できる──ほんとうの敵は資本主義だ

1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。

「99%のためのフェミニズムは反資本主義をうたう不断のフェミニズムである──平等を勝ち取らないかぎり同等では満足せず、公正を勝ち取らないかぎり空虚な法的権利には満足せず、個人の自由がすべての人々の自由と共にあることが確証されないかぎり、私たちは決して既存の民主主義には満足しない」(本文より)。


【おすすめ度●】樋口英明『原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門』岩波書店, 2024年

著者は2014年大飯原発運転差し止め判決、2015年高浜原発再稼働差し止め決定を出した元裁判官。この2つの判決に関する裁判官自身による説明や、2022年6月の最高裁判決(原発事故に関する国の責任を否定した)に対する批判など。題名と違って「入門」の本ではない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地震は必ず来る、原発を続ければ事故は必ず起き、国土が喪失する。原発を止めた裁判官が、原発回帰の愚かさを明解に論証する。
 2014年大飯原発運転差止判決、2015年高浜原発再稼働差止決定を書いた元裁判官による原発入門。極めてシンプルに原発の本質を提示したに本書を読めば、人類が原子力発電を続けてはならない理由が理解できるだろう。漠然と「原発は安全、原発は必要」と考えている人こそ、本書を正面から受け止めてほしい。


【おすすめ度○】烏賀陽弘道『今さら聞けない 福島第一原発事故 5つのウソ』彩流社, 2026年

「復興が進んでいる」「避難者は減っている」「空間線量が下がって安全になった」「2051年までに廃炉できる」「汚染は福島に封じ込められている」の5つのウソを丁寧に検証している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地元は復興?避難者は減少?事故から15年、積み重ねられてきた「大きすぎるウソ」を検証。この一冊でわかる原発事故の全体像!



【おすすめ度○】米本昌平『遺伝管理社会』弘文堂, 1989年

ナチスの遺伝・民族政策を題材にして、現代の医療、とりわけ精神医療にもつながる問題を提起する本。 内容:ナチス論のために 19世紀自然科学主義と民族衛生学の誕生 民族衛生学の制度化と20年代 人種主義としての超医療管理国家 戦後精神と現代医療など。

紀伊國屋書店ウェブサイトより紹介を引用
慢性疾患の時代にこそ認められなければならないのは、「病者でいる権利」だ。健康が義務である社会の恐怖を描く、書下ろし。