注目の投稿

【まとめ】このブログ全体のまとめです。

このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動問題に関する本 原子力と核兵器に関する本 地域づくりと地方自治に関す...

2026年5月13日水曜日

【おすすめ度●】柳川喜郎『襲われて 産廃の闇、自治の光』岩波書店, 2009年

岐阜県御嵩町で巨大な産業廃棄物(産廃)処分場が計画されたときに、反対していた町長が襲撃されて瀕死の重傷を負う事件が発生した。この本は事件を中心にした本。当事者(襲撃された町長)が著者になっているが、書き方のスタイルとしてはルポルタージュ。産廃ビジネスをめぐる闇勢力の暗躍が詳しく書かれている。ただしその反面、産廃問題そのものについてはあまり詳しくない。なお処分場計画は最終的に中止になった。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
テロに屈せず住民投票を実施し,産廃処分場計画を阻んだ岐阜県御嵩町の前町長が,その生々しい体験を語る.
緑の谷を産業廃棄物で埋め尽くし,「東洋一」の処分場に──.1990年代に岐阜県御嵩(みたけ)町で浮上した巨大計画は,慎重な町長への襲撃事件と住民投票での圧倒的反対で全国の注目を集めた.金力・権力・暴力と対決したその前町長が,利権に群がる魑魅魍魎の姿と産廃・環境問題の考え方を,生々しい体験とともに語る.

■著者からのメッセージ
 空気が読めなかった田舎町長の物語
 最近の自民党内紛劇を見ていても,政治家の皆さんは空気を読むのがほんとうにうまいな,と感心する.「反麻生」で激しく抵抗していた面々も,あたり一面の空気を読んで,利あらずと見るや,たちまち沈黙してしまった.見事なまでの「読気術」である.
 政治家のはしくれの田舎町長だった私も,そうした「読気術」を身に付けていれば,襲われて死にそこなうこともなかっただろう.
 カネの力で強引に産廃処分場建設を進める産廃業者,それを後押しする許可権者の県,さらには利権に群がる暴力組織.しかも産廃処分場計画は発進直前だった.空気は誰の目にも見えていた.
 だが,500万人の水道水源である木曽川,そのほとりの「東洋一」の巨大産廃処分場計画には,あまりにも多くの理不尽があり過ぎた.もし政治家らしく空気を読んで,理不尽は見て見ぬふりして沈黙していれば,いまごろ木曽川畔の谷は産廃の山で埋め尽くされていただろう.
 空気を読んで沈黙することは,ときに共謀や加担につながる.それは私にはできなかった.


0 件のコメント:

コメントを投稿