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2022年10月24日月曜日

【おすすめ度◎】白井さゆり『カーボンニュートラルをめぐる世界の潮流』文眞堂, 2022年

【おすすめ度◎】白井さゆり『カーボンニュートラルをめぐる世界の潮流』文眞堂, 2022年 金融(ファイナンス)の動きを中心にしつつ、カーボンニュートラルをめぐる政策・金融・市民社会の動向を明らかにしている。内容:カーボンニュートラルな世界 カーボンニュートラルを支えるサステナブルファイナンス 環境的課題が変える企業経営 ESG経営 カーボンニュートラルで世界をリードするEUとイギリス 中国の動向 環境意識の高い州政府、投資家、市民社会が生み出すアメリカのダイナミズム バイデン政権の気候政策 アメリカのサステナブルファイナンス戦略 中央銀行による気候変動対応とグリーン金融政策


出版社ページより紹介を引用
カーボンニュートラルに向けた世界の最新動向をこの1冊で!
本書は、「政策」「マネー」「市民社会」を3つの柱に、カーボンニュートラルの世界はどのようなものなのか、サスティナブルファイナンスの動向と課題、企業に期待されるESG経営、欧州・中国・米国・日本の動向、グリーン金融政策や金融当局による気候変動への取り組みについて考察。カーボンニュートラルに向けた世界の潮流の全体像を捉えた必読書。




2022年10月20日木曜日

【おすすめ度○】本間龍『東京五輪の大罪』ちくま新書, 2021年

本間龍『東京五輪の大罪』ちくま新書, 2021年 東京オリンピックの経費爆発と負の遺産、電通の役割、スポンサー・マスコミとの癒着、誘致の不正、酷暑問題、オープンウォータースイミングの水質汚濁問題、タダボラ問題等東京オリンピックの問題点を網羅的に指摘している。スポンサーとの癒着は2022年に刑事事件化した。
著者は大手行広告代理店「電通」のライバル「博報堂」に勤めていた人で、電通に対する批判がやや強すぎる気はする。なお著者は詐欺罪で有罪になって服役したことがある。


出版社ページより紹介を引用
2021年猛暑のなか、多くの疑惑と世界的パンデミックでも強行された東京五輪。そこで明らかになった利益優先、政治利用、世論誘導やメディア支配の全貌とは。
世界的パンデミックのなか、東京五輪・パラリンピックが強行された。1年延期されたものの新型コロナの猛威は止まる所をしらず医療体制は逼迫。再延期や中止を求める声も高まるなかでの開催だった。しかし、政府が望む支持率のアップにはつながらず、国民軽視、あからさまな既得権益層の利益優先の姿勢が明らかになった。さらにこの華やかな祭典を動かしてきた巨大広告会社「電通」による、世論誘導やメディア支配も浮き彫りになった。本書はこの問題を長年追ってきた第一人者による東京オリンピック総括である。


2022年10月19日水曜日

【おすすめ度◎】土井健司・田坂さつき・加藤泰史 編著『コロナ禍とトリアージを問う』青弓社, 2022年

土井健司・田坂さつき・加藤泰史 編著『コロナ禍とトリアージを問う』青弓社, 2022年

新型コロナをきっかけにして「命の選別」が広がることに対する警戒を呼び掛ける。内容:世界の事例(イタリア、ドイツ、フランス、欧州人権機関、台湾) 日本の医療界での議論の状況 命の選別を考える コロナ禍で根拠あるトリアージは可能か トリアージと人権に関する哲学的覚書 トリアージという語をめぐる混乱と錯綜

出版社ページより紹介を引用
大災害や感染症の拡大時に、社会は「助かる命を優先する効率的な医療」と「選別から漏れる患者の命と尊厳」をめぐる議論のはざまに置かれる。トリアージをおこなう根拠や倫理的な責任を医療や宗教、哲学の視点から考え、海外の報告も交えて論点を提起する。

解説
コロナ禍では医療従事者が不眠不休で治療にあたってもなお医療資源が不足している。どのような理由で医療資源を配分して、誰を、どの命を優先するのかを判断するトリアージをおこなうことの是非が、医療現場でも社会全体でも議論されている。
「助かる命を優先する」という効率的な医療の必要と「その選別から漏れる患者の命と尊厳を守るべきだ」という考えのはざまにある現在の日本社会で、トリアージをおこなう根拠や倫理的な責任を、医療や宗教、哲学の視点から多角的に考え、問題点を提起する。
「自宅待機」などの政府方針や医療界での議論など、日本の事例はもちろん、台湾やイタリア、ドイツなどの実情にも目を向け、「命の選別とその基準」をめぐる課題と正面から向き合い、検証した貴重な成果。2021年8月に開催した日本学術会議のシンポジウムでの報告に書き下ろし原稿を加えた論集。

2022年10月16日日曜日

【おすすめ度●】齊藤貢『イランは脅威か ホルムズ海峡の大国と日本外交』岩波書店, 2022年

【おすすめ度●】齊藤貢『イランは脅威か』岩波書店, 2022年 著者は元イラン大使。イランとアメリカの対立の経緯、イランと日本の関係について、予備知識のない人でも理解できる本。イラン・アメリカ・日本のいずれの立場も尊重して書かれている(アメリカよりの人が大半である外務省の中では、筆者の姿勢は例外的)。

内容:高まる緊張と日本の積極外交 イランと米国はなぜお互いを信用できないのか モサッデグ政権転覆クーデターからイスラム革命へ イラン対トランプ政権・バイデン政権の対立と駆け引き など

出版社ページより紹介を引用
中東産原油に需要の九割を依存する日本。中東外交四〇年の前大使が提言する対イラン外交の意義と未来。
二〇一九年六月安倍元首相は米国との間で高まる緊張を緩和しようと日本の首相として四一年振りにイランを訪問した。知られざる積極外交の意味とは何か。需要の九割を中東産原油に依存する日本は、ペルシャ湾の安全のカギを握るイランと、米国の狭間でどのような外交を展開できるのか。四〇年を中東の現場で過ごした外交官の提言。


2022年10月9日日曜日

【おすすめ度●】島崎謙治『日本の医療 制度と政策  増補改訂版』東京大学出版会, 2020年

島崎謙治『日本の医療 制度と政策  増補改訂版』東京大学出版会, 2020年。

日本の医療制度に関する良い教科書 内容:問題の所在と分析視角 日本の医療制度の基盤形成期 戦後の医療制度の確立・拡張期 医療制度の改革期 利用制度・政策の国際比較 ドイツ、アメリカ、スウェーデンの事例 医療保険制度の基本問題と政策課題 医療供給制度の構造と改革の方向性

出版社ページより紹介を引用
医療費の増加に加え就業人口の減少が進むため、日本の国民皆保険は危機的状況にある。歴史分析と国際比較により日本の医療制度の構造を明らかにし、今後の改革の方向性と具体的な政策を提示。初版から約10年、最新の政策動向を含め大幅に加筆した待望の増補改訂版。