1980年(レーガン政権)から2008年(ブッシュ政権の終焉)までの時期のアメリカ連邦最高裁の動向のルポルタージュ。この時期には、クラレンス・トーマス、アントニン・スカリアという極端に保守的で共和党寄りの裁判官が指名されて、アメリカ最高裁の保守化が始まった。しかしこの時期にはまだ左派(ジョン・ポール・スティーヴンス、スティーヴン・ブライヤー、ルース・ベイダー・ギンズバーグ)の影響力も強かった上に、サンドラ・オコナー、デイヴィット・スーター、アンソニー・ケネディが中間派となり、もともとは保守派だったレンクイスト長官も保守的傾向を弱めたので最高裁の極端な保守化は進まなかった。本書の著者は、2000年大統領選挙でのフロリダ再集計停止の最高裁の決定(最高裁の決定により、ジョージ・W・ブッシュが大統領に当選した)を、大統領選挙でブッシュを勝たせるために法をゆがめたものであり、最高裁の最大の汚点だと言っている。他にも重要な判例をめぐる裁判官の討論が書かれているが、率直に言って同じ題材を扱った『ブレザレン』ほど迫力ある内容ではない(『ブレザレン』が扱っているのは1960~70年代のまさに激動の時代を扱っているので、『ブレザレン』ほど迫力ある内容にならないのはやむを得ない)。

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