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2024年9月30日月曜日

【おすすめ度●】和田春樹 編著『北朝鮮拉致問題の解決 膠着を破る鍵とは何か』岩波書店, 2024年

著者は編者の他に田中均・蓮池透・有田芳生・福澤真由美の計5人。拉致問題の経緯などを詳しく述べている。きわめて踏み込んだことも書かれているので、この本を読むためにはこの問題について真剣に考える意思が必要。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日朝平壌宣言から二〇年余、最重要課題とされた拉致問題に進展はない。解決のため、止まった時を動かすための検証と提言。
日朝平壌宣言そして拉致被害者五人の帰国から二〇年余。日朝関係改善の窓は開いたと同時に閉ざされ、歴代政権は拉致問題を最重要課題として北朝鮮への圧力を強めてきたが、進展は見られない。止まった時を動かし解決するには何が必要か、極秘交渉に携わった外交官、記者、被害者家族、議員経験者など多角的な視点からの提言。


【おすすめ度○】小松美彦・市野川容孝・堀江宗正 編著『<反延命>主義の時代』現代書館, 2021年

安楽死・透析中止・トリアージをめぐる現在の議論を批判する本。「延命」が否定的あるいは有害なものと考えられるようになった点に注目して、<反延命>主義と名付けている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
近年の日本では、「延命」という言葉が否定的な意味で使われることが多くなった。「延命」は医学の当為だが、それに異を唱える潮流が〈反延命〉主義として現れ、勢いを増している。社会保障の財源や医療資源の不足、日本人の死生観などを根拠に、「生産性」のない生の価値を否定し、改善の見込みのない苦痛を長く味わわせることの非倫理性を説くなど、その事象はさまざまである。本書では、それらをある程度網羅し、さらに過去から現代に至る歴史的経緯を解明する論考が並んでいる。

2024年9月27日金曜日

【おすすめ度◎】上野貴弘『グリーン戦争』中公新書, 2024年

気候変動の国際政治の最新動向がわかる重要な本。本の(宣伝用の)題名から受ける印象とは異なり堅実な内容。 内容:アメリカの京都議定書・パリ協定をめぐる揺らぎ パリ協定の成立プロセス 国境炭素調整とグリーン貿易戦争 金融と気候変動のグローバルガバナンス エネルギーの脱炭素化と世界の分断など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
人類共通の課題、気候変動。各国はこれを解決すべく、温室効果ガスの排出削減を目標に掲げ2015年にパリ協定に合意した。しかし17年、トランプ米大統領が協定脱退を宣言。中国やインドなど新興国が条件闘争をはじめ、国際協調が動揺している。本書は米国、欧州、新興国の利害が錯綜する政治力学を、産業、貿易、金融、エネルギーの観点から解き明かす。激しい国家間対立の終結を目指して、世界、日本が進むべき道とは。



2024年9月8日日曜日

【おすすめ度☆】吉田文和『スマートフォンの環境経済学』日本評論社, 2017年

スマートフォンをつくるためにはさまざまな原料が必要であり、その原料採取の活動は、発展途上国を含む世界中で行われている。またスマートフォンが使用された後は廃棄物になる。この本は、原料採取から廃棄までのスマートフォンのライフサイクルに関わる環境問題を、グローバルな視点で考察する。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
スマートフォンの生産・使用・廃棄の過程で人間や環境に及ぼされる影響を、製品ライフサイクルに沿ってグローバルな視点から分析。

2024年9月4日水曜日

【おすすめ度○】松本創 編著『大阪・関西万博「失敗」の本質』ちくま新書, 2024年

大阪・関西万博の問題点を厳しく指摘する良書。不透明な「夢洲」決定の経緯、「夢洲」立地の問題点、電通・吉本とビッグイベント、「経済効果」の検証など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
理念がない、仕切り屋もいない、工事も進まない。なぜこんな事態のまま万博が進んでしまったのか?  政治・建築・メディア・財政・歴史の観点から記者と専門家が迫る。


2024年9月1日日曜日

【おすすめ度☆】佐藤靖『科学技術の現代史』中公新書, 2019年

第2次世界大戦後のアメリカの科学技術の教科書的な本。軍事と科学の関係、環境汚染や食品安全などのリスク管理のための科学の役割など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
第2次世界大戦後、科学技術の力は増大する。その原動力は豊富な資金を持つ国家、特に米国だった。インターネットが生まれ、遺伝子操作が可能になり、原子力や人工衛星の利用が広がる。一方でリスクは巨大化・複雑化した。21世紀に入り、AIやバイオテクノロジーが驚異的な展開を見せ、中国や民間企業による〝暴走〟が懸念されるなか、世界は今後どうなっていくのか――。科学技術の〝進化〟の歴史と未来への展望を描く。

【おすすめ度●】熊本博之『辺野古入門』ちくま新書, 2022年

海を埋め立てて新しく建設されている大規模な米軍基地をめぐって紛争になっている沖縄・名護市の辺野古地区でのフィールドワークの記録。題名は「入門」となっているが入門書ではなくかなり専門的な本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
なぜ、ここに新しい基地が――? 20年にわたるフィールドワークをもとに、社会学者が、辺野古の歴史と現在を描き出す。親愛のこもった、沖縄入門。
普天間基地移設問題の最前線としての名護市辺野古―。しかし、そこには地域の歴史があり暮らしがある。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるのか、普天間基地移設の候補地としてなぜ辺野古が浮上したのか、「条件つき受け入れ容認」とはいったい何を意味するのか。二〇年にわたり現地でフィールドワークを続ける社会学者が、親愛の情を込めて描く、辺野古を知ってもらうための初めの一冊。