本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
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【まとめ】このブログ全体のまとめです。
紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に) 【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら (教科書あるいは入門書的な本) 【おすすめ度○】の本の一覧はこちら (読むことをおすすめする本) 【おすすめ度●】の本の一覧はこちら (専...
2023年4月25日火曜日
【おすすめ度○】ティモシー・パチラット『暴力のエスノグラフィー』明石書店, 2022年
2023年4月16日日曜日
【おすすめ度●】石坂匡身・大串和紀・中道宏『日本は食料危機にどう備えるか』農山漁村文化協会, 2023年
現在の日本はコメ以外の食料の大部分を輸入に頼っており、カロリーベースの自給率は40%を下回っている。しかし、日本の経済力は急速に落ち込んでおり、円安も進んでいる。今後は今までのように外国から輸入ができるとは考えられない。このような状況を踏まえ、日本において食料危機に備えるための考え方を説明している。著者たちは元・農水省の幹部職員なので、アカデミックではなくいわゆる「官僚的」な書き方になっている。 内容:日本の食生活の現状 食料安全保障とは何か 日本は不足に備えているか 各国の備えの状況 備えの基本は農地の確保 農業、とりわけ水田農業の持つ意義
【おすすめ度○】野村総合研究所『カーボンニュートラル』日本経済新聞出版, 2022年
日本を含め、先進諸国が2050年でのカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)の実現を約束している。この本は、カーボンニュートラルとはなにかから始まって、カーボンニュートラルの全体像がコンパクトに分かる本。 内容:カーボンニュートラルとはなにか カーボンニュートラルを実現するための技術とソリューション カーボンニュートラルによる各業界への影響と機会 カーボンニュートラルの実現に向けた課題と対策
2023年4月14日金曜日
【おすすめ度☆】小林尚朗・篠原敏彦・所康弘 編『貿易入門 第2版』大月書店, 2023年
著者は明治大学商学部の教員 狭い意味の貿易だけでなく、南北問題や開発も説明されている。 内容:貿易の歴史 貿易の理論と課題 貿易政策 貿易実務 国際収支と外国為替 戦後貿易の制度(IMFとGATT) グローバル化とWTO体制 貿易と開発(南北問題) 多国籍企業と直接投資 地域主義・地域貿易協定 日本企業の国際化と国際マーケティング 農業と資源の貿易 貿易とサービス・環境
【おすすめ度☆】佐野啓介 編『フードビジネス最新キーワード64』日経BP, 2023年
野村総合研究所フードバリューチェーンチームによる解説。1キーワードあたり4ページでコンパクトに記述されているので、関心をもてるキーワードが見つかったらより深く情報を集めてみるとよい。
【おすすめ度●】郭四志『脱炭素産業革命』ちくま新書, 2023年
カーボンニュートラルに向けた経済の変革。技術革新、生活様式の変革、意識の変革、産業組織・経営モデルの変革、ロシアによるウクライナ侵攻の地政学的インパクトなど総合的多角的に論じている。
【おすすめ度●】田中利幸『検証「戦後民主主義」 わたしたちはなぜ戦争責任問題を解決できないのか』三一書房, 2019年
この本では、昭和天皇の戦争責任を追及する立場から、昭和天皇の戦争責任を不問にしている「戦後民主主義」の限界を指摘している。
2023年4月13日木曜日
【おすすめ度○】大竹久夫 編著『リン資源枯渇危機とはなにか』大阪大学出版会, 2011年
やや古い本だが、一般にはあまり知られていないが非常に深刻な問題であるリン資源の問題について多角的に説明している良書。リンの生化学的重要性、経済的重要性、国際政治上の重要性、リン資源枯渇の危険性およびリンのリサイクルの可能性などについて書かれている。
2023年4月9日日曜日
【おすすめ度●】中野敏男・板垣竜太・金昌祿・岡本有佳・金富子『「慰安婦」問題と未来への責任』大月書店, 2017年
【おすすめ度◎】本郷正武・佐藤哲彦編『薬害とはなにか 新しい薬害の社会学』ミネルヴァ書房, 2023年
薬害問題の理論と、現実の薬害問題の全体的構造がわかる良書。薬害問題を単なる自然科学的な薬品副作用の問題としてではなく加害と被害の関係ととらえ、加害と被害を生み出す社会的構造を明らかにしている。学部生にはやや難しいかもしれないがぜひおすすめ。 内容:薬害の定義と薬害概念 薬害被害と再発防止策 医療の不確実性と薬害 薬害事件の各論(サリドマイド、スモン、薬害エイズ、薬害肝炎) 薬害教育 薬害エイズ事件のメディア表彰 制度化から見る薬害と食品公害
2023年4月8日土曜日
【おすすめ度☆】山と渓谷社編『アウトドア六法 正しく自然を楽しみ、守るための法律』山と渓谷社, 2023年
山や海でのアクティビティに関わる法律の紹介。登山、ハイキングや釣り、スキューバダイビングなどを趣味にしている人は知っておいた方がいい知識だし、山や海の自然保護に関する法律の入門書としても有用。
【おすすめ度☆】沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ[新版]』有斐閣ブックス, 2023年
地方財政の全体像が分かる教科書。ただし地方財政危機や財政再建はもう少し掘り下げてもよかったのではないかという気がする。地方財政の理念や制度の基本を踏まえた上で先進的なトピックにも触れられているので(ただし必ずしも掘り下げられてはいない)予備知識が全くない人には少し読みづらいかも。 内容:日本の地方財政 政府間(国-地方)財政関係 経費 予算 地方自治体の収入 地方税 地方交付税 国庫支出金 地方債 地方財政の歴史的展開 持続可能な地域づくりと地方財政 対人社会サービスと地方財政 地方公営企業、第三セクター 地方財政の展望
2023年4月7日金曜日
【おすすめ度●】中山琢夫『エネルギー事業による地域経済の再生』ミネルヴァ書房, 2021年
自治体レベルでの地域付加価値創造に注目しつつ、再生可能エネルギーと地域経済の関係を分析する良書 内容:地域付加価値創造の分析ツール 日本における地域付加価値創造モデル 再エネ電源間の比較分析 実例(太陽光、風力、小水力、地熱、木質バイオマス、熱電併給) 電力小売り事業 再エネの自治体政策への貢献 ドイツにおけるシュタットベルケ 分散化、デジタル化、再生可能エネルギー主力時代の新たな展開など
【おすすめ度◎】山形辰史『入門 開発経済学 グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション』中公新書, 2023年
理論に偏らない開発経済学の良い入門書。開発援助に関心がある人は、まず最初にこの本を読むといいと思う。 内容:開発の成果と課題 経済成長とイノベーションのメカニズム 国際社会と開発途上国 援助と国際目標など
【おすすめ度●】田口淳一・青木美保『遺伝子検査のモラル』彩流社, 2023年
遺伝子検査に関する基礎知識の説明を踏まえて、問題点を指摘している。