本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
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【まとめ】このブログ全体のまとめです。
紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に) 【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら (教科書あるいは入門書的な本) 【おすすめ度○】の本の一覧はこちら (読むことをおすすめする本) 【おすすめ度●】の本の一覧はこちら (専...
2025年6月29日日曜日
【おすすめ度◎】早川タダノリ『「日本スゴイ」の時代』朝日新書, 2025年
【おすすめ度○】飛田雅則『資源の世界地図』日経文庫, 2021年
著者は日経新聞記者。資源問題について新聞記者らしいスタイルで書かれている。やや中国敵視に偏りすぎ。 内容:コロナとエネルギー 中国の資源戦略 レアメタルと中国 アフリカ資源開発の問題点 エネルギー転換と日本の選択など
2025年6月28日土曜日
【おすすめ度○】水口剛・高田英樹『サステナブルファイナンス最前線』金融財政事情研究会, 2023年/水口剛 編著『サステナブルファイナンスの時代』金融財政事情研究会, 2019年(2冊)
【おすすめ度○】吉高まり『サステナブル金融が動く』金融財政事情研究会, 2023年
金融機関と企業を取り巻く気候変動政策の動向の説明。内容:カーボンプライシング カーボンクレジット・オフセット グリーンボンド(ESG債)と金融機関 金融機関が気候変動問題になぜ動いたのか
※このページには茂木健一郎氏による「推薦」があるが、この本を読んでいるとは思えない「推薦」になっている
2025年6月27日金曜日
【おすすめ度●】田中宏隆ほか『フードテック革命』日経BP, 2020年
著者はコンサル「シグマクシス」関係者たち。食品関連の新技術やイノベーションをコンサルタントのスタイルで紹介する。内容:今なぜフードテックなのか フードイノベーションの全体像 アフターコロナ時代のフードテック 代替プロテイン パーソナライゼーションが作る食の未来 「食領域のGAFA」は登場するか フードテックによる外食産業のアップデート フードテックを活用した食品リテールの進化 食のイノベーション社会実装への道 「日本版フードテック市場」の創出など
【おすすめ度○】小宮学『筑豊じん肺訴訟』海鳥社, 2008年
著者は筑豊じん肺訴訟勉五反事務局長(弁護士)。筑豊じん肺訴訟が、最高裁で国に勝訴するまでの18年の経緯が書かれている。
【おすすめ度○】五十嵐敬喜『土地は誰のものか』岩波新書, 2022年
2020年の新土地基本法をめぐる論争(正確にいえば論争の不十分さ)を、1989年の土地基本法制定時と対比しながら説明する。
【おすすめ度☆】太田洋『コーポレートガバナンス入門』岩波新書, 2025年
コーポレートガバナンスの歴史と現状、取締役会に関する各国の制度、ESGのコーポレートガバナンスへの反映などを解説する、コーポレートガバナンスに関する教科書的な本だが、そもそもコーポレートガバナンス自体が高度に専門的なものなので、この本もタイトルに『入門』とついているにもかかわらず専門性が高い(会社法の世界ではこれでも『入門』レベル!!)。
【おすすめ度○】蓮見雄・高屋定美 編著『カーボンニュートラルの夢と現実 欧州グリーンディールの成果と課題』文眞堂, 2025年
欧州グリーンニューディールの現実を多角的に詳しく検討する本。かなり専門性高いが良書。
【おすすめ度☆】南川文里『アファーマティブ・アクション 平等への切り札か、逆差別か』中公新書, 2024年
アファーマティブアクション(積極的差別是正措置)の歴史と、アファーマティブアクションをめぐる賛成派・反対派の論争について書かれている。アファーマティブアクションに関する教科書的な本。
【おすすめ度○】桂幹『日本の電機産業はなぜ凋落したのか』集英社新書, 2023年
【おすすめ度◎】山室真澄『魚はなぜ減った?』つり人社, 2021年
1993年以降の宍道湖でのシジミやウナギ、ワカサギなどの激減の理由を、ネオニコ系農薬によって餌が減ったためだと推定。農薬の影響を考えるときに、個々の生物に対する影響だけでなく、生態系全体への影響を考える必要があることがわかる。
【おすすめ度○】瀬戸口明久『害虫の誕生 虫からみた日本史』ちくま新書, 2009年
有機塩素系をはじめとする、戦後の強力な殺虫剤が開発される以前の害虫防除に関する文化史。昔の人も、害虫と決して「共生」などしていなかったことがわかる。
【おすすめ度○】吉村良一・寺西俊一・関礼子『ノーモア原発公害』旬報社, 2024年
2022年6月17日の最高裁判決の批判を中心にして、福島原発事故訴訟の現状を解説する本。
2025年6月9日月曜日
【おすすめ度◎】ハワード・スティーヴン・フリードマン『命に<価格>をつけられるのか』慶應義塾大学出版会, 2021年
交通事故の裁判では、被害者が死亡したら損害賠償金はいくらにすべきかを決めないといけない。アメリカでは、9.11テロ事件の時に、犠牲者に対して政府が補償金を支払ったが、その際に政府が支払った補償金額が高所得者ほど大きな金額になり社会の批判を受けた。このように、生命、健康などを金銭的に評価する考え方、特に統計的生命価値(Value of Statistical Life)の考え方と現実を検討する良書。
2025年6月8日日曜日
【おすすめ度◎】ケイト・ブラウン『プルートピア』講談社, 2016年
アメリカとソ連の核兵器開発拠点だったハンフォード(リッチランド)とオジョルスク(チェリャビンスク40)の地域の歴史を詳しく調べることで、アメリカとソ連の核兵器開発によって地域にどのような被害が生じていたかを明らかにする良書。この本を理解するための前提条件として、冷戦期の国際政治の状況と、アメリカ・ソ連の核兵器開発に関する基礎知識が必要。
2025年6月6日金曜日
【おすすめ度○】白井さゆり『環境とビジネス』岩波新書, 2024年
「環境経営」の現状を手際よく紹介する良書。 内容:排出量データ可視化 カーボンプライシング 環境(機構)金融とタクソノミー カーボンクレジットなど
2025年6月3日火曜日
【おすすめ度●】吉村良一『政策形成訴訟における理論と実務 福島原発事故賠償訴訟・アスベスト訴訟を中心に』日本評論社, 2021年
公害訴訟に関する高度な論点の分析(この本は超専門的)。 内容:政策形成訴訟の意義と限界 公害・環境法理論の生成・発展と弁護士の役割 学者(研究者)の役割 共同不法行為法と四日市公害訴訟 福島原発事故賠償訴訟 アスベスト被害 損害賠償訴訟と疫学 基地爆音差し止め など。
【おすすめ度☆】伊藤和子『ビジネスと人権』岩波新書, 2025年
近年、関心が高まっている「ビジネスと人権」に関する教科書的な本。もっとも、2025年の本なのに、イスラエルのイの字も出てこないのだけど。 内容:なぜビジネスと人権なのか 「ビジネスと人権に関する指導原則」とは何か ソフトローからハードローへ 人権デューディリジェンス 日本企業が直面する人権問題