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【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 気候変動問題に関する本 公害問題と食の安全に関する本 水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本 原子力と核兵器に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本...

2025年8月18日月曜日

【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。

【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に)
【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら(教科書あるいは入門書的な本)
【おすすめ度○】の本の一覧はこちら(読むことをおすすめする本)
【おすすめ度●】の本の一覧はこちら(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)
【おすすめ度◎】特におすすめの本
上野貴弘『グリーン戦争』中公新書, 2024年(気候変動問題に関する基礎的な知識がないと読みづらい)
手塚洋輔『戦後行政の構造とディレンマ』藤原書店, 2010年(本の題名とは異なりワクチン問題を扱った本、やや難しい)

【ウェブ上の論文】

【おすすめ度◎】ロブ・ダン『世界からバナナがなくなるまえに』青土社, 2017年

バナナ、ジャガイモ、キャッサバ、カカオなど重要な作物で、遺伝的にほぼ同一な単一品種の大量栽培がおこなわれているが、同一品種の大量栽培は病気によって大量被害を受けるリスクを増大させている。そのような同一品種の大量栽培は、少数の巨大種子企業によって作り出されてきたシステムである。また、農業は生態系のシステムの中で行われるので、人間が設計した通りに機械のように動くとは限らない。単一品種大量栽培のリスクを低減するため品種の多様性が必要であり、多様性確保のための世界的取り組み(種子を保全するジーンバンク)が紹介されている。
 なお、ブラジルの左派勢力が、大地主に打撃を与えるため意図的にカカオの病気を散布したという話が書かれているが(第6章)、それに関しては証明不十分。また"extension"を「拡張」と訳しているが(313ページ)、「普及」(改良普及)の意味である。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
わたしたちはたった12種類の作物で生きている
米、小麦、砂糖、トウモロコシ、豆、ジャガイモ、ヤシ油、大麦、キャッサバ、ピーナッツ……
人間が生きるうえで欠かすことのできない主食作物が、同時多発的な病原菌や害虫の猛威に襲われたとき、わたしたちの食卓はどうなってしまうのか。大規模なアグリビジネスがもたらした悲劇、作物壊滅の危機に立ち向かう科学者の軌跡をたどりながら、いまわたしたちにできることは何か、考える。


【テーマ別】医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本

医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本) 

【おすすめ度☆】林宏『はじめての人でもよく解る! やさしく学べる化学物質管理の法律 改訂版』第一法規, 2020年

少し古くなっているが、化学物質管理の特に国際的枠組みがよくわかる本 内容:化学物質管理とは何か 化学物質管理の国際的枠組み 化学物質管理の業務と法律 規制物質など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
製造業の化学物質管理担当者が、はじめに知っておきたい化学物質関連法令の基本事項を網羅した入門書。化学物質関連法令の基礎を図表等を用いてわかりやすく解説。労安法関連の改正のポイントもフォローした改訂版。
〇自社の業務がどのような法令に関係しているのか、初任者にもわかるように解説するため、業務起点で必要な法令を理解することができる。
〇化学物質に関する幅広い法令を把握するため、関連法令の第1条から解説するのではなく、化学物質の管理規則(登録、安全性評価、各国共通の事項等)の仕組み・枠組みといった全体像から解説する。また、化学物質管理の仕組みを図解等を用いてわかりやすく解説するため、時間がなくても手軽に法律の基礎を把握できる入門書となる。
〇各章のページ末尾には、法令の重要事項等をチェックリスト形式で登載するため、複雑な法令でも最低限の法令知識を簡単に確認できる。
〇労安法関連の改正と対応のポイントもフォロー。


2025年8月15日金曜日

【おすすめ度●】江田健二,出馬弘昭『蓄電所ビジネス』電気書院, 2025年

重要度が増している「蓄電」をビジネスにするノウハウに関する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
メガソーラー(大規模太陽光発電)、洋上風力発電の次はこれだ。
系統用蓄電池、長期エネルギー貯蔵システム(LDES)が花形産業――
電気を「作る」だけではなく、「貯める」ことがますます重要になる時代に入り、蓄電池をはじめとしたエネルギー貯蔵の技術やビジネスの可能性は、日々広がりを見せています。
 本書は、そのバイブルとなり得る一冊です。



【おすすめ度○】 イェルク・スヌーク,ステイファン・ファン・ロンパイ『世界の食はどうなるか』原書房, 2024年

「食の未来学者」による食品ビジネスの将来予測 培養肉や3Dプリント、ベジフードなどの技術革新 フードロス対策など環境対応 サプライチェーンの変革など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
新しい食品トレンドと課題について現状を徹底分析し、具体的事例とともに、アイディアとヒントを提示。食品ロス、ハイブリッド市場、スーパーマーケットの変革など、グローバルな食品システムの未来と変革を知るための必読書。



【おすすめ度☆】藤本峰雄,松田有希,丸田昭輝『いちばんやさしい脱炭素社会の教本』インプレス, 2022年

「脱炭素」に関する57のトピックについて簡潔に解説する本。 内容:脱炭素社会とは何か 脱炭素をめぐる国内外の動きと脱炭素経営 エネルギー使用の実態把握と削減 電力の脱炭素化の仕組み で津炭素・低酸素に向かうエネルギーシステム 植林、森林保全、CCS、カーボンクレジット取引など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
今知るべき地球の課題と未来のエネルギー
 脱炭素、カーボンニュートラル──いま世界では脱炭素に向けた取り組みが始まっており、日々、新聞報道やニュースで話題になっています。脱炭素や気候変動対応、環境問題を考えることはもはや一部の人だけのものではなくなっています。そこで本書は、「脱炭素とは何か」「脱炭素を実現しないとどうなるのか」といった概要からはじまり、脱炭素を巡る世界の潮流や注目される新エネルギーについて、業種別の脱炭素への取り組み事例などを交えて網羅的に解説しています。印刷には環境に配慮した用紙とベジタブルインクを使用しています。

【おすすめ度●】尾林芳匡『自治体民営化のゆくえ 公共サービスの変質と再生』自治体研究社, 2020年

PFIや指定管理など、「自治体民営化」の実例と問題点の分析 内容:自治体民営化を進める法制度 PFIの現状と課題 公の施設の指定管理者 地方独立行政法人 民営化の問題点と守られるべき公共サービスの質

出版社ウェブサイトから紹介を引用
住民のための公共サービスを求めて
 自治体民営化はどこに向かっていくのか。政府は公共サービスの民営化を進める法律を次々とつくり、住民をないがしろにした企業偏重の政策を展開している。PFIや指定管理者制度、地方独立行政法人等の仕組みと問題点を明らかにして、役所の窓口業務、図書館を初め公共施設の実態、そして医療、水道、保育の現状を検証する。公共サービスの変質を指摘し、主権者である市民による再生への取組みを紹介。

2025年8月11日月曜日

【テーマ別】水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本

水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

【おすすめ度○】菅沼栄一郎・菊池明敏『水道が危ない』朝日新書, 2019年

著者の菅沼氏は元朝日新聞記者、菊池氏は元岩手中部水道事業団の企業団長。ダム過剰と水道の経営危機の現地ルポルタージュ。胆沢ダムの「建設仮勘定」廃止問題も取り上げられている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「日本の安全と水道は問題なし」は幻想だ。地球二回り半分の老朽水道管と赤字にまみれ全国各地の水道事業は破綻寸前。現地をつぶさにルポし、怖くて誰も語らない実態を暴露し処方箋を探る。これ一冊で、地域水道の問題が丸わかりする。


【まとめ】おすすめ度○の本(読むと有意義な本)

おすすめ度○(読むと有意義)の本のまとめです。(新しい本→古い本の順)

阿部潔『東京オリンピックの社会学 危機と祝祭の2020JAPAN』コモンズ, 2020年
マーク・ダウィ『草の根環境主義』日本経済評論社, 1998年

【おすすめ度○】六辻彰二『日本の「水」が危ない』ベスト新書, 2019年

日本の水道事業の現状と、水道法改正によって新しく導入されたコンセッション方式について概説する本。 内容:改正水道法とコンセッション方式の概要 世界の水道民営化の現状、先進国と発展途上国の事例 日本の水道事業の問題点とコンセッション導入の可能性 世界の大規模水企業(水メジャー)など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
昨年(2018年)12月に水道事業を民営化する「水道法改正案」が成立した。
ところが、すでに、世界各国では水道事業を民営化し、水道水が安全に飲めなくなったり、水道料金の高騰が問題になり、再び公営化に戻す潮流となっているのも事実。
なのになぜ、逆流する法改正が行われるのか。
水道事業民営化後に起こった世界各国の事例から、日本が水道法改正する真意、さらにその後、待ち受ける日本の水に起こることをシミュレート。

【おすすめ度◎】ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』東洋経済新報社, 2021年

SNSを通じて膨大な個人情報が収集されるようになっただけでなく、逆にSNSその他の「サービス」によって人間が操作されるまでになった危険性を詳しく説明する非常に重要な本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
監視資本主義という言葉を生み出したハーバード・ビジネススクール名誉教授が示す、資本主義と人類の未来のビッグピクチャー
原書は2019年に刊行され、世界的な話題書に。




【おすすめ度○】柴山哲也『なぜ日本のメディアはジャニーズ問題を報じられなかったのか 記者クラブという病理』平凡社新書, 2025年

取り上げられているのは、ジャニーズ問題(ジャニー喜多川の性加害問題)の他、松本人志問題や宝塚のいじめ自殺問題など。記者クラブ制度の問題点を考察しているが、記者クラブ以外の日本の報道の欠陥・弱点はあまり触れられていない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
巨大メディアはなぜ真実を伝えられなかったのか? ジャニーズ、松本人志事件、記者クラブなどで読み解く日本の報道がダメな理由。
ジャニー喜多川による性加害問題、宝塚歌劇団いじめ事件、松本人志問題……巨大メディアはなぜ真実を伝えられなかったのか。その裏には人権意識の不在、「記者クラブ制度」という日本独自の障壁が立ちはだかっていた。さらに近年、政権与党によるマスコミへの介入もあいまって、日本の報道の自由度ランキングは70位前後に低迷している。「外圧」でしか報じられず、権力の監視者としての存在意義すら捨てた大手メディアはもはや「底が抜けた」とすら言える。そして、記者クラブの会見では真相が伝えられないと考えた事件被害者たちは、日本外国特派員協会での記者会見へと向かいはじめた──。日本の報道がダメな理由と改善点がこの一冊でわかる!


2025年8月10日日曜日

【テーマ別】原子力と核兵器に関する本

原子力と核兵器に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

2025年8月9日土曜日

【おすすめ度○】宮本憲一『社会資本論 〔改訂版〕』有斐閣ブックス, 1976年

「社会資本」の考え方に基づいて政府の在り方を解明する本。 内容:社会資本充実政策の登場と、社会資本の概念の吟味 社会的一般労働手段と社会的共同消費手段 独占資本段階と社会資本への転化 社会的費用と貧困化 社会資本充実政策批判 転換期の戦後日本資本主義と福祉・環境政策など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
社会的一般労働手段と社会的共同消費手段という新しい概念を導入し、わが国ではじめて社会資本の基礎理論を樹立した名著の改訂版。


【おすすめ度○】吉川祐介『限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話』朝日新書, 2024年

荒廃する超遠隔地の分譲地、垢田県住宅公社事件、無謀なリゾートマンション開発など不動産開発の問題点。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
嘘八百・誇大広告、デタラメ営業、乱開発……
高度成長期・バブル期の仰天販売手口を紹介し、「資産価値マイナス物件」が再び分譲されている現状を明らかにする。



【テーマ別】公害問題と食の安全に関する本

公害問題と食の安全に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)


直接公害問題を扱った本ではないが、密接な関係がある本

【まとめ】おすすめ度☆の本(教科書あるいは入門書的な本)

 【おすすめ度☆】教科書あるいは入門書的な本(新しい本→古い本)

太田洋『コーポレートガバナンス入門』岩波新書, 2025年(この本は、『入門』という題名であるにもかかわらず専門性はきわめて高い)

【おすすめ度☆】宮本憲一『日本の環境問題(増補版)』有斐閣選書, 1981年

公害問題に対する体系的考察。 内容:環境問題の政治経済学 日本公害史 現代日本資本主義と環境問題 公共事業と環境権 公害対策と費用負担 地域開発と環境保全など

出版社ウェブサイトから紹介を引用


2025年8月3日日曜日

【おすすめ度○】原子力資料情報室『原子力市民年鑑2025』緑風出版, 2025年

原発に関する広範な資料集。読者が既に原発に関する基礎知識を持っていることを前提にした本だが、この本を読で日本の原発問題の現状がほぼ把握できる。ただし、この本でも横須賀の米軍原子力空母は取り上げられていない。

著者のウェブサイトから紹介を引用
市民のための原発と原子力のデータブック『原子力市民年鑑』は原子力資料情報室スタッフによる巻頭論文に加え、原発と原子力のさまざまな最新データをテーマ別に収録しています。『原子力資料情報室通信』を読むうえでも、原発・原子力のニュースを読み解くうえでも役立つ1冊です。ぜひお手元に置いてご活用ください。

【おすすめ度☆】深田智『原子力の現在地』技術評論社, 2025年

1トピック2ページ形式で原子力の基本を説明している。中立というより推進派の立場だが、使用済み核燃料の中間貯蔵の逼迫状況(155ページ)など推進派に不都合な情報も書かれている(ただし目立たない)。 

出版社ウェブサイトから紹介を引用
本書は、放射線の発生原理や種類といった基礎知識から始まり、医療・工業・環境分野での応用、人体への影響と防護、そして原子力発電の仕組みや安全対策までを幅広く解説しています。さらに、放射性廃棄物の処理や次世代原子炉の動向までを含む構成で、科学的・中立的な立場から情報を提供しています。専門的な内容も、図解や具体例を交えて平易に説明しており、理系初心者や原子力に関心を持つ読者にとって有用な一冊です。時事的な課題にも触れながら、「原子力とどう向き合うか」を考える視点を与えてくれます。



【テーマ別】気候変動問題とエネルギー問題に関する本の一覧

気候変動問題とエネルギー問題に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

上野貴弘『グリーン戦争』中公新書, 2024年(気候変動問題に関する基礎的な知識がないと読みづらい)
岩瀬昇『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか』文春新書, 2014年


【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)

 【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)

ティム・マーシャル『宇宙地政学と覇権戦争』原書房, 2024年
林公則『農業を市場から取りもどす』日本経済評論社, 2024年