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このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...

2026年7月27日月曜日

【テーマ別】戦争と平和、民主主義の危機に関する本

戦争と平和、およびそれに密接にかかわるエネルギー資源問題や宗教対立に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

黒岩比佐子『伝書鳩』文春新書, 2000年(伝書鳩の軍事利用について詳しく書かれている)


【おすすめ度●】樋口陽一『リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで』岩波新書, 2019年

戦後民主主義とは何か、また「ネオリベラル」と「イリベラル」が拡大する中で戦後民主主義をどう守り、発展させていくのかという問題意識で書かれた本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
戦後西側諸国の共通基準であったデモクラシー像が危機に直面するなか,座標軸をどこに求めたらよいか.
戦後西側諸国の憲法の共通基準であったリベラル・デモクラシーが,「ネオリベラル」と「イリベラル」の挟撃を受けて世界的な危機に直面している.トランプ現象,イギリスのEU離脱をめぐる混迷,日本の改憲論議などを前に,戦後知識人たちの言説を手がかりにしつつ,私たちの座標軸をどこに求めるべきか考える.1979年以降21世紀まで,10年刻みで岩波新書を刊行してきた著者が新たに問う.


【おすすめ度☆】溝渕正季『アメリカの中東戦略とはなにか』慶應義塾大学出版会, 2025年

アメリカの中東戦略を、「中東からの撤退:アジア太平洋地域への集中」という大きな流れで分析する本。この本はアメリカ外交史の専門書であるが、アメリカが中東に深くかかわってきたので、むしろ中東情勢に関する教科書としても読むことができる。アメリカに焦点を当てることによって、イスラエル対パレスチナ(アラブ)の対立からある程度の距離を置くことが可能になっている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカはなぜ中東に介入するのか?
湾岸戦争、イラク戦争、そしてイスラエルやイランへの直接的な関与……。
それらの政策決定を駆動する力学とはなにか。
アメリカによる中東関与政策の変遷とダイナミズムを分析し、そこに通底する戦略的論理を読みとく注目作。


2026年7月24日金曜日

【おすすめ度○】浜本隆三『アメリカの排外主義 トランプ時代の源流を探る』平凡社新書, 2019年

クー・クラックス・クラン(KKK)や、アメリカ移民制限法の歴史などが取り上げられている。著者はまだ若い人なので仕方がないが、分析はあまり精密ではない。ただし、「読みやすさ」という点で言えば、ガチガチに精密に分析しながら書かれた本よりも、ある程度「緩い」方が読みやすいという人が多いだろう。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカ史という歴史的な座標軸をもとに現代を捉え直し、排外現象が生じる社会的背景とその盛衰のメカニズムを多角的に検討する。


2026年7月23日木曜日

【おすすめ度☆】池内恵 編著『「世界を動かす宗教」講義』PHP新書, 2026年

アメリカのキリスト教福音派、イスラエルとイスラムの対立、ロシア正教、バチカン(カトリック)の現在、フランスの政教分離政策(ライシテ)、中国(漢族)の宗教観、チベット仏教とダライ・ラマ転生、インドのヒンドゥー至上主義、日本人の宗教観など世界各地での宗教の現状について概説している。
なお、私(吉田)の意見では、この本を読むときに、「1時限目」として最初に収録されている対談は読み飛ばした方がよいと思う。下記の紹介文には「世界の「なぜ」は宗教で読み解ける。」と書かれているが、私(吉田)はそのように考えていない。それ以外にも執筆者に主張に賛同できない部分や、もっとはっきり言えば間違っているのではないかと思う部分もあるが、「宗教」を主題とする以上、全ての人が納得するような内容にすることは不可能であろうから、そのような部分があることもやむを得ないだろう。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
なぜ米国人はトランプを支持するのか、なぜロシアはウクライナにこだわるのか、なぜイスラエルはイスラーム諸国と対立するのか――。世界の「なぜ」は宗教で読み解ける。
 トランプを支える福音派・MAGAカトリック、謎が多いロシア正教、伸張する大イスラエル主義、台頭するインドのヒンドゥー至上主義。
 宗教が国際政治に与えるダイナミズムについて、各分野の第一人者が論じる。


2026年7月21日火曜日

【おすすめ度○】藤本龍児『宗教のアメリカ』岩波新書, 2026年

実は、アメリカでは、宗教(主にキリスト教プロテスタント)が大きな影響力を持っていることを多角的に明らかにする本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
現代文明のモデルとして世界に君臨したアメリカで、福音派など宗教勢力が注目を集めている。しかし、リベラルへの反発や人種問題といった分断の背景にある宗教的原動力を、私たちは正しく理解できているだろうか。建国以来の歴史やその基層にあるユダヤ-キリスト教的世界観から、私たちの知らないアメリカが見えてくる。


2026年7月20日月曜日

【おすすめ度☆】原昌登『あなたのキャリアと労働法』有斐閣ポケット法学, 2025年

他の法律の知識がなくても読めるように工夫された労働法の教科書。「働く」うえで労働法の知識は必須である。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
就職活動の時,入社1年目,昇進した時──知っておきたい労働法の知識はこれだ!企業でのキャリアや働く場面を意識し,実際にありそうなケースも用いて,労働法制全体を解説。法学や民法の基礎知識にも随所で言及しており,法学部生以外も学びやすい。



2026年7月19日日曜日

【おすすめ度○】大塚英志『マイナンバーから改憲へ 』現代書館, 2024年

マイナンバー制度に関しては、50年以上にわたって警戒され、様々な論点が議論され続けてきた。本書はマイナンバーをめぐる議論を振り返っている。ただし、エピソードの紹介が中心で体系的な書き方ではない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
マイナンバーカードを、従来の健康保険証を廃止してまで国民に持たせようとする現政府の強引なやり方に批判の声が高い。だが、問題はカードとしての利便性やシステムの不具合だけなのだろうか。
本書は、国民総背番号制度が浮上した1970年代からマイナンバーカードにいたる50年間の国会審議を概観しながら、マイナンバー制度が社会にもたらす重大な変化を予見する。

【おすすめ度●】ティアナ・ノーグレン『新版 中絶と避妊の政治学 戦後日本のリプロダクション政策』岩波書店, 2023年

「なぜ日本で中絶手術が多く、薬による避妊や中絶が行われないのか」という問いを立て、「それは中絶手術を行う医師会の政治力による」という説を検証している

出版社ウェブサイトから紹介を引用
なぜ日本では避妊よりも「まず中絶」だったのか?世界的にも特異な生殖政策を生んだ政治的な構造とは。
中絶合法化=1948年、ピル解禁=1999年。なぜ日本では避妊よりも「まず中絶」だったのか?世界的にも特異な政策が生み出された政治的な構造とは。戦後日本が直面した人口増をめぐる産科医ら医師団体と宗教団体の攻防、女性運動など利益集団と国家アクターの駆け引きから、現在に続く生殖についての制度を設計する政治過程を描きだす。

2026年7月13日月曜日

【おすすめ度☆】清水雅彦『シン・ケンポウ やさしく学ぶ日本国憲法』同時代社, 2026年

日本国憲法の平易な入門書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
国家? 国民? 人権? 天皇制? 「改憲」? 「護憲」?
憲法論議をまえに、まさひこ先生が50のギモンに答えます!
私たちの未来のために、いまこそ憲法をマスターしよう!

〈2026年の衆議院選挙で、「改憲」を党是とする自民党が単独で3分の2以上の議席を獲得し、「改憲」を求める日本維新の会や参政党も含めると衆議院では「改憲」勢力が4分の3以上を占めました。今後の参議院の動向や参議院選挙で「改憲」勢力がさらに議席を増やせば、いよいよ日本国憲法が「改正」(改悪)されるかもしれません。本当にそれでいいのでしょうか?(中略)
本書のメインタイトルの『シン・ケンポウ』。最近流行りの「シン」を付けましたが、ここには高市首相のような間違った憲法観ではなく、「本当」の憲法観を知ってほしいので、まず「真」の意味を込めました。また、単なる条文の丸暗記ではなく、深く憲法について考えてほしいので、「深」の意味もあります。さらに、本書の4で述べた通り、私自身は将来的には憲法を改正すべきという立場なので、「新」の意味も込めています。
  本書の構成ですが、Ⅰの「憲法のキホン」では、そもそも憲法とは何か、憲法の歴史などについてまとめました。Ⅱの「私たちに保障されている人権」では、憲法が保障する権利・自由(人権規定)について、Ⅲの「憲法が定める国家機関」では、憲法が設置する国家機関とその仕事(統治規定)についてまとめました。各項目は基本的に独立していますので、順番通りに読まなくても大丈夫。まず目次を見て、興味を持ったところから読んでいただいてもかまいません〉(「はじめに」より)

【おすすめ度○】中嶋猪久生『石油と日本 苦難と挫折の資源外交史』新潮選書, 2015年

著者はもと東海銀行職員で、石油貿易の現場に近いところにいた者だからこそ書ける良書。日本の石油政策と「ワシントン・リスク」、出光佐三による「日章丸」とイラン、山下太郎(アラビア太郎)・田中角栄の活躍など生々しい話が書かれている。なお第2次世界大戦前を扱った第1章~第3章は読み飛ばして、第4章の日章丸事件から読み始めてよいと思う。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
近代より続く『石油の時代』にあって、石油を持たない国・日本は 「資源外交」に身を投じるしかなかった。そこは国同士がエゴを剥き出しに衝突し、謀略を巡らす現場。莫大な時間と金、時には人の命も費やして、いったいこの国は何を得てきたのか? 日本の行方を左右した交渉、開発、投資――その僅かな栄光と数多の蹉跌。


2026年7月12日日曜日

【おすすめ度☆】大槻奈巳/岩上真珠 編『大学生のためのキャリアデザイン入門 改訂版』有斐閣, 2026年

「働くこと」を中心にして、キャリアデザインについて多角的に考える本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
グローバル化,個人化が進み,人口構造や雇用環境,就労事情も親の時代とは大きく変わっている中で,これから大学生が何を指針にどう生きるべきか,一人ひとりに問われている。自分の生き方を考えるヒントを見つけ,就職と職業生活を考えるための入門書。



【テーマ別】原子力と核兵器に関する本

原子力と核兵器に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

【おすすめ度●】吉村慎太郎『改訂増補 イラン現代史 従属と抵抗の100年』有志舎, 2020年

帝政時代から、イラン革命によるイスラム共和国の成立を経て、イラン核開発問題、JCPOAの成立とトランプ政権による破棄まで、イランの現代史、特にイラン核開発問題の背景が理解できる。日章丸事件(1953年、出光興産のタンカー「日章丸」が、イギリスの妨害をはねのけてイランから石油の輸入に成功した事件)についても書かれている。

版元ドットコムから紹介を引用
現代世界のなかで無視できない中東の大国イラン。その現代史は欧米諸国への従属と抵抗に彩られている。19世紀から21世紀の現在まで、欧米列強の度重なる露骨な介入と支配に対して、あるときはそれを受容し、またときにはそれに激しく反発・抵抗してきたイランの歴史を平易に解説する入門書。
「核開発」疑惑や「テロ」問題に絡めて、欧米から貼られる「イスラム原理主義国家」というレッテルとは一線を画し、イラン内部の葛藤や苦悩にも光を当て、この国の真の姿と歴史のダイナミズムを描き出す。初版に改訂を施し、さらに2001年から2019年に至るイラン政治と国際政治の激動に関する新章を加えた待望の「改訂増補」版。


2026年7月10日金曜日

【おすすめ度●】長谷部恭男/石田勇治『ナチスの「手口」と緊急事態条項』集英社新書, 2017年

ドイツにおける戦前・戦後の「緊急事態」に関する論争の歴史。特にナチス(ヒトラー)の政権獲得までのプロセスが生々しく書かれている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
自民党が狙う緊急事態条項の正体!
ここからナチ独裁は始まった!
 自民党が、ながらく憲法に加えることを狙ってきた緊急事態条項。災害・テロ発生時への対策だというのが表向きの説明だ。しかし、首相に権限を集中させ、国民の権利を制限するこの条項に別の意図はないのか。
 じつはヒトラー独裁の始まりは、ワイマール憲法に書かれた同様の条項だった。
 憲法学界の重鎮が、ナチ・ドイツ研究の最先端をいく歴史家とこの条項の危うさを徹底的に解明する。



2026年7月4日土曜日

【おすすめ度○】飯田哲也『Ei革命 エネルギー知性学への進化と日本の進路』集英社インターナショナル, 2026年

世界の再生可能エネルギー推進の動向が説明されている。日本が世界の動向から落伍しつつあることがわかる。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
すでに始まっている文明史的エネルギー大転換の全体像。これは環境問題ではなく、世界の経済構造を根底から変えるパラダイムシフトである。
 世界では、再生可能エネルギーと蓄電池のコスト革命ならびに指数関数的な成長が進み、課題は「電力不足」ではなく、“ありあまる電気”の活用へと移った。日本がとるべきは、中央集権インフラの延命ではない。鍵は 「Ei=Electricity(電気) × intelligence(知性〈人間+AI〉)」。化石燃料依存から、電気を賢くつくり・ためて・使う設計へ。本書は、世界中で出現しつつある「シン・オール電化社会」という新しいOSの姿を描き出し、企業・自治体・生活者が取るべき実装ステップを提示する、政策とビジネスの実践書である。
※本書でいう「エネルギー知性学」は、「エネルギー地政学」に対置される新しい考え方の枠組み。