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このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...

2026年5月19日火曜日

【おすすめ度☆】江成穣/倉地真太郎/佐藤一光/藤原遥『Why not?! 財政学 超入門からホットイシューまで』有斐閣, 2025年

財政思想と財政制度、経費(歳出)論、歳入論などの通常の財政学の教科書の内容に加えて、「大きな政府と小さな政府」、「グローバル化と財政」、「財政と地域経済・雇用」「環境政策と財政、環境被害救済と責任」、「政治的合意形成」、「多様性と財政」などの現代的な問題についても降らられている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
財政がわかると社会がわかる! 一番やさしい財政学の教科書。
専門用語を極力使わず,教育,年金,医療など日々の生活と財政とのつながりを動画とともにゼロから学べる財政学の超入門書。1章10ページで読みやすく,かつ体系的に学べます。社会の写し鏡としての財政を自分のこととして捉え,考える力を養います。

【おすすめ度●】高崎経済大学地域政策研究センター『景観法と地域政策を考える』勁草書房, 2014年

景観法の仕組みと、景観保全の実践例の紹介。良い本だが内容が古くなっているところがあるのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地域政策を考える上で景観法はどのような効力を及ぼすのか。研究者と実務家が協力し、景観と地域政策との関連性について整理する。
地域の景観を守ることは、住民と自治体、それに専門家も交えた協働作業である。70年代以降、全国各地で地域全体の調和や美観を軽視した建築物が増え、伝統と風格ある街並みが損なわれている。それに対し、景観条例、景観法、景観協定はどのような役割を果たしてきたのか。複雑な景観法とその関連法について、背景や内容を中心に解説。



2026年5月18日月曜日

【おすすめ度☆】松田憲忠/西岡晋/宇野二朗 編著『生活からひもとく政策と行政』ミネルヴァ書房, 2026年

地域交通、公共事業、商店街活性化、景観保護、社会保障、少子化など具体的な地域の課題の解決を題材にした政策研究の部と、窓口「たらい回し」、ワクチン接種順への有力者の介入、政治家と官僚組織、「お役所仕事」、公務員の役割、地域おこし協力隊などを題材にした行政研究の部の2部からなる行政学の教科書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
行政についての学習の「入門の入門」となるテキスト。高校までで扱ったような事例や社会問題、これまでの生活の中で経験してきた事例のような「身近な問題」について「もうちょっと深く考える」ことを通じて、本書全体で「学問への誘い」を示す。
[ここがポイント]
◎ 行政についての「入門の入門」となるテキスト
◎ 「行政学」や「政策学」の一般的なテキストより一歩前に読んでほしい一冊
◎ 生活の中での素朴な疑問や気づきの先(あるいは裏)にある行政や政策の存在をたぐりよせる
◎ 身近な事例を行政学における重要概念・理論等につなげ、学問としての行政学への自然な橋渡しをおこなう
◎ ゼミや自主学習のテキストとしても最適!



2026年5月16日土曜日

【おすすめ度☆】松永和紀『食品の「これ、買うべき?」がわかる本』大和書房, 2024年

科学データに基づいて、「健康食品」や「サプリメント」などを評価する本。食品に関する「リテラシー」を育てる内容。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
メーカーが「言いたがらない」58の視点で、本当に正しい食の知識が手に入る。
科学ジャーナリストが本気で調べた、食の真実。
体にいい食品と悪い食品、サプリやセールストークのウソとホント。目から鱗の58視点!
この20年あまり、私が一貫して気になっているのは、世間に氾濫する間違った情報に惑わされている人たちが目立つこと。そこで本書では、お買い物をし、作ったり食べたりする人目線での、情報の“交通整理”を試みました。(はじめに)
セールストークは一切ナシ。メディアも、食品メーカーも言いたがらない真実。


2026年5月13日水曜日

【おすすめ度●】柳川喜郎『襲われて 産廃の闇、自治の光』岩波書店, 2009年

岐阜県御嵩町で巨大な産業廃棄物(産廃)処分場が計画されたときに、反対していた町長が襲撃されて瀕死の重傷を負う事件が発生した。この本は事件を中心にした本。当事者(襲撃された町長)が著者になっているが、書き方のスタイルとしてはルポルタージュに近い。産廃ビジネスをめぐる闇勢力の暗躍が詳しく書かれている。ただしその反面、産廃問題そのものについては体系的ではない。なお処分場計画は最終的に中止になった。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
テロに屈せず住民投票を実施し,産廃処分場計画を阻んだ岐阜県御嵩町の前町長が,その生々しい体験を語る.
緑の谷を産業廃棄物で埋め尽くし,「東洋一」の処分場に──.1990年代に岐阜県御嵩(みたけ)町で浮上した巨大計画は,慎重な町長への襲撃事件と住民投票での圧倒的反対で全国の注目を集めた.金力・権力・暴力と対決したその前町長が,利権に群がる魑魅魍魎の姿と産廃・環境問題の考え方を,生々しい体験とともに語る.

■著者からのメッセージ
 空気が読めなかった田舎町長の物語
 最近の自民党内紛劇を見ていても,政治家の皆さんは空気を読むのがほんとうにうまいな,と感心する.「反麻生」で激しく抵抗していた面々も,あたり一面の空気を読んで,利あらずと見るや,たちまち沈黙してしまった.見事なまでの「読気術」である.
 政治家のはしくれの田舎町長だった私も,そうした「読気術」を身に付けていれば,襲われて死にそこなうこともなかっただろう.
 カネの力で強引に産廃処分場建設を進める産廃業者,それを後押しする許可権者の県,さらには利権に群がる暴力組織.しかも産廃処分場計画は発進直前だった.空気は誰の目にも見えていた.
 だが,500万人の水道水源である木曽川,そのほとりの「東洋一」の巨大産廃処分場計画には,あまりにも多くの理不尽があり過ぎた.もし政治家らしく空気を読んで,理不尽は見て見ぬふりして沈黙していれば,いまごろ木曽川畔の谷は産廃の山で埋め尽くされていただろう.
 空気を読んで沈黙することは,ときに共謀や加担につながる.それは私にはできなかった.


【おすすめ度○】高橋英一『肥料になった鉱物の物語 グアノ、チリ硝石、カリ鉱石、リン鉱石の光と影』研成社, 2004年

グアノ、チリ硝石、カリ鉱石、リン鉱石に関する歴史。これらの肥料になる資源が、人類の歴史に大きな影響を及ぼしてきた非常に重要な物質であることがわかる。

紀伊國屋書店ウェブサイトより紹介を引用
人類文明の豊かさと貧しさを再認識させる肥料革命!四つの肥料鉱物が次々に登場したきっかけは何か、それによって何がかわり、近未来にどのようなことが起こるのか、乱掘と多用の歴史的エピソードを物語風に綴り、農業の変革や環境問題も織り交ぜて検証していく。




2026年5月8日金曜日

【おすすめ度☆】関根佳恵『13歳から考える畜産 小さな畜産からつくるサステナブルな未来』かもがわ出版, 2026年

工業化された畜産の問題点を指摘して、持続可能な畜産への転換を主張する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
持続可能な暮らしを実現する畜産の未来を考える
畜産を通して、食・環境・命のつながりを学ぶ、総合学習・探究学習にぴったりの一冊。
輸入飼料の価格高騰による経営難、人手不足、鳥インフルエンザなどの伝染病・・・
私たちの暮らしを支える畜産の現場でいま、何が起きているのでしょうか。
[気候変動][アニマルウェルフェア(動物福祉)][オーガニック]などのキーワードで、〈持続可能な畜産〉を探ります。



【おすすめ度○】黒岩比佐子『伝書鳩』文春新書, 2000年

伝書鳩の軍事利用と民間(新聞社)による利用の歴史。この本を読んで、私が思っていたより実用的に使われていたことがわかった。

紀伊國屋書店ウェブサイトから紹介を引用
今の我々は鳩といえば駅前や公園のドバトを連想しがちだが、かつては新聞社のスクープ合戦の一翼を担う鳩もいた。海上や山間や僻地から写真などを身に帯び、隼や鷹の襲撃をかわしつつ、ときには数百キロという遠路を社屋目指して飛び帰る伝書鳩は、いわば当時の花形通信手段だったのだ。本書は明治期、軍用鳩として西洋より導入されてから、近年、レース鳩へと転身するまでのその歴史を、丹念な取材でたどりつつ、鳩が秘めた驚くべき能力の謎にも迫る。


【おすすめ度☆】大河原誠也 編『国際協力ってなんだ? つながりを創るJICA職員の仕事』ちくまプリマ―新書, 2025年

JICA(国際協力機構)がどのような仕事をしているか、事例を紹介する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
私にも、できるかも!?  JICA(国際協力機構)若手職員が語る、人と協力する仕事のリアル
ホンジュラスで柔道、広島で大縄跳び。東京で書類づくり、バングラデシュで堤防づくり。JICA(国際協力機構)若手職員が語る、人と協力する仕事のリアル。



2026年5月5日火曜日

【おすすめ度●】レベッカ・スクルート『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』講談社, 2011年

本書はヘンリエッタ・ラックスの娘のデボラに対するインタビューを中心に書かれた家族のルポルタージュ。
 黒人女性ヘンリエッタ・ラックスのがんから採取されたヒーラ(HeLa)細胞は、科学研究に多大な貢献をしたしただけでなく、莫大な経済的利益ももたらした。それにもかかわらず、ヘンリエッタ・ラックスの家族たちには何の利益還元もなくは、家族たちは貧困に苦しんでいる。それどころかヘンリエッタ・ラックスの細胞が科学研究に利用されていることさえ伝えられていなかった。
 また過去のアメリカでは黒人を対象にして危険な人体実験が行われており、家族たちは、ヘンリエッタ・ラックスも人体実験の犠牲になったのではないかという疑いにも苦しめられた。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカ中を感動させた科学+ヒューマン・ノンフィクションの金字塔、待望の邦訳!
(ストーリー)
彼女の名前はヘンリエッタ・ラックス。
だが、科学者のあいだでは「ヒーラ」として知られている。
1951年、貧しい黒人のタバコ農婦だった彼女の身体から、本人の同意なく採取された癌細胞は「ヒーラ」と名付けられ、世界初の“不死化したヒト細胞”として、のちに医学界のきわめて重要なツールとなる。
 ヒーラはその後の細胞培養法に革命をもたらしたのみならず、ポリオワクチンの開発、化学療法、クローン作製、遺伝子のマッピング、体外受精ほか、幾多の研究の礎となった。だが、数十億個という膨大な単位でその細胞は売買されてきたにもかかわらず、ヘンリエッタは死後も無名のままにとどまり、そして彼女の子孫もまた、健康保険すらまかなえない境遇に置かれていた――。
 生命倫理・医学上の争い・科学・人種間の葛藤・信仰療法、そして、亡き母への想いと葛藤に苦悩する娘の物語を鮮やかに描いた〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー!!



2026年5月1日金曜日

【おすすめ度☆】シンジア・アルッザ/ティティ・バタチャーリャ/ナンシー・フレイザー『99%のためのフェミニズム宣言』人文書院, 2020年

マルクス主義の立場からの資本主義批判としてのフェミニズムの概説書。いわゆる「リベラルな」フェミニズムを厳しく批判している。「宣言」という題名の通り、断定的な書き方になっていて、「なぜそのように主張するのか」という理由の説明はあまりされていない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。

私たちはまだ連帯できる──ほんとうの敵は資本主義だ

1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。

「99%のためのフェミニズムは反資本主義をうたう不断のフェミニズムである──平等を勝ち取らないかぎり同等では満足せず、公正を勝ち取らないかぎり空虚な法的権利には満足せず、個人の自由がすべての人々の自由と共にあることが確証されないかぎり、私たちは決して既存の民主主義には満足しない」(本文より)。


【おすすめ度●】樋口英明『原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門』岩波書店, 2024年

著者は2014年大飯原発運転差し止め判決、2015年高浜原発再稼働差し止め決定を出した元裁判官。この2つの判決に関する裁判官自身による説明や、2022年6月の最高裁判決(原発事故に関する国の責任を否定した)に対する批判など。題名と違って「入門」の本ではない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地震は必ず来る、原発を続ければ事故は必ず起き、国土が喪失する。原発を止めた裁判官が、原発回帰の愚かさを明解に論証する。
 2014年大飯原発運転差止判決、2015年高浜原発再稼働差止決定を書いた元裁判官による原発入門。極めてシンプルに原発の本質を提示したに本書を読めば、人類が原子力発電を続けてはならない理由が理解できるだろう。漠然と「原発は安全、原発は必要」と考えている人こそ、本書を正面から受け止めてほしい。


【おすすめ度○】烏賀陽弘道『今さら聞けない 福島第一原発事故 5つのウソ』彩流社, 2026年

「復興が進んでいる」「避難者は減っている」「空間線量が下がって安全になった」「2051年までに廃炉できる」「汚染は福島に封じ込められている」の5つのウソを丁寧に検証している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地元は復興?避難者は減少?事故から15年、積み重ねられてきた「大きすぎるウソ」を検証。この一冊でわかる原発事故の全体像!



【おすすめ度○】米本昌平『遺伝管理社会』弘文堂, 1989年

ナチスの遺伝・民族政策を題材にして、現代の医療、とりわけ精神医療にもつながる問題を提起する本。 内容:ナチス論のために 19世紀自然科学主義と民族衛生学の誕生 民族衛生学の制度化と20年代 人種主義としての超医療管理国家 戦後精神と現代医療など。

紀伊國屋書店ウェブサイトより紹介を引用
慢性疾患の時代にこそ認められなければならないのは、「病者でいる権利」だ。健康が義務である社会の恐怖を描く、書下ろし。

2026年4月25日土曜日

【おすすめ度☆】富田正樹『疑いながら信じてる50 新型キリスト教入門その1』ヨベル, 2023年・富田正樹『戸惑いながら信じてる50 新型キリスト教入門その2』ヨベル, 2026年

リベラル・クリスチャンによるキリスト教の入門者向けエッセイ集。ここで「リベラル・クリスチャン」とは、イエス・キリストを社会的弱者(貧困者、病人、障害者、女性など)を救うために活動した社会運動家として理解するキリスト教の潮流。
 本書はリベラル・クリスチャンの潮流に従って書かれているが、必ずしもキリスト教全体がリベラルなわけではなく、リベラル・クリスチャンはキリスト教のなかではむしろ少数派である。ただしキリスト教徒でない人にとっては、「進化論否定」のような狂信的な面もある伝統的なキリスト教よりも、思考方式が合理的で近代社会的な価値観を共有しているリベラル・クリスチャンの方が理解しやすいだろう。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
『疑いながら信じてる50』
私は疑いながら信じています。キリスト教を信じる人たち(クリスチャン)の中には疑いなど全く抱かずに、まるっきり無邪気に信じ込んでしまっている人がいます。
それはそれで結構……どう展開する?!
 私がここで書いていることが、日本のプロテスタント教会の代表的な、あるいは公式見解であるとも思わないでください。キリスト教の世界は海のように広いのです。その広い海に浮かぶ島の数だけあるような、様々な考え方の中で、何が本当に正しいのかなどわかりません。ですから、「これも数ある考え方のひとつなのだな」と受け止めていただけるとありがたいです。……ガチガチに凝り固まった「唯一の」「正しい」教義に疑問を感じている人には、きっと興味深いものになるはずです。どうぞ、「疑いながら信じる」ひとりのクリスチャンの頭の中へとお入りください。

『戸惑いながら信じてる50』
格調は低く、ハードルと ココロザシは、いや増しに高く!
聖書が書かれた時代、戦争、暴力、搾取、差別etc.の話題はてんこ盛り。でも原発、臓器移植、デザイナー・ベビーetc.についての言及はナッシング。現代のクリスチャンは社会の諸問題に聖書からの直接の回答を得ることができない。どうしたらいいか。このさらなる難題に牧師とみティが挑んだ第2弾!

キリスト教では……

原発はどうなのか?
キリスト教的に見て、原発には道徳的・倫理的に問題があるのです。原発が「安全神話」というウソの上に成り立っているという点、もうひとつは、原発が差別の上に成り立っているという点です。

自死はどうなのか?
自死は必ずしも亡くなった本人の自己責任とは言えません。自分の置かれた場所が苦しすぎるという「状況に殺された」面があるのですから、「本人の罪だ」と決めつけるのは理不尽です。

セックスワークはどうなのか?
イエス自身、セックスワーカーの味方でした。積極的に、「汚れている」と言われていた人の友だちになっていたイエス。ですから、クリスチャンがセックスワーカーを毛嫌いなんて全くのお門違いです。

【おすすめ度○】巽美奈子『<栄養>の誕生』新曜社, 2026年

「栄養」という考え方は昔から存在したものではなく、近代に人工的に構築された考え方であえる。この本では、「栄養学」の歴史の研究を通じて、「栄養」という考え方が形成される過程を明らかにしている。さらに本書では、「栄養」をめぐる格差問題(「上流」階級と庶民階級での栄養に対する認識の違い)や、「栄養」に関するジェンダー問題か考察されている(家庭での「調理」を担い、家族の栄養に責任を負っているのは女性であるにもかかわらず、プロの「調理師」がほぼ男性なのはなぜかという問題や、専門職であるにもかかわらず女性が多い「栄養士」が登場したプロセスなど)。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
戦前日本の栄養学の系譜を、食事実践の場から描いた一冊。
健康のために日々の食事に配慮する――今日では当然とされる食事観は、大正末期まで世間から反感を買っていた。なぜ反発されていたのか。なぜ普及に転じたのか。階層やジェンダーといった視点を踏まえ、健康と食事をめぐる意識と実践の変遷を描く。




2026年4月21日火曜日

【おすすめ度○】古川隆久『建国神話の社会史 史実と虚偽の境界』中央公論新社, 2020年

戦後の話も少しあるが、大部分は第二次世界大戦敗戦前に行われた、「建国神話」を政府がどうやって国民へ押し付けようとしたかについて述べている。学問研究に反する「建国神話」を国民に押し付けるのは容易ではなく、政府は主に小学校での教育を通じて子どもたちに影響を及ぼすことを中心にした。しかし小学校の子どもたちにも、非科学的な「建国神話」の押し付けには反発がみられた。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「先生、そんなの嘘だっぺ!」--神話が「史実」となった時、教室の中で、そして教室の外で何が起きたか。一方で、民主化や経済振興の手段ともなった巨大な「建前」に戦前の人々はどう向き合ったのか。『昭和天皇』の著者による天皇と日本社会の近代史。


【おすすめ度☆】樫原正澄 編『食と農の環境問題』すいれん舎, 2016年

「持続可能なフードシステム」について、食糧生産の環境負荷、食の安全などの多角的な観点から検討する良書。ただし2016年の本なのでやや古くなっている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
激変する食生活の中で、食の安全と国民の健康は守れるのか。日本の食生活の持続可能について、食料の生産・流通・消費の全過程を視野に入れて、全体的なフードシステムとして学ぶ。



2026年4月19日日曜日

【おすすめ度●】森岡孝二『働きすぎの時代』岩波新書, 2005年

「過労死」に代表される働き過ぎの問題が、なぜ発生し、どのように対策を立てて行けばいいのか考察する本。良書だが内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
いたるところから働きすぎの悲鳴が上がっている.労働時間が1日10時間を超えるほどに長ければ,疲労とストレスがたまり,最悪の場合は死に至ることになる.本書では,グローバリゼーション,情報技術,消費社会,規制緩和などに着目して今日の過重労働の原因に迫る.まっとうな働き方ができる社会を作っていくために,いま何が必要なのか.



【おすすめ度●】村井吉敬『エビと日本人』岩波新書, 1988年

エビの生産から消費までを追うことにより、日々の生活とアジア発展途上国とのかかわりを伝える良書。良い本だが内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.


2026年4月17日金曜日

【おすすめ度●】野村総合研究所『排出量取引とカーボンクレジットのすべて』エネルギーフォーラム, 2023年

排出量取引に関する概説書。EU-ETSの説明も詳しい。2023年の本なのに、既に内容がやや古くなっている。世の中の変化が早すぎる!

出版社ウェブサイトから紹介を引用
脱炭素化・GXの実現を担うカーボンプライシングの要!
GXリーグ、GX-ETSの設計に携わる野村総合研究所が国内外の政策制度や市場・プレーヤーの動向などを徹底解説。


【おすすめ度○】山下真一『環境投資のジレンマ 反ESGの流れはどこに向かうのか』日本経済新聞出版, 2024年

一時大きな動きになったESG投資に対する反動の動きの紹介と、今後の展望について書かれている。著者は日本経済新聞シニアライターで、新聞記者らしいまとめ方の本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
 政府、企業が地球環境を重視する政策に突き進む中、企業年金や保険会社など機関投資家はそれに乗り遅れまいと環境投資に走り、「責任ある投資」がブームになった。化石燃料企業を投資対象からはずす行為(ダイベストメント)は、優良投資家の鏡とされた。
 ところが、2022年、大きな反動が起きた。環境株のパフォーマンスが落ち、石油株が選好される中で、環境投資の意味を問う動きが強まったのだ。米国では、フロリダ州で反ESG投資の声が大きくなり、「もうESG投資という言葉は使わない」と言い出す経営者もいた。新規の環境ファンド設定の動きも激減している。
 そもそも投資の目的とは何か、環境対策と企業の成長は連動するのか、といった根源的な問いが世界を覆う。環境対策に突き進むと同時に投資パフォーマンス向上を目指す「二刀流」は成り立つのだろうか。環境投資の現状や、厳格化するルールなど世界の潮流を概観しながら、環境マネーの行方を探る。

2026年4月12日日曜日

【おすすめ度●】兼重直樹『排出量取引制度入門』民事法研究会, 2026年

「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(いわゆるGX推進法)に基づいて2026年度に導入される排出量取引(「排出権取引」の方が一般的な用語だが、国の官庁は「排出量取引」という表現を使っている)制度の解説。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
2026年4月施行の改正GX推進法に基づく排出量取引制度の趣旨および内容についてわかりやすく解説した入門書!
 制度の目的・基本理念、改正の概要、制度の対象となる事業者、排出枠の割当てや償却義務、価格安定化措置、取引制度、性質論、制度の課題など、複雑な排出量取引制度について、1冊に体系的にまとめ、わかりやすく解説。
 難解な排出枠の流通や手続の流れを豊富な図表を用いて可視化。企業の担当者や法律実務家から学生まで、制度について視覚的・直感的に理解できる設計。



2026年4月9日木曜日

【おすすめ度○】大島誠『PFI方式の功罪』日本評論社, 2026年

公共施設を整備する手法の一つである「PFI」について、特に水道と下水道での実例を踏まえた分析。PFIの失敗事例(近江八幡市民病院、タラソ福岡)やPFI評価の理論についても書かれている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
行政サービスを民営化手法で提供する方法の1つであるPFI事業を事例に、PFI方式の有効性と限界、課題と改善点を提言する。

【おすすめ度】高橋明久/長田侑子/川合裕之『基礎からわかる輸出時の食品表示の実務ガイドブック』第一法規, 2026年

輸出リスクを未然に防ぐための知識。 内容:食品の輸出に関する基本的な知識 日本の食品輸出支援策 日本の食品表示制度 各国の食品表示制度(日本との違い)など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
食品の輸出時に知っておきたい基本的な制度や各国の食品表示制度の概要と、それに基づく表示の確認実務を「基準への適合確認」「食品表示の作成・チェック」の2つのステップに分けて解説。事業者の対応事例・よくあるQ&Aとあわせて読むことで、初めて食品輸出を手掛ける事業者や経験の浅い担当者にも、実務の流れが具体的にイメージできる。


2026年4月1日水曜日

【おすすめ度○】磯田宏『農業食糧貿易構造とフードインセキュリティ』筑波書房, 2026年

「新自由主義的フードレジーム」の概念を中心にして、世界の食料需給構造の変動を分析する本。 内容:フードレジーム(FR)と食生活レジーム(Diet Regime, DR)の分析方法 食生活とその階級性 農業食糧貿易構造の21世紀動態 新自由主義グローバリゼーションとアメリカ覇権の「終焉」 新自由主義的フードレジームの変容の「予兆」 構造変容期における農業食料リスクなど

出版社ウェブサイトから紹介を引用
本書は食生活とそれをめぐる農業食料国際分業の構造動態を主対象に、ポスト新自由主義的な体制ないし編成の予兆の有無と(あるとすれば)その方向性を検討し、それがフード(イン)セキュリティの側面から日本の食料農業政策に要請する課題を摘出することを目的としている。



【おすすめ度☆】庄司克宏『EU 統治の論理と思想』岩波新書, 2025年

EUに関して、入門的な立場から概観する本。内容:EUの構造と仕組み 域内市場 自由移動と各国文化 EU市民権 単一通貨 EUのトランスナショナル・ガバナンスなど

出版社ウェブサイトから紹介を引用
イギリスの離脱、難民の増大、極右の台頭、多様化する性……。様々な困難に直面する超国家的統合の実像を説く新たな基本書。
イギリスの離脱、移民や難民の増大、極右勢力の台頭、多様化する性……。様々な問題に直面し岐路に立つEU。壮大な実験はどこへ向かうのか。激動する世界の中で、どんな意味をもつのか。超国家的統合の実態や意義を明解に説き好評を博した前著『欧州連合』を大幅に改訂。これからの国際社会を展望するための新たな基本書。


2026年3月31日火曜日

【おすすめ度●】井上弘貴『アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち』新潮選書, 2025年

「オルトライト」や、イーロンマスク、ピーター・ティールなどの「テックライト」をはじめとするアメリカの新しい右翼思想の考察。白人優越主義と移民問題が重要な役割を果たしていることがわかる。この本の「あとがき」でも書かれているが、この本で取り上げられている人たちは「思想家」とはいいがたく、政治運動家か経営者が大半である。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アメリカを乗っ取った「危険な思想」の正体を明かす!
トランプ政権による国家改造の成否に関わらず、リベラル・デモクラシーへの不信感は決定的なものとなっている。左右両極の間で起きた思想戦争の内幕を追いながら、テック右派から宗教保守、ネオナチなどの思想家たちが、なぜリベラルな価値観を批判し、社会をどのように作り変えようとしているのか、冷静な筆致で読み解く。


【おすすめ度○】鎌田安里紗/マルティメンド有加『わたしの服はどこからきてどこへいくの?』晶文社, 2026年

ファッションのサプライチェーン(服が作られて、売られるまでの流れ)・バリューチェーンとファッション廃棄物問題を題材にして、先進国と発展途上国の関係を考察する本。「サステナブルファッション」と言われるものが本当にサステナブルなのか、表面を飾っているだけ(いわゆる「グリーンウォッシュ」)なのではないかという問題提起もされている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
ファッションとサステナビリティについてのモヤモヤ、まとめて掘り下げます!
素材についての知識から、愛着ある服を長く着るコツまで、服と人との良い関係をめぐる7章の報告書。
服にもサステナビリティが大事なことはわかっているけれど、いざ自分の消費行動になるとそれから外れた選択をしてしまい、なんとなくモヤモヤしている……。そんなひとに向けて、服にまつわるさまざまな問題について考えてみました。著者は「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに、サステナブルファッションに関する教育やコンサルティングを行う一般社団法人の理事2人。
手放した服はどんな運命に? リサイクルされる割合はどのくらい? オーガニック素材はほんとうによいの? 服の値段はどのくらいだと妥当? サステナブルを企業は謳うけれどどこまで信用できる?……そんなあなたの疑問に答えます。ほんとうに心地よい服との付き合い方、いっしょに考えてみませんか?


2026年3月29日日曜日

【おすすめ度●】海渡雄一/大河陽子『東電刑事裁判 問われない責任と原発回帰』彩流社, 2023年

東電刑事訴訟高裁判決の批判を中心にして、これまでの原発訴訟を振り返る。さらに、これまでの原発訴訟等の運動の成果を踏まえて、今日的な論点についても考察している。 この本で取り上げられている今日的な論点の例:福島原発事故はなぜ起きたか(福島原発事故の教訓) 福島イノベーション・コースト構想での軍事・民事デュアルユース 「革新炉」はもんじゅの二の舞になる こどもの甲状腺がんと裁判 原発老朽化 原子力規制委の評価 汚染水の海洋放出 など
やや一方的(一面的)な議論になっているところもあるので、おすすめ度は○でなく●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日本の急速な原発回帰と東電元経営陣被告への国策に配慮した結論ありきの無罪判決。全裁判をつぶさに把握する弁護士が再度問う。
岸田政権は原発の新規建設や60年以上の運転延長など、原発回帰に急速に政策転換している。そのなかで、東電元経営陣に対し 3・11 原発事故の刑事責任を問う裁判で被告全員に無罪判決が出た。
現場検証や証人尋問等による証拠採用もせず、被害者をふみにじる、国策に配慮した結論ありきのような判決は、次の原発事故を準備する危険な論理である。その危険な論理を、すべての裁判をつぶさに把握する弁護士がわかりやすく解説する。