軍事、環境破壊、バイオテクノロジーを中心にして、科学と良心の関係を考察している。多数の著者による論文集なので内容にあまりまとまりがない。またサブタイトルが「パンデミック時代への視座」となっているが、新型コロナのパンデミックについて深く考察している論考はない。
本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
注目の投稿
【まとめ】このブログ全体のまとめです。
このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...
2026年3月29日日曜日
【おすすめ度○】同志社大学良心学研究センター 『良心から科学を考える パンデミック時代への視座』岩波書店, 2021年
【おすすめ度●】大塚英志/大澤信亮『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』角川書店, 2005年
「ジャパニメーション」と言われるアニメとはどういうアニメなのか、ジャパニメーションの歴史に関する考察と、それを踏まえた上で政府による「ジャパニメーション」振興策を批判している。
家の振興策は有効なのか。まんが、アニメの過去、現在、未来を問い直す。
【おすすめ度○】豊下楢彦『「核抑止論」の虚構』集英社新書, 2025年
「核抑止」の思想が発展してきた歴史を振り返ったうえで、その虚構性・虚構性を明らかにする良書。
2026年3月14日土曜日
【おすすめ度☆】鷲津明由/赤尾健一/有村俊秀 編著『カーボンニュートラルと社会』晃洋書房, 2025年
気候変動問題に関する教科書的な概説書だが、内容は高度。内容:カーボンニュートラル社会が求められるに至る経緯 気候変動問題と世代間公平・持続可能性 日本の気候変動対策法制 企業の視点から見た脱炭素化 グローバル気候変動ガバナンスの発展 脱炭素とカーボンプライシングの役割 温暖化と社会経済の超長期シナリオのモデル化と評価 カーボンニュートラルとエネルギー転換の地政学とガバナンス スマート社会の産業連関分析
2026年3月12日木曜日
【おすすめ度☆】塩川伸明『民族とネイション』岩波新書, 2008年
民族や「ネイション」に関する理論・思想的な考察と、世界各地の民族・ナショナリズム問題の現状。
【おすすめ度☆】J.A.トーマス/M.ウィリアムズ/J.ザラシェビクシュ『人新世再入門』名古屋大学出版会, 2025年
「人新世」に対する諸科学からの分析の集成。教科書・入門書のスタイルではあるが、内容は高度。 人新世の地質学的背景 人新世と気候変動 人新世と生物圏の変容 古人類学、考古学、人類学 政治学と経済学(これらに対してはあまり評価していない) 人新世の実存的課題
2026年3月11日水曜日
【おすすめ度☆】松岡久蔵『日本が食われる いま、日本と中国の「食」で起こっていること』彩図社, 2020年
題名はセンセーショナルだが、まじめな内容。グローバル化が進むなかで起きている新品種開発と遺伝資源保護の問題(和牛 イチゴとブドウ、ニシキゴイとナマコ)、漁業資源管理(サンマとウナギ)、漁業資源管理と動物愛護的な環境保護運動と政治が密接にかかわる問題(マグロとクジラ)、メディアによるこれらの問題の取り上げ方などに関する本。ルポルタージュのスタイルで読みやすい(出版社の紹介ではノンフィクションになっているが、正確にはルポルタージュ)。
2026年3月1日日曜日
【おすすめ度☆】マイケル・D・ゴーディン『疑似科学から科学をみる』岩波書店, 2025年
「科学」と「疑似科学」を簡単に線引きして区別することができないという立場から、反進化論や反ワクチン、心霊科学などのいわゆる疑似科学を「痕跡科学」(占星術や錬金術のように、科学が発展することによって従来の学説が否定された事例)、「御用科学」(ルイセンコ学説のように、権力と結託することによって非科学的な学説が社会で有力になった事例)、「反体制科学」(反体制的な心情をもった人が、通常の科学に対する反発として非科学的な学説を支持する事例)、「心霊科学」「グレーゾーンの科学」という観点で分類して説明する本。
【おすすめ度☆】北村朋史, 田中佐代子, 若狭彰室, 藤澤巌, 森肇志編『国際法で世界がわかる 新版』岩波書店, 2025年
領土問題や戦争、海洋(領海)のような問題から、人権、環境、労働など社会的な分野まで、国際法がどのように関わっているかを概説する本。
2026年2月26日木曜日
【おすすめ度☆】枝廣淳子『社会の価値の測り方』岩波新書, 2026年
LCA、地域産業連関表、廃棄物産業連関表など、地域分析のツールを紹介する本。社会的価値の「見える化」に過度にこだわると、「見えないもの」が無視されるようになるという弊害もあるが、それでも「見える化」の手法について知っておくことは意味がある。
【おすすめ度●】鶴見太郎『シオニズム』岩波新書, 2025年
イスラエル、特に現在のネタニヤフ首相を含めて長期にわたってイスラエルでの首相を輩出してきた「リクード」党を指導してきた基本思想が「シオニズム」である。この本は、シオニズムの歴史と、現代のイスラエルでのシオニズムの役割について分析している。
2026年2月13日金曜日
【おすすめ度○】大江徹男, 坂内久『サスティナブル社会とエネルギー』日本経済評論社, 2025年
バイオガス発電を中心とした、再生可能エネルギーに関する研究。 原子力発電の問題点 再生可能エネルギーのポテンシャル バイオガス発電(酪農・農山村・都市部) 都市における地域熱供給と省エネルギー 輸送用燃料の削減とモーダルシフトなど
【おすすめ度○】矢作弘『社会主義都市ニューヨークの誕生』学芸出版社, 2026年
ニューヨークでの「社会主義者」マムダニ市長誕生の背景(過剰な富裕化=ジェントリフィケーションが引き起こした一般住民の生活困難) 「セレブな社会主義者」としてのマムダニ市長の紹介 アメリカの社会主義とDSA(Democratic Socialists of America)の歴史 他市におけるDSA系市長の取り組み(ミルウォーキーなど) 富裕層への課税強化によって富裕層が都市から逃げ出すか など
2026年2月4日水曜日
【おすすめ度●】デロイトトーマツ紛争鉱物対応チーム『ここが知りたい 米国紛争鉱物規制 サプライヤー企業のための対策ガイド』日刊工業新聞社, 2013年
コンゴ民主共和国は豊富な鉱物資源に恵まれた国であるが、同時に紛争が多発し、重大な人権侵害が起きている国である(まさに豊富な地下資源の奪い合いが、紛争が発生する主要な原因になっている)。鉱物の採掘に関しても、労働者を奴隷のような劣悪な条件で働かせて利益を搾取することが問題視されている。このような人権侵害問題に対応するため、アメリカではコンゴ民主共和国をはじめとする人権侵害が深刻な国からの鉱物の輸入に規制をしている。本書は実務家によるアメリカの紛争鉱物規制のしくみの概説書である。
【おすすめ度●】今井照『自治体は何のためにあるのか <地域活性化>を問い直す』岩波新書, 2025年
福島県国見町の救急車リース事業などの具体的な事例を踏まえて、「地方分権改革」後に国による地方自治体の統制が逆に強化されて、国主導の「地域活性化」「地域創生」事業が地方に押し付けられている現実や、それ等の事業が引き起こしたコンサルタントの地方行政介入などのさまざまな問題を分析する本。
2026年1月13日火曜日
【おすすめ度●】山下一仁『環境と貿易 WTOと多国間環境協定の法と経済学』日本評論社, 2011
「環境と貿易」に関する経済的分析。ガット/WTOと多国間環境協定と環境問題の関連についても詳しい。良書だが専門的で簡単には理解できない。またやや古くなっているところもある。
2026年1月12日月曜日
【おすすめ度○】野村総合研究所『カーボンニュートラルからネイチャーポジティブへ サステナビリティ経営の新機軸』中央経済社, 2024年
多数の実例を紹介しながら、「ネイチャーポジティブ」という新しい考え方に基づくサステナビリティ経営の新展開を解説する本。 内容:自然資本に関する諸概念 ネイチャーポジティブと他のサステナビリティテーマの関連 各国・各地域の政策等の動向(欧州、アメリカ、オーストラリア) 金融セクターの動向 事業会社の動向 求められる取り組み
【おすすめ度◎】久野秀二『アグリビジネスと遺伝子組換え作物』日本経済評論社, 2002年
古いが、政治経済学的な観点から遺伝子組み換えの問題を取り扱う良書 内容:理論的枠組みの検討 農業バイオテクノロジーの産業化の歴史 多国籍企業の農業バイオ戦略とその到達点 アメリカ合衆国におけるバイオテクノロジー政策の展開 農業バイオ政策の国際的整合化と対抗軸 農業者利益論の実際と開発者利益 途上国利益論の実際と国際研究機関の役割
2026年1月11日日曜日
【おすすめ度☆】片野田耕太『HPVワクチンのはなし ―効果は? リスクは? なぜ問題になったの? 素朴な疑問に答えます―』朝倉書店, 2025年
未解明の問題を残しながら、接種が再開されたHPVワクチンについて、問題の全体像を概説する本。内容:HPVワクチン問題の概要 HPVワクチンの効果とリスク HPVワクチン論争
【おすすめ度☆】徳永達己, 武田晋一 編『これからのインフラ開発』弘文堂, 2021年
インフラ開発に関する教科書。インフラ開発に関心がある人は読んでみるとよい。 内容:持続可能なインフラ開発に向けて インフラの基礎知識 インフラの計画とデータ分析 都市計画・まちづくり 交通・ロジスティクス 防災 産業 農業 給水 インフラと人づくり インフラ開発の未来
【おすすめ度◎】橋本淳司『あなたの街の上下水道が危ない!』扶桑社新書, 2025年
現在の上下水道が抱える問題をコンパクトにまとめている良書。 内容:八潮市の陥没事故 水道管の寿命 高騰する水道料金 インフラ技術者の不足 水道民営化という幻想 水道の未来
2026年1月7日水曜日
【おすすめ度●】原田昇 監修『サステイナブル都市の輸出』学芸出版社, 2017年
日本からアジアの発展途上国に向けて、廃棄物処理、水資源、環境保全などの都市インフラの輸出がどのように行われているかが書かれている。やや内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。
【おすすめ度○】永松俊雄『環境被害のガバナンス(新版)』成文堂, 2017年
著者は元熊本県庁職員。水俣病の被害者救済について、元県庁職員らしく具体的に書かれている。さらに、水俣病の経験を踏まえて、福島原発事故の被害者救済についても考察されている。
2025年12月22日月曜日
【おすすめ度●】西川芳昭『作物遺伝資源の農民参加型管理 経済開発から人間開発へ』農山漁村文化協会, 2002年
農民、NGOやNPO、公的機関が協力しながら遺伝資源(作物の趣旨)を守る方策について考察する良書。内戦後のルワンダでの農業の再生など切実な主題もある。良書だが古いのでおすすめ度●にした。 内容:遺伝資源と参加型開発をめぐる世界の現状 開発における作物遺伝資源 作物遺伝資源管理のシステムを担うNGO・NPO 作物遺伝資源管理における公的研究機関と農民の共同 ジーンバンクの役割 作物遺伝資源管理と技術協力のパラダイム転換
【おすすめ度☆】東賢一, 水越厚史『事例で読み解く環境汚染と健康リスク』朝倉書店, 2025年
環境汚染の健康影響に関する教科書。科学的エビデンスや予防原則など、この問題を扱う基本的な方法論についても学べる。それと同時に、関連する社会制度についても開設されている。 内容:環境汚染と健康影響の基礎 日本の公害 各種環境汚染による健康影響 環境汚染の評価と対策 科学的エビデンス 予防原則
【おすすめ度●】P.R.ムーニー『種子は誰のもの 地球の遺伝資源を考える』八坂書房, 1991年
国際開発行動連絡会議(ICDA)種子問題WG報告書。良書だが古いのでおすすめ度●にした。 内容:遺伝子の「富める国」と「貧しい国」 遺伝的浸食 遺伝子保存 緑の革命(展望と批判) 種子革命 新たな種子業者 品種規制法の意味 企業育種の偏向性 企業経験からの教訓など
2025年12月16日火曜日
【おすすめ度○】ルース・ドフリース『食糧と人類』日本経済新聞出版社, 2016年
急増する世界人口を支える食糧増産技術、特に肥料と品種改良の歴史。
2025年12月6日土曜日
【おすすめ度●】馬場朝子, 尾松亮『原発事故 国家はどう責任を負ったか』東洋書店新社, 2016年
チェルノブイリ原発事故の被害者を救済するための「チェルノブイリ法」の解説と、運用実態のルポルタージュ。
【おすすめ度●】梶谷懐, 高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK出版新書, 2019年
中国では、IT技術やプラットフォームが急速に発展し、それを応用して各種の「信用スコア」によって国民を評価・監視するシステムが構築されつつある。この現象を思想の面から理解しようとしているが、そのような考察が成功しているかどうかはよくわからない。
2025年12月4日木曜日
【おすすめ度○】本堂毅, 平田光司, 尾内隆之, 中島貴子編『科学の不定性と社会』信山社, 2017年
現実におきている問題(主に法的問題)と科学の関係を検討する良書。 内容:ルンバール事件と科学 科学と防災(地震予知) 医学的診断の社会性(「メタボ」はいかにして作り出されたか) 犯罪捜査と科学 科学と裁判 家族概念の科学と民法 科学の不定性とは何か 理科教育における科学の不定性 東北大学での科学教養教育 法教育における科学リテラシー 科学の不定性と市民参加など。


















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