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このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...

2026年3月29日日曜日

【おすすめ度○】同志社大学良心学研究センター 『良心から科学を考える パンデミック時代への視座』岩波書店, 2021年

軍事、環境破壊、バイオテクノロジーを中心にして、科学と良心の関係を考察している。多数の著者による論文集なので内容にあまりまとまりがない。またサブタイトルが「パンデミック時代への視座」となっているが、新型コロナのパンデミックについて深く考察している論考はない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
歴史的に、国家は科学の領域に積極的に介入してきた。人工知能やドローンなどの最先端技術が軍事利用の対象となり得る今、長期的な視点で科学や技術の進展を俯瞰することが必要ではないか。この重要課題に宗教・自然科学・科学史などの研究者14名が答える。パンデミックの危機にさらされる時代を生きるために必読の書


【おすすめ度●】大塚英志/大澤信亮『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』角川書店, 2005年

「ジャパニメーション」と言われるアニメとはどういうアニメなのか、ジャパニメーションの歴史に関する考察と、それを踏まえた上で政府による「ジャパニメーション」振興策を批判している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日本のまんが、アニメの何が本当に特別なのか。戦時下のサブカルチャーはどのような影響を受けるのか。萌とナショナリズムの親和性とは。国
家の振興策は有効なのか。まんが、アニメの過去、現在、未来を問い直す。

【おすすめ度○】豊下楢彦『「核抑止論」の虚構』集英社新書, 2025年

「核抑止」の思想が発展してきた歴史を振り返ったうえで、その虚構性・虚構性を明らかにする良書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。
しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場、さらにイスラエル・イランのミサイル攻撃に対するアメリカの軍事介入など、核使用の危険性がますます高まっている。
そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は”脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。
こうした核抑止論の本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。



2026年3月14日土曜日

【おすすめ度☆】鷲津明由/赤尾健一/有村俊秀 編著『カーボンニュートラルと社会』晃洋書房, 2025年

気候変動問題に関する教科書的な概説書だが、内容は高度。内容:カーボンニュートラル社会が求められるに至る経緯 気候変動問題と世代間公平・持続可能性 日本の気候変動対策法制 企業の視点から見た脱炭素化 グローバル気候変動ガバナンスの発展 脱炭素とカーボンプライシングの役割 温暖化と社会経済の超長期シナリオのモデル化と評価 カーボンニュートラルとエネルギー転換の地政学とガバナンス スマート社会の産業連関分析

出版社ウェブサイトから紹介を引用
社会科学の学際的視点から、脱炭素社会の捉え方、それへの貢献の仕方を,脱炭素に係る様々なトピックの最新知見とともに紹介
 脱炭素社会の実現のためには、技術革新に加えて、社会そのものが変わっていく必要があり、関連する社会科学の知見はその実現に不可欠である。本書は、政策学、経済学、法学、社会学、経営学等の社会科学の視点から、脱炭素社会をどう考えることができるか、それにどう貢献できるかを紹介する。温暖化の国際交渉、世代間の衡平、カーボンプライシング、気候変動対策法制等に関する最新の知見を紹介。


2026年3月12日木曜日

【おすすめ度☆】塩川伸明『民族とネイション』岩波新書, 2008年

民族や「ネイション」に関する理論・思想的な考察と、世界各地の民族・ナショナリズム問題の現状。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
国民国家の登場以来の歴史をたどりながら,「民族」「ネイション」「ナショナリズム」とは何かを明らかにする.
地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で,「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」という言葉がさかんに飛び交っている.だが,これらの意味や相互の関係はそれほど明確ではないのではないか.国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら,複雑な問題群を整理し,ナショナリズムにどう向き合うかを考える.



【おすすめ度☆】J.A.トーマス/M.ウィリアムズ/J.ザラシェビクシュ『人新世再入門』名古屋大学出版会, 2025年

「人新世」に対する諸科学からの分析の集成。教科書・入門書のスタイルではあるが、内容は高度。 人新世の地質学的背景 人新世と気候変動 人新世と生物圏の変容 古人類学、考古学、人類学 政治学と経済学(これらに対してはあまり評価していない) 人新世の実存的課題

出版社ウェブサイトから紹介を引用
人類の手により地球システムが変容を遂げた危機の時代に、どう向き合うべきか。最も信頼できる著者らが、あらためて地質学的背景から社会的意味まで、系統的かつ包括的にわかりやすく語る。人新世を長大な地球史の流れの中に明快に位置づけた、「文系」「理系」を横断する待望の入門書。




2026年3月11日水曜日

【おすすめ度☆】松岡久蔵『日本が食われる いま、日本と中国の「食」で起こっていること』彩図社, 2020年

題名はセンセーショナルだが、まじめな内容。グローバル化が進むなかで起きている新品種開発と遺伝資源保護の問題(和牛 イチゴとブドウ、ニシキゴイとナマコ)、漁業資源管理(サンマとウナギ)、漁業資源管理と動物愛護的な環境保護運動と政治が密接にかかわる問題(マグロとクジラ)、メディアによるこれらの問題の取り上げ方などに関する本。ルポルタージュのスタイルで読みやすい(出版社の紹介ではノンフィクションになっているが、正確にはルポルタージュ)。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
 いま、日本の資産と考えられていた「食」の数々が、海外に流出している。
 和牛やマグロは、すでに海外による飼育・漁獲によって日本がかなり押され気味である。そのほかにイチゴ、マスカット、サンマなども、中国をはじめとする海外勢力により、日本のシェアは縮小している。
 なぜこのような事態になったのか。それぞれの現場はどのような状況なのか、そして今後の展望は?
 食分野の記者経験が長い著者が足で集めた情報をもとにした、骨太なノンフィクション。


2026年3月1日日曜日

【おすすめ度☆】マイケル・D・ゴーディン『疑似科学から科学をみる』岩波書店, 2025年

「科学」と「疑似科学」を簡単に線引きして区別することができないという立場から、反進化論や反ワクチン、心霊科学などのいわゆる疑似科学を「痕跡科学」(占星術や錬金術のように、科学が発展することによって従来の学説が否定された事例)、「御用科学」(ルイセンコ学説のように、権力と結託することによって非科学的な学説が社会で有力になった事例)、「反体制科学」(反体制的な心情をもった人が、通常の科学に対する反発として非科学的な学説を支持する事例)、「心霊科学」「グレーゾーンの科学」という観点で分類して説明する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
疑似科学とされる、占星術や錬金術、創造論、心霊研究、水の記憶…。数世紀にわたる論争を見れば、科学の本質が見えてくる。
 かつては「科学」と呼ばれた、占星術や錬金術、骨相学や優生学。今は「疑似科学」と呼ばれるこれらに、現在では創造論や心霊研究、「水の記憶」をめぐる主張なども加わっている。では、正しい科学とは? 本書では、擬似科学をめぐる数世紀におよぶ論争を振り返り、科学の本質を考え直す。否認主義が拡大する今こそ読みたい1冊。

【おすすめ度☆】北村朋史, 田中佐代子, 若狭彰室, 藤澤巌, 森肇志編『国際法で世界がわかる 新版』岩波書店, 2025年

領土問題や戦争、海洋(領海)のような問題から、人権、環境、労働など社会的な分野まで、国際法がどのように関わっているかを概説する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
「国際ニュースの疑問から国際法を学べるユニークな入門書」として好評を博した初版を九年ぶりに改訂。今回はウクライナとガザでの戦闘、トランプ関税、ビジネスと人権など新たなテーマを取り上げ、背景にある国際法の問題を解説。楽しみながら国際法の基礎知識が身につき、激動の国際社会を見通す確かな視点が得られる本。



2026年2月26日木曜日

【おすすめ度☆】枝廣淳子『社会の価値の測り方』岩波新書, 2026年

LCA、地域産業連関表、廃棄物産業連関表など、地域分析のツールを紹介する本。社会的価値の「見える化」に過度にこだわると、「見えないもの」が無視されるようになるという弊害もあるが、それでも「見える化」の手法について知っておくことは意味がある。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
デジタル環境の急速な進歩により、実態の「見える化」のニーズが高まり、エビデンスに基づいた政策立案や実践が広がる。「幸せ」といった社会的価値の測定に関する方法論の進展も目覚ましい。社会の価値を支える環境、経済、社会の複雑な問題を漫然と放置せず、「見える化」する効能を伝え、新しい発見と実践へと誘う。



【おすすめ度●】鶴見太郎『シオニズム』岩波新書, 2025年

イスラエル、特に現在のネタニヤフ首相を含めて長期にわたってイスラエルでの首相を輩出してきた「リクード」党を指導してきた基本思想が「シオニズム」である。この本は、シオニズムの歴史と、現代のイスラエルでのシオニズムの役割について分析している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
パレスチナにユダヤ人の民族的拠点を作るという思想「シオニズム」。その起源と変遷を辿り、現代イスラエルの原動力を解明する。
 イスラエルはなぜ国際的に孤立してまで、パレスチナ人を徹底して攻撃するのか。パレスチナにユダヤ人の民族的拠点をつくるという思想・運動である「シオニズム」。ホロコースト以前に東欧で生まれ、建国後もイスラエルを駆動し続ける思想の起源と変遷を、国際社会とのかかわりの中で描く。現代世界を読み解くために必携の書。

2026年2月13日金曜日

【おすすめ度○】大江徹男, 坂内久『サスティナブル社会とエネルギー』日本経済評論社, 2025年

バイオガス発電を中心とした、再生可能エネルギーに関する研究。 原子力発電の問題点 再生可能エネルギーのポテンシャル バイオガス発電(酪農・農山村・都市部) 都市における地域熱供給と省エネルギー 輸送用燃料の削減とモーダルシフトなど

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地球温暖化や原子力発電のリスクを捉え、再生可能エネルギーの導入やバイオガスによる発電、都市における廃熱利用やモーダルシフトを通じた「サスティナブル社会」を構想する。




【おすすめ度○】矢作弘『社会主義都市ニューヨークの誕生』学芸出版社, 2026年

ニューヨークでの「社会主義者」マムダニ市長誕生の背景(過剰な富裕化=ジェントリフィケーションが引き起こした一般住民の生活困難) 「セレブな社会主義者」としてのマムダニ市長の紹介 アメリカの社会主義とDSA(Democratic Socialists of America)の歴史 他市におけるDSA系市長の取り組み(ミルウォーキーなど) 富裕層への課税強化によって富裕層が都市から逃げ出すか など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
社会主義市長マムダニ氏はなぜ選ばれたのか
グローバル資本主義の首都ニューヨークの市長に、急進左派の!?民主社会主義者、ゾーラン・マムダニ氏が就任へ!生活苦の労働者・若者の支持を集める背景や氏の人物像、家賃凍結/公共バスや子供保育の無償化/市所有スーパーマーケットの展開/富裕層・大企業増税等の政策を解剖し、他都市やワシントン政治への影響を展望。



2026年2月4日水曜日

【おすすめ度●】デロイトトーマツ紛争鉱物対応チーム『ここが知りたい 米国紛争鉱物規制 サプライヤー企業のための対策ガイド』日刊工業新聞社, 2013年

コンゴ民主共和国は豊富な鉱物資源に恵まれた国であるが、同時に紛争が多発し、重大な人権侵害が起きている国である(まさに豊富な地下資源の奪い合いが、紛争が発生する主要な原因になっている)。鉱物の採掘に関しても、労働者を奴隷のような劣悪な条件で働かせて利益を搾取することが問題視されている。このような人権侵害問題に対応するため、アメリカではコンゴ民主共和国をはじめとする人権侵害が深刻な国からの鉱物の輸入に規制をしている。本書は実務家によるアメリカの紛争鉱物規制のしくみの概説書である。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
コンゴなどの紛争地域で産出される紛争鉱物が国際問題となるなかで、それらを原料に用いた製品に情報開示を求める規制が米国で始まっている。米国上場企業と取引をする日本企業やそのサプライチェーンに連なる企業は、情報開示や外部監査などの対応を迫られる。知らなかったでは済まされない紛争鉱物規制の概要と企業対応をわかりやすくまとめた。

【おすすめ度●】今井照『自治体は何のためにあるのか <地域活性化>を問い直す』岩波新書, 2025年

福島県国見町の救急車リース事業などの具体的な事例を踏まえて、「地方分権改革」後に国による地方自治体の統制が逆に強化されて、国主導の「地域活性化」「地域創生」事業が地方に押し付けられている現実や、それ等の事業が引き起こしたコンサルタントの地方行政介入などのさまざまな問題を分析する本。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
地方自治の空洞化が加速している。「地方創生」の名のもとに、「稼ぐ」ための地域活性化を煽られ、コンサル会社による行政の“分捕り”や、国からの新たな統制が広がっている。人口の縮減、デジタル化の進展など、社会が大きく転換するいま、自治体の存在意義を根本から考える。市民が自治体を使いこなすために。



2026年1月13日火曜日

【おすすめ度●】山下一仁『環境と貿易 WTOと多国間環境協定の法と経済学』日本評論社, 2011

「環境と貿易」に関する経済的分析。ガット/WTOと多国間環境協定と環境問題の関連についても詳しい。良書だが専門的で簡単には理解できない。またやや古くなっているところもある。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
環境を改善しようとする動きと貿易自由推進の仕組みに生じた対立を、いかに解消するか。法と経済学の手法でアプローチする。


2026年1月12日月曜日

【おすすめ度○】野村総合研究所『カーボンニュートラルからネイチャーポジティブへ サステナビリティ経営の新機軸』中央経済社, 2024年

多数の実例を紹介しながら、「ネイチャーポジティブ」という新しい考え方に基づくサステナビリティ経営の新展開を解説する本。 内容:自然資本に関する諸概念 ネイチャーポジティブと他のサステナビリティテーマの関連 各国・各地域の政策等の動向(欧州、アメリカ、オーストラリア) 金融セクターの動向 事業会社の動向 求められる取り組み

紀伊國屋書店ウェブサイトから紹介を引用
自然資本・生物多様性にどう対応すべきか? 各国・地域の政策等の動向から国内外企業の取り組み事例までを紹介。1トピックを見開きで解説したビジネスパーソン必携の1冊。
なおこちらの著者による紹介も参考 → https://www.nri.com/content/900033287.pdf

【おすすめ度◎】久野秀二『アグリビジネスと遺伝子組換え作物』日本経済評論社, 2002年

古いが、政治経済学的な観点から遺伝子組み換えの問題を取り扱う良書 内容:理論的枠組みの検討 農業バイオテクノロジーの産業化の歴史 多国籍企業の農業バイオ戦略とその到達点 アメリカ合衆国におけるバイオテクノロジー政策の展開 農業バイオ政策の国際的整合化と対抗軸 農業者利益論の実際と開発者利益 途上国利益論の実際と国際研究機関の役割

出版社ウェブサイトから紹介を引用
GM食品の是非論を超えて、農業・食糧システムのグローバル化とバイオメジャー支配下の農業バイテクを、社会経済的側面から考察するとともに今後の展開方向を明らかにする。






2026年1月11日日曜日

【おすすめ度☆】片野田耕太『HPVワクチンのはなし ―効果は? リスクは? なぜ問題になったの? 素朴な疑問に答えます―』朝倉書店, 2025年

未解明の問題を残しながら、接種が再開されたHPVワクチンについて、問題の全体像を概説する本。内容:HPVワクチン問題の概要 HPVワクチンの効果とリスク HPVワクチン論争

出版社ウェブサイトから紹介を引用
HPVワクチン問題について,背景や経緯をできるだけ客観的に,医学・社会・政治的な側面を含めて解説.読者が自分なりに納得したうえで判断できることを目指し,信頼性の高い情報をわかりやすくまとめた1冊.〔内容〕HPVワクチンって?/どんな効果・リスクがあるの?/HPVワクチンをめぐる論争/なぜ問題がこじれるのか他

(「序」より)
 「HPVワクチン」,この言葉を聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。正式名称は「ヒト・パピローマウイルス・ワクチン」,かつては「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていました。「怖い」,「もめている」というイメージでしょうか。お子さんがいらっしゃる方で子どもに打たせようか迷っている,ご自身が接種するかどうか迷っているという方も多いでしょう。男性の中には自分とは関係ないと思っている方もいるでしょうか。医療者であれば,大事なワクチンなのに普及していないのをもどかしく思っている方が多いと思います。HPVワクチンをめぐっては,賛成,反対の双方からいろいろな情報が出回っていて,混乱している方も多いでしょう。本書は,HPVワクチンとは何か,どのような経緯で社会問題になったのか,なぜこんなにもこじれてしまったのかについて,できるだけ事実に基づいて解説したものです。
 まず序章の「HPVワクチン問題とは?」で,副反応疑い報道に端を発したこの問題の経緯について簡単に紹介します。次の第1章では,「HPVワクチンってどのようなワクチン?」と題して,HPVがどのようなウイルスで,どのような経路で感染し,どのような過程を経て子宮頸がんなどの病気になるのか,そしてHPVワクチンがどうやって効くのかについて,医学的な解説を中心にしています。やや理系寄りの説明で,社会問題としてのHPVワクチンとは直接関係はありませんが,HPVとHPVワクチンそのものの性質が論争の的となっていることがあるため,あえて最初にこの章を設けました。次の第2章「HPVワクチンにどのような効果があるの?」では,HPVワクチンのメリット,つまりHPVワクチンの予防効果について解説します。続く第3章「HPVワクチンにどのようなリスクがあるの?」では,HPVワクチンのデメリット,つまりHPVワクチンの副反応と考えられるリスクについて解説します。広く報道された「副反応疑い」についてはこの第3章で詳しく紹介しています。そして第4章「HPVワクチンをめぐる論争」では,HPVワクチンの行政,研究,裁判において繰り広げられてきた議論と論争について解説します。続く第5章「どうしてHPVワクチン問題はこじれるの?」では,HPVワクチン問題がなぜここまで泥沼化したかについて,新型コロナワクチンとの比較や社会的背景を含めて考察します。最後の第6章「HPVワクチンのこれから」では,HPVワクチン問題を踏まえて,社会としてワクチンとどう向き合っていくかについて考えます。
 なお,本書はHPVワクチンの効果について肯定する立場をとっています。安全性については,一定の副反応リスクがあることを認めつつも公衆衛生上のメリットがデメリットを上回るという立場をとっています。その上で,HPVワクチン問題をめぐるさまざまな出来事を可能な限り客観的に整理し,いろいろな観点から考察することを試みました。私自身は医師ではなく,医療資格を持っているわけではありません。がんの疫学(病気の原因を集団レベルで調べる学問)に約20年間携わってきた経験から本書を執筆し,HPVやワクチンの専門的な部分については執筆協力の江川長靖先生にご助言をいただきました。どの章から読んでいただいても理解ができるような構成になっていますが,医学的な問題と社会的な問題とがからみあっているのがHPVワクチンの特徴です。ぜひ最初の章からお読みになって,HPVとHPVワクチンの理解を深めてから複雑な社会問題へと進んでいただければと思います。

【おすすめ度☆】徳永達己, 武田晋一 編『これからのインフラ開発』弘文堂, 2021年

インフラ開発に関する教科書。インフラ開発に関心がある人は読んでみるとよい。 内容:持続可能なインフラ開発に向けて インフラの基礎知識 インフラの計画とデータ分析 都市計画・まちづくり 交通・ロジスティクス 防災 産業 農業 給水 インフラと人づくり インフラ開発の未来

SDGs、地方創生、Society5.0の視点から、未来のインフラのかたちを探る!
 世界中の人・モノ・情報の流れの高速化に伴い、インフラの再構築が求められる現在、質の高い日本の技術に再び注目が集まっています。また、少子高齢化を迎えた日本がコロナ禍の打撃から立ち直るためにも、老朽化したインフラの整備をはじめとした地方創生は急務です。
 日本が世界に誇る技術を網羅し、最新情報を整理した本書は、これからのインフラの可能性を示すとともに、日本経済復興への青写真となることでしょう。

【おすすめ度◎】橋本淳司『あなたの街の上下水道が危ない!』扶桑社新書, 2025年

現在の上下水道が抱える問題をコンパクトにまとめている良書。 内容:八潮市の陥没事故 水道管の寿命 高騰する水道料金 インフラ技術者の不足 水道民営化という幻想 水道の未来

出版社ウェブサイトから紹介を引用
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故。原因は老朽化した下水管の破損だった――。
この一件は、日本中どこでも起こり得る「水インフラ崩壊」の象徴であり、今まさに地下で進行している“静かな危機”の現れだと言えます。
 実は、全国の下水道管の総延長49万km(2022年度末)の2割が2032年には法定耐用年数を超え、2042年には、なんと4割が法定耐用年数を超える見込みだとされています。
 この数値はあくまでも現状のまま推移した場合。気候変動の影響で集中豪雨や台風が増え、下水道の負荷が増しており、老朽化や腐食は加速度的な勢いで早く進むと考えられているのです。
 本書では、こうした現実を、さまざまなデータをもとに検証。八潮で起きた事故は、決して他人事ではなく、自分の自治体・近所でもいつ起きても不思議ではないことなのです。
 その一方で、高騰を続ける水道料金。なぜここまで水道料金が上がり続けてしまうのでしょうか? 水道民営化をすれば解決するのでしょうか? 庶民の生活に密着する水道ですが、このあたりを詳しく説明し、民営化のメリットデメリットをフラットな視点から開設します。
 本書は、日本の上下水道インフラの老朽化が進む中で、見過ごされてきた課題を浮き彫りにし、維持管理体制の限界、人材不足、予算難、さらには水道民営化の問題点にまで踏み込み、国民一人ひとりが無関心ではいられない現実、さらには「ではどうすればいいか」という解決策を模索する一冊となっています。



2026年1月7日水曜日

【おすすめ度●】原田昇 監修『サステイナブル都市の輸出』学芸出版社, 2017年

日本からアジアの発展途上国に向けて、廃棄物処理、水資源、環境保全などの都市インフラの輸出がどのように行われているかが書かれている。やや内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
アジア発展途上諸都市へのインフラ輸出ビジネスが急成長中だ。既にシンガポールや韓国の進出が著しく、日本も開発援助で培った信頼関係、耐震・環境技術等、質の高いインフラ技術を活かした官民連携の整備が急務だ。北九州や横浜等の自治体及び民間の先進事例と共に、政府、行政、研究者、民間の各観点から現状と課題を総括

【おすすめ度○】永松俊雄『環境被害のガバナンス(新版)』成文堂, 2017年

著者は元熊本県庁職員。水俣病の被害者救済について、元県庁職員らしく具体的に書かれている。さらに、水俣病の経験を踏まえて、福島原発事故の被害者救済についても考察されている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
水俣病と福島第一原発事故について、丁寧な分析、解説がなされている研究者、行政職員、市民向けの好著。

本書はいくつかの素朴な疑問から出発している。
第1に、環境被害はなぜ繰り返されるのか、私たちは過去の教訓に何を学んできたのかという問である。
第2に、環境被害はなぜ解決に数十年という長い年月を要するのかという問である。水俣病などの公害事件の多くは今なお解決していない。
福島第一原発事故も同様の道を歩むと予想されているが、一体なぜそのようなことになるのだろうか。
第3に、不意に降りかかる環境被害に対して、私たち市民はどう対処すればよいかという問である。
過去の例を見ても福島第一原発事故を見ても、期待どおりに事は進まない。
私たちは市民として環境被害をどう理解し、どのような行動選択を行うべきなのだろうか。
これらの疑問に対して、筆者なりの答えを見出すことを試みた書である。

2025年12月22日月曜日

【おすすめ度●】西川芳昭『作物遺伝資源の農民参加型管理 経済開発から人間開発へ』農山漁村文化協会, 2002年

農民、NGOやNPO、公的機関が協力しながら遺伝資源(作物の趣旨)を守る方策について考察する良書。内戦後のルワンダでの農業の再生など切実な主題もある。良書だが古いのでおすすめ度●にした。 内容:遺伝資源と参加型開発をめぐる世界の現状 開発における作物遺伝資源 作物遺伝資源管理のシステムを担うNGO・NPO 作物遺伝資源管理における公的研究機関と農民の共同 ジーンバンクの役割 作物遺伝資源管理と技術協力のパラダイム転換

出版社ウェブサイトから紹介を引用
その多くが農民によって作出・継承されてきた作物遺伝資源は、持続的農業を行なっていくための最大の資産である。これを専門家だけの手にゆだねるのでなく、NPOや農民の参加を含む多様な利用・管理のあり方を提唱する。
 作物遺伝資源は持続的農業を行なうための最大の資産であるばかりでなく、緑の革命を実現させるための必要要因でもある。その多くは世界各地の農民によって、それぞれの環境の中でつくりだされ、継承されてきた。
 本書は、これを研究者・専門家だけの手にゆだねるのでなく、NGO、NPOや農民の参加を含む利用・管理の多様なあり方を探求・提言している。それは国際協力における「経済開発」至上主義から地元民の参加を通じて人々の能力を高める「人間開発」主義へという国際的潮流に沿っている。



【おすすめ度☆】東賢一, 水越厚史『事例で読み解く環境汚染と健康リスク』朝倉書店, 2025年

環境汚染の健康影響に関する教科書。科学的エビデンスや予防原則など、この問題を扱う基本的な方法論についても学べる。それと同時に、関連する社会制度についても開設されている。 内容:環境汚染と健康影響の基礎 日本の公害 各種環境汚染による健康影響 環境汚染の評価と対策 科学的エビデンス 予防原則

出版社ウェブサイトから紹介を引用
過去に起きた環境汚染の事例や施策をとりあげ,公衆衛生・予防医学の視点に立って,人々の健康を守るために必要な知識をまとめた1冊.医学・医療分野,環境分野の学生や実務者にお薦め.
世界保健機関(WHO)によると,2016年における世界の全死亡や疾病負荷の約4分の1は,環境リスクに起因すると推算されている。また,世界の疾病負荷研究において,環境および職業関連のリスク因子の占める割合は,2021年の世界の死亡数の約2割,全障害調整生存年の14.4%と推算されている。これらの推計は,環境が人の健康に多大な影響を及ぼしていることを示すと同時に,WHOのメッセージにあるように,環境を改善することで,人の健康を促進できることを示唆している。すなわち,環境汚染による健康リスクを低減する取組みは,人の健康に著しい貢献をする可能性を秘めている。
影響の大きさに加え,社会との関係性の観点から,環境を改善することの重要性と留意点について考える。社会は,豊かで便利な生活を実現するために環境を改変し,その変化が人の健康にさまざまな影響を及ぼしてきた。近年,新たな技術の開発やそれに伴う産業の発達により,社会は加速度を増しながら変化している。同時に,我々の生活を取り巻く環境も急激に変化し,人々の健康に多大な影響を及ぼしている。多くの変化はベネフィットだけではなくリスクを含む。環境に起因する健康リスクを低減することは,利便性を追求して加速する社会の持続性を担保するために必須であり,現代社会における責務といえる。また,環境や社会は,地域や集団としての分布をもつことから,健康影響は,脆弱性の高い地域や感受性の高い集団において,顕著に表れる。そのため,このような分布も考慮して環境を改善していく必要がある。
以上を踏まえ,本書では,環境汚染による健康リスクの低減を目標とし,そのための方法について学ぶ。本書の特徴は,公害や環境汚染などの具体的な事例を読み解いていく点にある。第3章の事例は,原因とその特徴,健康影響,施策といった共通の項目で解説されているため,異なる事例のなかにも通底する課題の構造や力学,対応について気づくことができるような構成となっている。これから取り組むべき環境汚染の課題についても,その構造や力学を類推し,どのように対応していけばよいか考察できるようになることがねらいである。なお,気候変動や新型コロナウイルス感染症はいわゆる環境汚染とは異なるが,類似した構造と力学があり,示唆に富む対応がなされてきたため,環境に起因する健康リスクの事例として本書に含めた。
本書のもう一つの特徴は,健康リスクを軸として議論している点である。健康リスクは,有害性とその確率を考慮した値であり,課題を客観的に表現し,ほかの多種の健康リスクあるいは異なる価値観との比較を可能にする。本書ではすべての事例において,健康リスクに関して,その考え方を適用できるかどうかも含めて言及した。また,事例の後の章では,この健康リスクを軸として,課題の発見から評価,健康リスクに基づいた対応,リスクの認知を考慮したリスクコミュニケーション,不確実性がある場合の予防的取組み(いわゆる予防原則の考え方)に至るまでの一連の流れを網羅的にまとめている。個々の事例を知ったのちに,共通する健康リスクの考え方を学ぶことで,事例を横断的な視点で眺め,理解を深め,より実践的な考え方を身につけることができる。
本書の構成について述べる。第1章「環境汚染と健康影響の基礎」では,本書の基礎となる学問分野の公衆衛生の考え方について解説し,予防医学や環境保健のアプローチを紹介することで,本書における重要項目を要約し,後の章への導入とした。第2章「日本の公害」では,環境汚染の理解の原点となる日本の公害の代表的な事例について,事実の紹介にとどまらず,なぜそうなったのかといった背景や経緯の考察も含めて,法規制や環境対策の現状に至るまでの流れを示す。第3章「各種環境汚染による健康影響」では,現在進行形で課題となっている環境汚染の事例を取り上げ,上述の通り,原因とその特徴,健康影響,施策といった構成で解説している。具体的には,微小粒子状物質等による大気汚染,放射線による環境汚染,アスベスト(石綿)による環境汚染,室内環境汚染,気候変動,食品と容器包装,新型コロナウイルス感染症,マイクロプラスチックによる環境汚染,工業ナノ材料によるヒト健康リスクについて紹介している。また,トピックとしてPFAS(有機フッ素化合物)についても取り上げている。第4章「環境汚染の評価と対策」では,環境汚染物質の有害性の評価と健康リスク評価の一連の流れと具体的な手法を紹介し,化学物質のリスク管理に基づく法規制について解説する。最後に,対策を実行するうえで必要になるリスク認知とリスクコミュニケーションについても詳説する。第5章「科学的エビデンス」では,本書の根幹をなす科学的エビデンスの質の評価方法や根拠に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)の実践法について述べる。第6章「予防原則」では,科学的な不確実さを有する問題にどのように対処すべきかの基本的な考え方となる予防原則について解説し,対応の遅れで健康被害が拡大した事例と早期に対応できた事例についてそれぞれ紹介する。なお,各項目はその分野を先導する研究者によって執筆されているため,最新の知見を含む専門性の高い考え方も学ぶことができる。またコラムでは,各著者による深い洞察から新たな視点を得ることもできる。
本書を手にとられているのは,主に,環境の改善や疾病の予防により人の健康や生活をより良くすることを目指している方々であろう。本書が,環境汚染による健康リスクの課題に取り組むための手引書となり,皆様の目標に向けた学びや業務に,実践的に役立つことを期待している。


【おすすめ度●】P.R.ムーニー『種子は誰のもの 地球の遺伝資源を考える』八坂書房, 1991年

国際開発行動連絡会議(ICDA)種子問題WG報告書。良書だが古いのでおすすめ度●にした。 内容:遺伝子の「富める国」と「貧しい国」 遺伝的浸食 遺伝子保存 緑の革命(展望と批判) 種子革命 新たな種子業者 品種規制法の意味 企業育種の偏向性 企業経験からの教訓など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
食糧供給への深刻な影響や第三世界への援助という名の破壊、利益に奔走する種子産業など、地球の遺伝資源をめぐる現状をつぶさに指摘しながら、人類共有の財産である種子の保全を訴える。

2025年12月16日火曜日

【おすすめ度○】ルース・ドフリース『食糧と人類』日本経済新聞出版社, 2016年

急増する世界人口を支える食糧増産技術、特に肥料と品種改良の歴史。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
人類の歴史は「食糧増産→土壌の悪化→ブレイクスルー→人口増→食料危機」の繰り返しだった。人類は再び危機を乗り超えられるのか。

○都市の夜景を彩るライト、地平線まで広がる穀物畑……空から眺めれば、人類の活動の痕跡は至るところにみられる。人間は生息数を何倍にも増やし、生息分布を拡大したという意味において、生物界における極端な成功例である。何十億人もの人々のための食料生産と住宅供給は、地球を変える巨大な力になっている。
 数万年前までは他の動物と同様に野生動植物の狩猟と採取にだけ頼っていた人類が、なぜ食料生産に成功し、爆発的に生息数を増やすことができたのか? 本書は、コロンビア大学教授でマッカーサー・フェローでもある著者が、人類が自然をコントロールし、食料生産を増やしていった過程を歴史的観点から描くもの。

○これまで人類は、大河の恵み、焼畑、鶏糞や屎尿など肥料の工夫、そして近代以降は種や品種の改良と化学肥料、農薬の発明によって、食料危機を何度となく乗り越えてきた。一方でこの100年の急激な食料増産は記録的なペースだった。その結果、人口急増、肉食の横行、土壌の疲弊、水不足、食料供給の不平等といった数々の問題が起きている。私たちはこうした難問をどう解決していくのか? 本書はSDGSの半分以上の項目に関係する内容であり、人類史レベルで持続可能な未来を考えていくうえで必須の本といえる。
(表紙画像は文庫版のもの)


2025年12月6日土曜日

【おすすめ度●】馬場朝子, 尾松亮『原発事故 国家はどう責任を負ったか』東洋書店新社, 2016年

チェルノブイリ原発事故の被害者を救済するための「チェルノブイリ法」の解説と、運用実態のルポルタージュ。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
チェルノブイリ原発事故被災地で、被害補償や健康診断の実施を定め、被災者の生活を守り続けている「チェルノブイリ法」。
この法律を作った政治家たちの理念と、被災地の人びとの声を聞き、この法律の価値を考える。そこには今の日本にはない、人の命と生活を守る高い理想と強い意志がある。
被災者支援について、責任感と当事者意識に欠ける日本政府のあり方に、一石を投じる書。




【おすすめ度●】梶谷懐, 高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK出版新書, 2019年

中国では、IT技術やプラットフォームが急速に発展し、それを応用して各種の「信用スコア」によって国民を評価・監視するシステムが構築されつつある。この現象を思想の面から理解しようとしているが、そのような考察が成功しているかどうかはよくわからない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
習近平体制下で、人々が政府・大企業へと個人情報・行動記録を自ら提供するなど、AI・アルゴリズムを用いた統治が進む「幸福な監視国家」への道をひた走っているかに見える中国。
セサミ・クレジットから新疆ウイグル問題まで、果たしていま何が起きているのか!?
気鋭の経済学者とジャーナリストが多角的に掘り下げる!


2025年12月4日木曜日

【おすすめ度○】本堂毅, 平田光司, 尾内隆之, 中島貴子編『科学の不定性と社会』信山社, 2017年

現実におきている問題(主に法的問題)と科学の関係を検討する良書。 内容:ルンバール事件と科学 科学と防災(地震予知) 医学的診断の社会性(「メタボ」はいかにして作り出されたか) 犯罪捜査と科学 科学と裁判 家族概念の科学と民法 科学の不定性とは何か 理科教育における科学の不定性 東北大学での科学教養教育 法教育における科学リテラシー 科学の不定性と市民参加など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
私たちは科学的な専門知とどのように向き合っていけばいいのでしょうか?幅広い分野から、信頼の著者が集った科学リテラシー入門。

科学は頼りになりますが、なんでも解決してくれるわけではありません。ときどき暴走もしてそうです。

現代社会の安定と繁栄の根底に,「科学に関する専門知」が重要な役割を果たしてきたこと,いることに疑う余地はありません.しかしながら,「3.11」後の現在,そのあり方や用いられ方に対し様々な批判や疑問の目が向けられていることも,また確かです.では,これから先,私たちは科学的な専門知とどのように向き合ってゆけばよいのでしょうか.これは現代社会が直面する大きな課題です.本書は,この課題に「科学の多様な不定性と意思決定」という観点からアプローチします.