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このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...

2023年4月6日木曜日

【おすすめ度☆】雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』フォレスト出版, 2021年

極端かつ非合理的なトランプ支持で注目されたアメリカの「Qアノン」をはじめとする、現在蔓延している陰謀論やスピリチュアルの見取り図を提供してくれる本。農工大の学生には環境保護に関心を持つ人が多いですが、環境保護も合理的・科学的に考えないとカルト的な陰謀論やスピリチュアルになりかねないことがわかる(ここでいう「科学」には社会科学も含まれます)。
この本では、「オウム真理教」と「幸福の科学」は実名を表示して取り上げられているが、統一教会をはじめとする他のカルト的宗教はほとんど取り上げられていない。つまり、この本で取り上げられていないからといって、それが安全・健全だということは全くないことには注意が必要。 主な内容:カウンターカルチャーとニューエイジ 自己啓発とマルチ商法 精神世界とスピリチュアル スピリチュアルと陰謀論 我々の日常に侵食してきた陰謀論

出版社ページより紹介を引用
アロマとQアノン 点と点を繋ぐ線とは――?
新型コロナウイルスによる世界的パンデミック、トランプ政権の終焉、中国の台頭……など、世界と社会が劇的に変化している今、日本でもQアノンなどの陰謀論がにわかに広がりを見せ、社会問題にまで発展している。
たとえば、「コロナウイルスワクチンはビル・ゲイツによる人口削減計画の一環」など、荒唐無稽な主張をする著名人もいる。バカらしいと感じる人がほとんどだろうが、実はこうした陰謀論に陥る落とし穴は、我々の身近にたくさん存在していることに自覚的な人は少ない。「チャネリング」「ホメオパシー」といった言葉が、怪しい世界と関連性があることは、なんとなく想像できるだろう。
しかし、「スティーブ・ジョブズ」「オーガニック」「アロマ」「量子力学」「ボードゲーム」という人名や一般名詞が、誰かを闇落ちさせる入り口の言葉になる可能性があるとは、想像がつかないのではないだろうか。事実、「癒し」や「自然」を掲げるスピリチュアルには安全なイメージを持つ人は多いが、米国ではヨガやスピリチュアルのインフルエンサーがSNSに陰謀論を投稿し、Qアノンの入り口となっていたことが指摘されている。
本書では、こうした何食わぬ顔をして点々と存在している「言葉」が、ある補助線を引くことによって、一つのミステリアスな奔流につながることを、歴史と膨大な文献を用いて突き止め、自身や身近な人を守るために、その危険性について警鐘を鳴らす。

あなたはこの事実を知っていたか?
◎「マクロビオティック」は日本人が生み出したもので、栄養学ではなく東洋思想が基盤。
◎「マーフィー」を日本に紹介した人物は「催眠商法の教祖」「マルチ商法の教祖」と呼ばれていた。
◎「シュタイナー教育」を創始したシュタイナーの原点は、ユダヤ陰謀論のキッカケをつくった神智学(後に脱退し、人智学を立ち上げる)。
◎『水からの伝言』の作者は、その理論を「ポエムであって科学ではない」と認めている。
◎「カイロプラクティック」はスピリチュアリズムを信仰していた開発者が、異世界からのメッセージを受け取って生まれた。
◎「スティーブ・ジョブズ」は民間療法に頼ったことを後悔していた。
◎石原慎太郎は「ネッシー」を探していた。
◎アメリカの議会議事堂を襲撃して逮捕されたQアノンシャーマンは、「オーガニック食品」しか受けつけない自然派マッチョだった。
…etc.


2023年3月26日日曜日

【おすすめ度●】アンドリュー・J・ロッター『原爆の世界史』ミネルヴァ書房, 2022年

原爆開発の歴史がくわしい。ただしかなり専門的な本で、学部生が読みこなすことは難しい。

出版社ページより紹介を引用
19世紀の黎明期から戦争を経て、今日の核保有へと至る道筋を膨大な先行研究を咀嚼し、明快に叙述する。
広島・長崎への原爆投下は、いかにしてなされ、その後の世界にどのような影響を及ぼしたのか。本書は、膨大な先行研究を咀嚼したうえで、原爆投下を広い時間的・空間的枠組みのもと、世界史の文脈の中に位置づける。一九世紀の黎明期以来、各国で核物理学の研究が進み、毒ガス攻撃や空爆など新たな戦争の手段が登場する中で、各国政府・軍部と科学者たちはいかに行動したか。核兵器の開発・製造・使用・保有のグローバルな歴史を俯瞰する。
《原著》Andrew J. Rotter, Hiroshima: The World’s Bomb (Oxford University Press, 2008)

[ここがポイント]
◎ 原爆の開発前夜から戦争を経て、今日の核保有へと至る歴史を膨大な先行研究を咀嚼し、明快に叙述。
◎ 米国外交史の泰斗が世界史的視野から論じた名著、待望の邦訳。


【おすすめ度○】ジョン・S・トレゴニング『ウイルスvsヒト』文響社, 2022年

感染症対策の総論的な本 内容:微生物学の歴史 免疫学 疫学 診断法 予防法 ワクチン 抗生物質 抗ウイルス薬 抗真菌薬 抗寄生虫薬 毒とデマ 感染症対策の未来など

出版社ページより紹介を引用
内容紹介
人類がコロナに打ち勝てるこれだけの理由!
人類は見えない敵(病原体)に直面するたびに、知恵を絞って対処してきた。逆境に直面するたびに、それを乗り越えてきた人間はこの未曽有の危機にもきっと対応できることだろう。読めば未来への希望が湧いてくる、科学誌Natureの人気コラムニストが語った、ヒトと病原菌との果てしない闘争の歴史。

著者について
リサーチ・サイエンティスト。ウイルスやバクテリアによる感染症、また、病原菌への免疫作用などを研究対象にしている。COVID-19パンデミックの際には雑誌『ネイチャー』に定期的にコラムを掲載。現在はロンドンインペリアルカレッジで感染症に関する研究グループを運営している。




【おすすめ度◎】内田聖子 編著『日本の水道をどうする』コモンズ, 2019年

世界の水道民営化の問題点を解明し、公共のあり方を探る良書 内容:世界の水道民営化の30年 公共サービスの再公営化が世界のトレンド 世界に逆行する日本の水道法改正&PFI法 公共の水をどう維持し発展させるか 各地の取り組み

出版社ページより紹介を引用
2018年12月に水道法が改正され、民営化が進められようとしている。
一方ヨーロッパ諸国は民営化の誤りに気づき、再公営化がトレンドだ。
PFI法改正を含めて世界と逆行する日本の政策をわかりやすく解説し、自治体行政の最新の動向を紹介。
いのちを支える水をどうしていけばよいのかを考える。


 

2023年3月21日火曜日

【おすすめ度◎】畝山智香子『食品添加物はなぜ嫌われるのか』化学同人, 2020年


グローバル化(食品の国際貿易)が拡大する中での、食品添加物をはじめとする具体的ケースを対象とした、食品安全に関する科学的考察と法制度(安全基準や食品表示制度)を考察する良書。 内容:終わらない食品添加物論争 減塩と超加工食品 オーガニックの罠 新しい北欧食に学ぶ 国際基準との軋轢 食品表示と食品偽装 プロバイオティクスの栄枯盛衰 食品安全はみんなの仕事

出版社ページより紹介を引用
すべての人に適切な情報を.印象やイメージ惑わされず判断するためのポイントを解説する.
●根強く残る食品添加物悪玉論
●まことしやかにささやかれる超加工食品の危険性
●オーガニックの安全神話で見過ごされる問題点
●注目を集める新しい北欧食の落とし穴
●日本で独自に発展した食品表示制度の功罪
ゼロリスク幻想を越えて改めて考える,ほんとうの「食の安全」

巷にあふれる食をめぐるさまざまな情報. 〇〇は身体によいらしい,ダイエットには△△を摂るとよい, ×× には発がん性がある……. 信頼に足る情報はどう見極めたらよいのか. さらに,グローバル化が進展する世界で,食の安全をめぐる問題も,自国だけの問題に留まらなくなっている.「すべての人に適切な情報を」届けるべく,世界の食品安全情報をサーベイし発信し続ける著者が, 近年話題になったさまざまな問題を取り上げ,印象やイメージに惑わされることなく,科学的知見に基づいて適切に判断するためのポイントをわかりやすく解説する.


2023年3月19日日曜日

【おすすめ度☆】畝山智香子『「健康食品」のことがよくわかる本』日本評論社, 2016年

食品や医薬品の安全規制について、基本的な仕組みがわかる本。当時新設された「機能性食品」の制度についても検討している。 内容:医薬品の安全規制 食品が安全であるとは 食品と医薬品の間 いわゆる健康食品による健康被害の例 食品の機能表示とはどういうものか

出版社ページより紹介を引用
従来の特定保健用食品(トクホ)と異なる機能性表示食品が登場した。巷に氾濫する「いわゆる健康食品」とともに、その真実を暴く。



【おすすめ度○】緒方義広『韓国という鏡』高文研, 2023年

韓国社会に関するエッセイ的な文集。著者は長期間韓国に在住して、ソウルの弘益大学で日本語や日本社会論を教えていた人だが、歴史や法律の専門家ではなく、間違えている点も見られる(一例を挙げれば、尹錫悦大統領を「尹錫烈」と繰り返し誤記している)。しかし、韓国について全く予備知識がない人にとっては、専門的になりすぎないこの本の方が読みやすいかもしれない。 内容:韓国という国の日常 韓国における歴史認識問題 苦悩する韓国社会 韓国という国のかたち

出版社ページより紹介を引用
韓国へのまなざしが日本を照射する。初めての留学から25年、韓国の市民社会を身近に観察し体験してきた一学徒による現代韓国論
日本と韓国の関係は、1965年の「国交正常化」以降、最悪と言われている。
その葛藤・摩擦の背景にあるものはなにか?
著者は約19年間、韓国で暮らし、日韓関係・異文化理解を専門とする研究者である。
著者が最も危機感を覚えているのは、「韓国は反日国家である」といったような、いまの日本社会に蔓延している偏見・先入観である。
その日本社会の偏見・先入観について、著者は次のように述べている。

《日本では、「韓国は反日国家である」といった決めつけや、韓国は「無責任」だの「感情的」だといった、それこそ無責任で感情的な「韓国論」もどきのヘイトスピーチが書籍になっている。書籍だけでなくテレビには、日本の社会通念では理解しづらい韓国社会の様子を「反日」の一言で明瞭に解説したかのような顔をする「専門家」が登場しているのをよく見かける。日本を基準にすれば、外国である韓国の文化に違和感を覚えることがあるのは当然のことだ。しかし、それらをすべて「反日」の一言で片づけてしまうのは正しい理解とは言えない。少なくとも韓国社会を一括りにして「反日」と捉えてしまうことは、単なる異文化理解の放棄ではないだろうか。いまの日本社会には、「嫌韓」ではないという体面を保ちながらも、韓国社会の問題点を「反日」と決めつけ批判し蔑むような言説が氾濫し容認されている。そもそも韓国社会が「反日」に支配されているという問題意識自体が、偏った情報に基づく間違った解釈である》

《近年では韓国でも「嫌韓」という表現が随分と知れ渡っている。日本における「嫌韓ブーム」の異様さを韓国メディアが伝えるようになったからだ。韓国には「嫌日本」も「反日本」もほぼ見当たらない。日本を侮辱するような本が売れるような社会的風潮は、少なくともいまは市民権をほぼ失ったと言える。むしろ「『反日』は間違っている」と主張する『反日種族主義』(李栄薫ほか、2019年)などという本がベストセラーになるほどだ。この本は歴史学の専門家たちから歴史認識に大きな問題があるとされ、韓国社会では「問題の書」として話題になった。……日本に寛容な態度を示すことがむしろ広く受け入れられるような土壌もあるということが分かる》

著者は自らの韓国体験をベースに、韓国の人々の政治・経済に対する考え方、若い世代の価値観などを紹介しながら、日本社会の韓国理解の限界を超えるために本書を執筆した。

2023年3月18日土曜日

【おすすめ度☆】島薗進編『政治と宗教』岩波新書, 2023年

【注意】2023年7月時点で、統一教会について知りたいのであれば、この本より櫻井義秀『統一教会』中公新書, 2023年の方がいいです。

統一教会の問題を中心にして、創価学会やフランス・アメリカの状況についても言及している。この問題の手ごろな入門書。内容:統一教会による被害とそれを生んだ要因 統一教会と政府・自民党の癒着 自公連立政権と創価学会 フランスのライシテとセクト規制 アメリカにおける政教分離国家と宗教的市民 統一教会問題と公共空間の危機

出版社ページより紹介を引用
統一教会問題と危機に直面する公共空間
「政治と宗教」の問題をめぐる緊急出版。国際的視野からの比較も含めて、公共空間の危機を捉え直す。
元首相銃殺事件と「国葬」が呼び起こした「政治と宗教」の問題をめぐっての緊急出版。統一教会と政治家の協力関係の歴史、右派的主張をもつ宗教勢力の影響力増大、創価学会の変遷と自公連立政権の誕生、フランスのライシテとカルト規制、アメリカの政治と宗教右派など、公共空間が直面している現在の危機を多角的に考察する。

※実は、統一教会に協力している大学教員はたくさんいるのだが、この本では、大学教員と統一強化の関連については全く触れられていない。CiNii(国立情報学研究所学術情報ナビゲータ[サイニィ])で、統一教会関連断端が出している雑誌を検索すれば、統一教会に協力しているかどうかを(ある程度)判断できる。

○統一教会関連団体が発行している雑誌
・勝共連合→『世界思想:平和大使運動を推進するオピニオン情報誌』 ※「世界思想」は、世界思想社が発行している統一教会とは無関係の雑誌もある
・平和政策研究所→『世界平和研究』
・世界日報社→『世界日報』(新聞)、『Viewpoint』

例えば、私の名前と「世界平和研究」をキーワードにして検索すると、(当然ですが)結果:0件になります。









2023年3月17日金曜日

【おすすめ度☆】日本エネルギー学会編『廃プラスチックの現在と未来』コロナ社, 2023年

プラスチック問題の全体像が分かる本。プラスチック問題に本格的に取り組んでみたいと思う持った人は、最初にこの本を読むといいのではないか。 内容:廃プラスチックに関わる諸問題 プラスチックのマテリアルフロー 廃プラスチックに関わる国内外の動向 廃プラスチックのリサイクル技術 次世代プラスチックの開発動向 プラスチックリサイクルとLCA

出版社ページより紹介を引用
プラスチックは透明性や耐水性が高く,軽量で様々な形に加工でき,丈夫で腐食しないといった優れた特性を持つ素材であるため,様々な分野で使用され,私たちの生活に不可欠なものとなっている。一方で,耐久性・分離困難性があるにも関わらず,種類によっては安価であるため,短期間で使い捨てられ,大量の廃棄物となり多くの環境問題を引き起こしてきた。さらに,海洋プラスチックごみ問題がグローバルな環境問題として注目されており,これを受け,プラスチック資源循環問題に拡大するとともに日本の政策重点がシフトしている。
 本書は,近年世界的に注目される廃プラスチック問題について,国内外で具体的にどのような問題が生じているのか,またそれらに対してどのような取り組みがなされているのかを,資源循環社会,法制度,技術的対応といった観点からまとめ,科学的な根拠とともに紹介する。
 本書が廃プラスチック問題の現状を正しく理解し,将来にわたり私たちがプラスチックを賢く利用していくための一助となれば幸いである。
【読者対象】
廃プラスチック問題に関わる研究者・技術者,NPO等市民団体や行政の担当者

【おすすめ度☆】中山哲夫『歴史から読み解くワクチンのはなし』朝倉書店, 2023年

ワクチンについて一通りの基礎知識が得られる。 内容:ワクチンの基礎知識 ワクチンの歴史 現在日本で使用されているワクチンの説明 ワクチンの開発

出版社ページより紹介を引用
私たちの命と健康を守るために欠かせないワクチンについて,ウイルス学の専門家がわかりやすく解説。


2023年3月16日木曜日

【おすすめ度●】三宅勝久『絶望の自衛隊』花伝社, 2022年

自衛隊内で横行するセクハラ、いじめ、自殺、パワハラ、過労などのルポルタージュ。および自衛隊艦が釣り船に衝突した「おおすみ事故」の記録

出版社ページより紹介を引用
隠蔽と捏造の陰で横行する暴力、性犯罪、いじめ。そして自殺……
理不尽に満ちた巨大組織・自衛隊から、苦しむ者たちの声が聞こえるか?
災害救助を通じて国民の期待と親近感が高まる一方で、悪しき“伝統”と不条理がはびこる旧態依然の25万人組織、自衛隊──。
ついに立ち上がった隊員たち、その渾身の告発を私たちはどう受け止めるべきか?
自衛隊の腐敗を追って20年、第一人者がとらえ続けた現場の闇に迫る


【おすすめ度●】藤川眞之・福田健一郎『いちからわかる 下水道事業の実務』ぎょうせい, 2022年

下水道事業について制度的仕組みが一通りわかる本。下水道に関心がある人だけでなく、それと密接な関係がある水道や水資源の問題に関心がある人も読んでおくとよい。 内容:下水道の概要 関連法規 下水道事業の経営手法(経費、財源、広域化、民間委託と民営化) 下水道事業の管理運営

出版社ページより紹介を引用
下水道事業の基礎から実務が1冊でわかる入門書!
●本書は、下水道事業担当者が実務に取り掛かるにあたって欠かせない知識をわかりやすく解説するものです
●法律、経営、管理運営の視点から解説しています。
●下水道のしくみ、用語や法律などの基礎知識から学ぶことができます。経営に当たって必要な財源等の知識、下水道管理にかかわる設備や制度等の実務にかかわる知識については、図表を用いながら整理・解説しています。
●はじめて下水道事業に携わる方にも理解しやすい!担当者必携の1冊です。




2023年3月12日日曜日

【おすすめ度○】ゴードン・バインダー『世界最高のバイオテク企業』日経BP, 2015年

元アムジェンCEOの回顧録。回顧録なので基本的には自慢話だが、科学者ではなく経営者の立場から先端科学ビジネスを見るとこう見えるという興味深い内容。 内容:アムジェンのスタートアップ 株式公開 最初の製品(EPO) 科学とビジネス ビジネスにおける倫理など

出版社ページより紹介を引用
圧倒的な経営力!
研究開発型企業が取り入れるべき、生きた事例
画期的新薬を生み続ける、アムジェン流イノベーション経営
世界中の難病患者を救うブロックバスター(超大型医薬品)を次々と生み出している、アムジェン(Amgen)社。
社員3名からスター卜したベンチャーは、エポジェン、ニューポジェン、エンブレルなどの市場導入とともに、今や年間売上高2兆円を超える世界最高のバイオテクノロジー企業に成長した。
アムジェンは、今でもユニークな企業だ。研究開発に会社の将来を先導させる意思決定をはじめ、多くの企業とは異なるスタイルをもつ。製品開発の方向性を決める「科学」に根ざしたアムジェン流イノベーション経営の要を、元CEOのゴードン・バインダー氏がアドバイスする。

アムジェンの価値観
◆科学に基づけ  ◆激しく競争し勝て  ◆患者、社員、株主のために価値を創造せよ
◆チームで働け  ◆協力し、理解しあい、合意を形成せよ  ◆お互いに信頼し、尊敬せよ
◆品質を確保せよ ◆倫理的であれ

この価値観から、最重要の原則が生まれた
● 社員は、間違う自由を持たなければならない
● 管理職の主な仕事は、部下を助けること。上司の手伝いは、部下の主要な仕事ではない
● 当事者がその仕事の計画を立てるべき
● すべての規則、指針、手続きには、例外がある
● 楽しめ



2023年2月26日日曜日

【おすすめ度○】橋迫瑞穂『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』集英社新書, 2021年

内容:妊娠・出産のスピリチュアリティとは何か 「子宮系」とそのゆくえ 「胎内記憶」と胎教 「自然なお産」のスピリチュアリティ 女性・自然・フェミニズム など

出版社ページより紹介を引用
フェミニズムの「落とし物」がここにある――。
今世紀に入り、日本社会で大きく膨れ上がった「スピリチュアル市場」。
特に近年は「子宮系」「胎内記憶」「自然なお産」に代表されるような妊娠・出産をめぐるコンテンツによって、女性とスピリチュアリティとの関係性はより強固なものとなっていった。
しかし、こうしたスピリチュアリティは容易に保守的な家族観と結びつき、ナショナリズムとも親和性が高い。
本書は、この社会において「母」たる女性が抱く不安とスピリチュアリティとの危うい関係について、その構造を解明する。



【おすすめ度●】文京洙『文在寅時代の韓国』岩波新書, 2020年

この本を読むと、日本のマスコミの文在寅政権に関する報道がいかにデタラメだったのかが分かる。文在寅政権を生み出した韓国市民社会のパワーには学ぶべき点がある。 内容:文在寅政権の概要 朴槿恵政権とセウォル号事故 トランプ政権の朝鮮半島政策 検察改革の失敗 文在寅政権のコロナ対応など。

出版社ページより紹介を引用
盧武鉉元大統領の衝撃的な死とセウォル号の惨事という二つの悲劇から生まれた文在寅政権。公正と正義の実現を追求し「積弊の清算」を掲げた変革の道は、国内外で激しい毀誉褒貶と軋轢を生んでいる。妥協を知らない民主主義への希求は、韓国をどこへ導くのか。誤解と歪曲に満ちた韓国理解を塗り替え、リアルな姿を伝える。


【おすすめ度●】河合弘之・海渡雄一・木村結『東電役員に13兆円の支払いを命ず!』旬報社, 2022年

勝俣恒久・東京電力元会長らに13兆円余りの損害賠償を命じた東京電力株主代表訴訟の原告による解説。かなり予備知識が必要な本だが、株主代表訴訟の仕組みと実態がよくわかる。2002年の地震調査研究推進本部(推本)の「長期評価」で福島第一原発に大津波の危険性があることが指摘されていたにもかかわらず、東京電力が津波対策を怠ったことなどが明らかにされている。13兆円の賠償額の内訳は①廃炉と汚染水対策にかかった費用1兆6150億円、②被災者に対する曽なぎ賠償として支払った費用7兆0834億円、③除染・中間貯蔵対策に要した費用4兆6226億円を合計した13兆3210億円。
なお、著者の一人である河合弘之弁護士は、熱海の土石流事件を扱った『残土の闇』では、土石流の原因となった土地所有者の顧問弁護士として登場する。河合弁護士はそういう「際どい案件」を扱う弁護士でもある。

出版社ページより紹介を引用
福島第一原発事故は防ぐことが可能であった!
原発事業者としての義務を怠った東電役員を断罪した歴史的判決はどのようにして勝ち取ることができたのか。
弁護団による迫真のドキュメント。

 「被告らの判断及び対応は、当時の東京電力の内部では、いわば当たり前で合理的ともいい得るような行動であったのかもしれないが、原子力事業者及びその取締役として、本件事故の前後で変わることなく求められている安全意識や責任感が、根本的に欠如していたものといわざるを得ない。」(判決文より)

◆「はしがき」より
 東電役員に13兆円3210億円の損害倍書を命じた判決は、あらためて、福島原発事故がいかに大きな被害をもたらしたかを、明らかにしました。そして、東電の旧経営陣がきちんとした津波対策を取っていればこの事故を防ぐことができたこと、東電の役員には根本的な安全意識が欠落していたことを判決は厳しく指弾しています。
 また、判決は、原発事故はひとたび起きると「地域の社会的・経済的コミュニティの崩壊ないし喪失を生じさせ、ひいては我が国そのものの崩壊にもつながりかねないものである」とまで述べています。つまり、この判決は、福島原発事故が、とんでもない役員の不注意によって発生した人災であり、まかり間違えば国そのものの崩壊につながりかねないものだったことを明らかにしたものなのです。
 私たちは、この判決が事実の認定においても、法律的な論理においても、正当なものであると考えています。本書の出版は、このような素晴らしい判決が、どのような裁判、どのような証拠調べの結果として言い渡されたのかを明らかにし、この判決を東京高裁でも、最高裁でも維持されることを願い、多くの市民の皆さんからの理解を得たいと考え、企画されました。


【おすすめ度○】ユージェニー・C・スコット『聖書と科学のカルチャー・ウォー』東信堂, 2017年

キリスト教の聖書に書かれた天地創造の物語と、科学的な生物進化論の間には大きな差異がある。キリスト教徒が少ない(人口の1%以下とされる)日本では想像しづらいことだが、キリスト教徒が多いアメリカでは、熱心なキリスト教信者から進化論に対する攻撃が行われ、地域によっては学校で進化論を教えることが禁止されているところもある。この本は、「創造科学」や「インテリジェント・デザイン」などのキリスト教の影響を受けた非科学的な説と、科学的な進化論の間でどのような論争が行われているかを描いている。(なお、全てのキリスト教徒が進化論を否定しているわけではない。)

出版社ページより紹介を引用
「神か、科学か」それとも「神も、科学も」か―。
アメリカ社会では人類生誕の起源をめぐる「創造vs生物進化」論争が延々と続いている。創造論と生物進化論の歴史はそれぞれ過去数百年に渡り、その時間はまた対立の歴史でもある。ダーウィンが与えた衝撃、二〇世紀初頭のスコープス裁判、一九六〇年代教科書における生物進化論の復活から今日のネオ創造論までを含んだ、種の起源をめぐる創造論と生物進化論の果てなき論争に関する包括的概説書。



2023年2月24日金曜日

【おすすめ度●】渡辺丘『ルポ アメリカの核戦力』岩波新書, 2022年

アメリカ核戦略の3本柱(ICBM、戦略爆撃機、原子力潜水艦)の現場のルポルタージュと、オバマ・トランプ・バイデン政権の核戦略に関するインタビュー。ルポルタージュなので読みやすく、この本を通じてアメリカの核戦略について初歩的な知識を身に着けることができる。アメリカ核兵器開発の歴史と「アメリカのヒバクシャ」(アメリカ国内での核兵器開発による放射能被害)についても書かれている。
いままで極秘だったICBM基地内部の取材(内部の写真も掲載されている!)や重要人物へのインタビューは貴重。

出版社ページより紹介を引用
冷戦終結後も核抑止の論理にこだわり続けるのはなぜか。核兵器はどのように「運用」され、どんな課題を抱えているのかーー。長く秘密のベールに包まれてきた核戦力の最前線を訪ね、歴代政府高官や軍関係者など多数のキーマンへの単独インタビューを交えて、「核兵器の近代化」を進める世界最強の核超大国の今を報告する。


【おすすめ度○】静岡新聞社編『残土の闇 警告・伊豆山』静岡新聞社, 2022年

熱海土石流事件について、違法な残土がなぜ放置されたのか、行政の対応や法律・条例の問題点をひととおり取材している。同和の問題にも触れられているが、掘り下げられてはいない。マスコミの責任は全く触れられていない。マスコミがこの問題に気が付いて、事前に追及していたら、防ぐことができたのではないだろうか?
なお、私がこの本で一番驚いたのは、現在の土地所有者の顧問弁護士が、反原発運動で著名な河合弘之氏であること。もちろん河合弁護士がどういう人なのかは知っていたけど、こんなところに出てくるとは。

【「TRC MARC」の商品解説】2021年7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川で発生し死者27人、行方不明1人を出した大規模土石流災害は、工事の残土による「盛り土」の崩壊がもたらした「人災」だった。被災した住民は「盛り土」の存在をほとんど知らず、一夜にして日常を奪われた。背景にあったのは悪質な残土ビジネス。行政の対応にも問題があった。全国各地には同様の危険な「盛り土」が存在する。この悲劇を二度と繰り返さないために真相を究明し、浮き彫りになった課題や教訓を防災に生かさなければならない。静岡新聞社が総力を挙げて土砂災害を取材、2022年度新聞協会賞を受賞した長期新聞連載を書籍化した。

この本の元になった静岡新聞の連載記事
「静岡新聞社のキャンペーン連載「残土の闇 警告・伊豆山」は、2021年7月3日に熱海市伊豆山で発生した大規模土石流災害に関し、歴史ある信仰の地だった伊豆山に土砂が盛られていった経緯や土地所有者の業者と行政の〝攻防〟、土石流を目の当たりにした発災当日の住民や行政の動き、犠牲者遺族の苦しみ、復興を目指す被災者らの取り組みなどを全36回の連載で追いました。」


2023年2月14日火曜日

【おすすめ度○】詫摩佳代『人類と病』中公新書, 2020年

国際政治の観点からから見る感染症と健康格差の問題を分析している。感染症の問題が、科学的な面だけでなく、政治・経済と密接に関係していることがわかる。 内容:感染症との戦い(ペストとコレラ) 世界大戦と感染症 第2次世界大戦における薬の活躍 国際保健協力 感染症「根絶」の取り組み(天然痘、ポリオ、マラリア) 新たな脅威と国際協力の変容(エイズ、エボラ、新型コロナ) 生活習慣病対策の難しさ 禁煙条約とたばこ規制 糖分摂取規制 医薬品アクセスを巡る問題 顧みられない熱帯病

出版社ページより紹介を引用
人類の歴史は病との闘いだ。ペストやコレラの被害を教訓として、天然痘を根絶し、ポリオを抑え込めたのは、20世紀の医療の進歩と国際協力による。しかしマラリアはなお蔓延し、エイズ、エボラ出血熱、新型コロナウイルスなど、新たな感染症が次々と襲いかかる。他方、現代社会では、喫煙や糖分のとりすぎによる生活習慣病も課題だ。医療をめぐる格差も深刻である。国際社会の苦闘をたどり、いかに病と闘うべきかを論じる。
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/04/102590.html



【おすすめ度○】ピーター・シュライバー『BAD DATA 統計データの落とし穴』ニュートンプレス, 2021年

不適切な統計利用がどのような問題を引き起こすか、実例をもとにして説明する良書。日本でも誤った統計利用によって不適切な結論を導いていることは頻繁に見かけるので、改めて統計利用のあるべき姿を考えてほしい。 内容:誤った統計指標による評価の弊害 アトランタ成績改竄スキャンダル ベトナム戦争におけるデータの誤用の弊害 「割れ窓理論」とニューヨーク犯罪統計偏重の弊害 誤ったデータによる評価が人間心理(モチベーション)に及ぼす悪影響

出版社ページより紹介を引用
 今日あらゆる組織に深く浸透している「測れなければ,管理できない」という理念は,真実でしょうか? 業績を数値化することに固執するあまり,非生産的で有害な慣習を生み,大切なことが見落とされていると都市計画の専門家である著者は警鐘を鳴らします。
 本書では,データや数値目標の重視によって,さまざまな分野(教育,医療,ビジネス,警察や軍などの行政など)で起きている測定値の改ざんや評価指標の誤りを指摘し,従来の統計学やデータ科学のほとんどが見落としていた「私たちが測定しているものは本当に重要なのか?」について豊富な事例を挙げて検証します。  また,章の後半では適切なデータ活用によって,よりよい結果をもたらした組織やシステムについても考察し,正しく評価指標を用いるための14 の教訓を示します。
  データ重視の社会で真に必要な力が身につく本書は,あらゆる分野の管理職をはじめ,現代の情報社会に生きるすべての人に読んでいただきたい一冊です!

【おすすめ度◎】丸山康司編著『どうすればエネルギー転換はうまくいくのか』新泉社, 2022年

再生可能エネルギー導入の際の問題点を多角的・実践的に解明する良書 内容:エネルギー転換と「厄介な問題」 太陽光発電の地域トラブルと自治体の対応 風力発電所の立地をめぐる問題 持続可能なバイオエコノミーの成長管理に向けて 「土地問題」としてのメガソーラー 風力発電に伴うリスクの哲学と倫理 再生可能エネルギーの市場化とドイツにおけるコミュニティ・パワーの課題 スコットランドにおける再生可能エネルギーがもたらすコミュニティの再生 生活クラブの再生可能エネルギーの取り組み 省エネ改修を通じた持続可能なまちづくり 雪冷房の現状と未来 薪利用の意義と課題 自治体が直面するエネルギー転換の課題 メディエーターの戦略的媒介による地域の意思決定支援 世代間公正と世代内公正の相克 ドイツ「石炭委員会」の模索 デジタル化を活用したエネルギービジネス エネルギー転換をうまく進めるために

出版社ページより紹介を引用
〈再エネ導入をめぐる問題群を解きほぐす〉
エネルギー転換は誰のためになぜ必要で、どうすればうまくいくのか。
再生可能エネルギーの導入に伴って引き起こされる、地域トラブルなどの「やっかいな問題」を社会的にどう解決していくべきなのか。
現場での成功や失敗から学び、実践的に考える。

〈持続可能な再エネ社会をどうつくるのか——〉
再生可能エネルギーは大量導入の時代を迎えつつある。その一方で、立地地域において摩擦を引き起こしたり、事業計画への賛否が地域社会の分断をもたらすといった種々のトラブルも発生している。
立地地域には固有の事情や社会的文脈がある。関わっている人も異なれば、自然環境や社会状況も多様である。固有性の尊重を心がけ、「公正さ」と「信頼」の構築に向けた試行錯誤を積み重ねることが、問題を解きほぐす可能性を生み出し、持続可能な社会の実現への一歩となる。

2023年2月11日土曜日

【おすすめ度○】ポール・シャピロ『クリーンミート』日経BP, 2020年

アメリカの培養肉ビジネスの現状の紹介 食品だけでなく、細胞工学による皮革の合成なども取り組まれていることが分かる。この本を読むと、そう遠くない将来に、少なくとも先進国では、現在の「畜産」はなくなるかもしれないと思われる。
「培養肉」という食欲を失わせる名前が普及してしまったのは大失敗だったという指摘は面白い(だからこの本の題名も「クリーンミート」)。遺伝子組み換え食品が日本や欧州で拒絶されたのに、いまのところゲノム編集食品に対する拒絶が見られないのをみても、どういう名前を付けるかを含めて、マーケティング戦略は重要。

出版社ページより紹介を引用
クリーンミートとは動物の細胞から人工培養でつくる食肉のこと。
成長ホルモン、農薬、大腸菌、食品添加物に汚染されておらず、一般の肉よりはるかに純粋な肉。培養技術で肉をつくれば、動物を飼育して殺すよりも、はるかに多くの資源を節減できるうえ、気候変動に与える影響もずっと少なくてすむ。そして、安全性も高い。2013年に世界初の培養ハンバーグがつくられ、その後もスタートアップが技術開発を進めている。
これはもはやSFではない。
シリコンバレー、ニューヨーク、オランダ、日本など世界の起業家たちがこのクレイジーな事業に大真面目に取り組み、先を見据えた投資家たちが資金を投入している。
フードテックの最前線に迫る!


【おすすめ度○】藤井良広 編著『待ったなし! エネルギー&カーボンマネジメント』日刊工業新聞社, 2012年

大転換するエネルギー・マネジメントとカーボン・マネジメントの解説書。良書だが、内容がやや古くなっている(これはパリ協定前の本)なので総合評価は◎でなく○にした。 内容:E&Cマテリアリティの把握(環境会計) 規制リスクとE&マネジメント 拡大するオフィスビルのE&Cマネジメント 物理リスクと企業立地戦略の展開 E&Cマネジメントで生かす「見えるか」の手法 カーボンマネジメントを促進するNGOの活動 E&Cを格付け E&Cマネジメントを支える保険・リスクマネジメント

出版社ページより紹介を引用
今、企業は、規制リスクへの対応、効率的な生産コストの構築、新たなカーボン配慮製品の開発、カーボンの市場での売買など新たなビジネスチャンスを先手必勝でとる経営判断が求められる。本書は、このマネジメントの論点を整理、事例を通じて、企業戦略立案に具体的に役立つモノとしている。



2023年2月7日火曜日

【おすすめ度○】山本章子・宮城裕也『日米地位協定の現場を行く』岩波新書, 2022年

「米軍基地のある街」のルポルタージュ 米軍基地(および米軍と共用されている自衛隊基地)がどのような問題を引き起こしているかを明らかにし、日米安保条約や「日米地位協定」の問題点が米軍基地問題の原因であることを指摘している 取り上げられている基地は以下の通り:三沢(青森) 首都圏(横田・厚木・横須賀) 岩国(山口) 築城(福岡) 新田原(宮崎) 馬毛島(鹿児島) 嘉手納(沖縄)

出版社ページから紹介を引用
繰り返される事故や騒音被害……「国の専管事項」である安全保障が日常を脅かす。その実態に迫る。
なぜ日本では米兵の犯罪を取り締まることができないのか。なぜ騒音被害や環境汚染を止められないのか。なぜ基地のそばで暮らしているというだけで数多くの悩みを抱えねばならないのか。――積み重なる「なぜ」の原因は日米地位協定にある。「国の専管事項」である安全保障が私たちの日常を脅かす。その実態と原因に迫る。





2023年2月4日土曜日

【おすすめ度○】リチャード・エバーシェッド『食品偽装を科学で見抜く』日経BP社, 2019年

食品偽装の手口と、それを見抜くための科学的手法を紹介していて面白い。 内容:食用油、水産物、牛肉、ミルク、スパイス、ワイン、野菜などの偽装の手口と対策 分析化学 同位体分析 タンパク質組成(プロテオミクス) DNA(ゲノミクス) メタボロミクス

出版社ページから紹介を引用
ニセ食品を見破るプロが、本物を選ぶためのスゴ技伝授!
食べ物をめぐる信じられないほど多様で複雑な状況のなかで栄養を取るために、わたしたちは製品のラベルに表示されている情報を信用せざるをえない。
もちろん、理解できるかどうかは話が別だ。しかし、実際にわたしたちにできる行動もある。この本を開き、食品偽装の世界では何が可能なのか、偽装はどう実行され、どのように発見され、どうしたらだまされずに済むのかを知ってほしい。そうして、賢い消費者になってもらいたいというのが著者たちの願いだ。

何を口に入れるのか、よい選択をしよう!
私たちが複雑きわまる食文化の中で暮らしている、という事実は否定しようもないがだからといって無力なわけでは決してない。
道路を横断する前に左右をよく見たり、日焼けから身体を守ったりするように、食品選びでもリスクを最小化するために、主体的に行動することができる。
食品中に含まれる化学物質は、食べれば身体の一部となる。
私たちは自分の身体に入れるものについて、受け身でいてはいけない。
食品生産・流通システムには私たちに決められないことがたくさんあるが、何を口に入れるかは自分たちで決めることはできる。
よい選択をしよう!


2023年2月3日金曜日

【おすすめ度☆】北村厚『20世紀のグローバル・ヒストリー』ミネルヴァ書房, 2021年

人種主義と虐殺に関する記述がやや多い気がするが、全体的にはバランスが取れた現代史の入門書。たくさんの本を読む時間のない理系の学生が、「とりあえず一冊読む」のにいい本。

出版社ページより紹介を引用
高校歴史教科書の知識をベースに、西洋史・東洋史と日本史を結びつけ、複雑に入り組む20世紀の歴史を同時的に描く。人種主義やジェノサイドなど、人類共通の問題群を主軸に据え、各国の視点からではなく、世界史上の出来事のトランスナショナルな関係性を重視するグローバル・ヒストリーの視点から、世界現代史の再構築を試みる。大人が学び直すための世界現代史入門として最適。

[ここがポイント]
◎ 高校歴史教科書をもとに、20世紀の世界史をグローバルヒストリーの視点で読み解く。
◎ 歴史教育の高大連携、新科目「歴史総合」を見据えた世界現代史を捉える。
◎ 高校生や大学生だけでなく、薄くなりがちな20世紀の知識定着を図るのに最適な1冊。


2023年1月30日月曜日

【おすすめ度○】柴田晋吾『環境にお金を払う仕組み』大学教育出版, 2019年

生態系サービスPESの概説書 PESの事例が豊富 内容:世界の環境資源管理政策とPESスキーム PESの理論と実際 欧米諸国等における取り組み事例から 政府による支払 民間による支払 取引・オフセットのスキーム PESスキームの課題と持続可能な地域づくり

出版社による紹介の引用
環境を守りつつ、同時に持続可能な発展を実現するための革新的な取り組みとして注目されているPES(生態系サービスへの支払い)の台頭の背景と世界各地での取り組み状況を分かりやすく解説する。
本書は、PESの研究者が世界中の先行事例を分かりやすく説明。上流の森林づくりに貢献して社会的責任を果たす時代に向けた私たちの教科書です。