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このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...

2023年10月18日水曜日

【おすすめ度○】竹内康雄『環境覇権 欧州発、激化するパワーゲーム』日本経済新聞出版, 2023年

欧州グリーンディール、カーボンプライシングなど最新のEUの気候変動への取り組みを詳しく取材した良書。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻のなか、環境問題対応を加速し、世界をリードする欧州。「安全保障色を強めるグリーンニューディール」「欧州に世界が追随するカーボンプライシング」「排出削減の切り札・水素をめぐる技術開発と世界標準化競争」「1京円のカーボンゼロ・マネー争奪」など、対立とルールづくりのパワーゲームを活写する。
著者はパリ、ブリュッセルで長年このテーマを取材してきた日経記者。


2023年10月16日月曜日

【おすすめ度●】油本真理・溝口修平 編『現代ロシア政治』法律文化社, 2023年

ソ連の解体から現代ロシアへ至るロシア政治・社会についての概説書 内容:ソ連体制の特徴 ペレストロイカとソ連解体 ロシア連邦の成立 ロシアの憲法、政党・選挙、議会政治、ビジネスと政治、連邦制とチェチェン、ナショナリズムと国民/国家の範囲 冷戦期のソ連外交 現代ロシア外交 日ロ関係 ロシアの軍事力と世界
 なお第12章「日ロ関係」は、日本がサンフランシスコ講和条約でいったん南千島(国後島・択捉島)を放棄しているという重要な事実が書かれていないのでお勧めできない。日本がサンフランシスコ講和条約で南千島を放棄していることは、1951年10月19日の国会会議録での西村熊雄外務省条約局長の答弁で確認できる(日本は、後にサンフランシスコ講和条約の「クリル」には南千島は含まれない、日本は南千島を放棄していない、と主張を変更する)。この事実を知っているかどうかで、日ロ関係に対する見方は大きく変わってくるだろう。

 また、第5章・第6章で説明されているが、現在のロシアの下院の選挙制度は小選挙区・比例代表並立制(小選挙区225議席・比例代表225議席)である。最新の2021年下院選挙では、プーチン与党「統一ロシア」は49.8%の得票で450議席中324議席(72%)を獲得している。実はロシアはいったん比例代表制を採用したことがあるが、その結果、2011年に「統一ロシア」は450議席中238議席という不振に終わった。当然のことであるが、比例代表制であれば、得票率が50%程度なら50%程度の議席しか取れない。この本ではあまり強調されていないが、小選挙区・比例代表並立制が与党に都合がいい選挙制度であることが明瞭である。この本では指摘されていないが、ロシア下院の選挙制度は、日本の衆議院の選挙制度とよく似ており(日本は小選挙区289・肥大代表176の合計465議席)、与党が約50%程度の得票で圧倒的多数の議席を得るという選挙結果も日本と似ている。

出版社ウェブサイトより紹介を引用
ロシアの政治・社会についての入門書。ソ連の形成・崩壊の歴史を押さえたうえで、現代の政治制度や社会状況、国際関係を学ぶ。世界的に注目される超大国でありながらも、実態がよくわからないロシアという国家を新進気鋭の研究者たちがわかりやすく解説する。



2023年10月15日日曜日

【おすすめ度○】山口智美・斉藤正美 ポリタスTV編『宗教右派とフェミニズム』青弓社, 2023年

選択的夫婦別姓反対、「女性活躍」、官製婚活、プロライフ(妊娠中絶禁止運動)、自民党改憲案、性的マイノリティ、「歴史戦」など、安倍政権下で進められた政策と宗教右派(右翼的な新興宗教)の関係を明らかにしている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件。
これを受けて企画・配信された『ポリタスTV』の「宗教右派と自民党の関係――ジェンダーと宗教」(前篇・後篇)は、5日間限定の無料公開で10万回以上再生され、大きな反響を巻き起こした。
この配信コンテンツをもとに、全編書き下ろしでジェンダーやセクシュアリティ、家族をめぐる政治、それと宗教右派との関わりをまとめるのが本書である。
1990年代から2000年代初頭のバックラッシュから、安倍政権以後の家族や女性やLGBTをめぐる政策と右派・宗教との関係までを、具体的な政策や運動、テーマにフォーカスして解説し、フェミニズムの立場・視点から問題点を検証する。
知られざる宗教右派の実像と1990年代から現在まで続く苛烈なバックラッシュの実態を明らかにする問題提起の書。




2023年10月13日金曜日

【おすすめ度○】野口俊邦『森林・林業はよみがえるか』新日本出版社, 2016年

「緑のオーナー制度」は、国(林野庁)が国民から広く資金を集めて国有林経営に投資する制度だったが、結果として経営に失敗し大幅な元本割れとなった。この本は、この「緑のオーナー制度」に関する裁判を通して、国有林経営の問題点を分析している。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
林業人口の中の若年者率の増加、防災やエネルギー面での期待……近年、注目を集める森林。その再生には、林業の採算性を悪化させてきた外材依存政策、失政を重ねてきた国有林政策など負の遺産を乗りこえる必要がある。国有林をめぐる国家的詐欺ともいうべきある事件の検証を通じ、「負の遺産」を知り打開の道を探る!

【おすすめ度○】山岡淳一郎『ドキュメント感染症利権 医療を蝕む闇の構造』ちくま新書, 2020年

北里柴三郎の評伝(東京大学関係者との対立など)、731部隊の成立から関係者の戦後まで、日本の結核・ハンセン病隔離対策の誤り、世界的なエイズ・SARS対策の問題点など。北里柴三郎の評伝についてはともかく、それ以外の部分では率直に言って著者自身の取材はあまりされておらず、既存の本の要約のような内容が大部分を占めている。いろいろな本の要約が新書で手軽に読めるという点で「便利な本」ではあるのでおすすめ度○にしておく。
なお、題名や副題(『ドキュメント感染症利権 医療を蝕む闇の構造』)と内容があまり関係がない。本の中身が薄いと、かえって題名や副題が過激になるのかもしれない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
医療に巣喰う利権の闇。情報統制、医学界の学閥、縦割り行政、731部隊人脈、……新型コロナ感染爆発はじめ感染症のウラで蠢く邪悪な構造を白日の下に暴く。
救命か、金儲けか。新型コロナ感染爆発に際して露わになった、危機下における医療と政治のせめぎ合い。政官財学の構造的絡まりによる邪悪な「利権の闇」「見えない壁」が立ち現れ、救命のための公平な医療を阻む。明治・大正期の公衆衛生の草創期、「七三一部隊」にみる医学の暴走と悪用、戦後医療界に残った細菌戦人脈、官僚主義と隔離政策の誤謬、グローバル化する薬の特許とバイオテロ…。近現代日本とともにあった感染症のウラで蠢く黒い構造を、白日の下に暴く。


2023年10月9日月曜日

【おすすめ度○】十市勉『再生可能エネルギーの地政学』エネルギーフォーラム, 2023年

再生可能エネルギーに関する世界各国の政策の紹介。関連する重要鉱物に関する考察も書かれている。

出版社ウェブサイトから目次の紹介
ウクライナ戦争で加速するクリーンエネルギー移行!
どうする日本!?

はじめに
第1章 なぜ再生可能エネルギーの地政学が重要か
1―1 「パリ協定」で加速する世界の脱炭素化
1―2 相次ぐ世界主要国のカーボンニュートラル宣言
1―3 世界で急拡大する再エネ開発と躍進する中国
1―4 再エネ投資が急増する背景
1―5 ウクライナ戦争で加速するクリーンエネルギー移行
1―6 エネルギー移行で浮上する新たな地政学リスク
1―7 新旧のエネルギー地政学リスクが連動する時代
1―8 資源輸出国で期待が高まる水素・アンモニア
第2章 再生可能エネルギーの地政学リスク
2―1 化石燃料と比較した再エネの地政学リスクの特徴
2―2 再エネ開発に欠かせない重要鉱物
2―3 高まる重要鉱物の供給不安と中国の影響力
2―4 重要鉱物の地政学リスクとその軽減対策
2―5 再エネ技術を巡る新たな地政学リスク
2―6 脱炭素化で誘発される保護貿易主義のリスク
2―7 再エネの「スーパーグリッド」構想と地政学リスク
第3章 石炭大国の中国はエネルギー移行の「勝ち組」に
3―1 今や中国は低炭素技術のトップランナー
3―2 中国の脱炭素化の「3060目標」とその狙い
3―3 脱炭素化と電力安定供給のジレンマに直面
3―4 石炭大国である中国の弱みが強みに
3―5 中国にとって石油・天然ガス市場で影響力拡大の好機
3―6 エネルギー移行で「勝ち組」の中国と「負け組」のロシア
第4章 脱炭素・脱ロシアを目指すEUのエネルギー政策
4―1 際立った違いをみせるフランスとドイツの電源選択
4―2 欧州グリーンディールと高まる再エネへの期待
4―3 ドイツが先導する国家水素戦略とEUタクソノミー
4―4 ウクライナ危機で脱炭素・脱ロシアを目指す「リパワーEU」
4―5 EUの炭素国境調整措置とグリーン貿易摩擦リスク
4―6 英国の脱炭素化とエネルギー安全保障戦略
第5章 始動する米国のクリーンエネルギー戦略
5―1 バイデン政権発足で一変する気候変動政策
5―2 2つの重要法案を成立させたバイデン政権
5―3 インフレ抑制法における主要な気候変動対策
5―4 導入支援策で急増する太陽光発電と風力発電
5―5 期待が高まる水素の導入拡大とCCS関連プロジェクト
5―6 気候変動対策に不可欠な原子力発電
5―7 EVを巡り表面化するグリーン貿易摩擦
第6章 中東産油国は水素・アンモニアの輸出大国に
6―1 世界の脱炭素化と中東産油国
6―2 エネルギー移行と中東産油国のリスクとチャンス
6―3 サウジアラビアの再エネと水素・アンモニア開発
6―4 クリーンエネルギー開発で中東をリードするUAE
6―5 グリーン水素ハブを目指すエジプトとオマーン
第7章 インド太平洋地域のクリーンエネルギー開発
7―1 急務となるインドのクリーンエネルギー開発
7―2 経済発展が続くASEANの脱炭素政策
7―3 豪州は再エネと重要鉱物資源の豊富な国
7―4 グリーン水素・アンモニア大国を目指す南米のチリ
7―5 韓国の尹政権は脱・脱原発政策へ転換
第8章 脱炭素電源の原子力を巡る地政学
8―1 なぜ原子力を巡る地政学が重要なのか
8―2 原子力は脱炭素化とエネルギー安全保障の両立に不可欠
8―3 ウクライナ戦争で強まる欧州の原子力利用拡大の動き
8―4 ロシアと中国の原子力輸出を巡る地政学
第9章 新たなエネルギー地政学と日本の国家戦略
9―1 日本のエネルギー政策の変遷と脱炭素化が最優先課題に
9―2 再エネの地政学と国家エネルギー戦略を考える視点
9―3 アジアの脱炭素化と日本の国際戦略
9―4 GX投資と低炭素技術の産業競争力の強化
9―5 再エネの主力電源化と克服すべき課題
9―6 再エネVS原子力の「二項対立」からの脱却を
あとがき

【おすすめ度●】松里公孝『ウクライナ動乱』ちくま新書, 2023

本書の内容は、「ウクライナの問題は、第一義次的にはウクライナの問題だということである」(484p)という文章にまとめることができる。ロシアのウクライナ侵攻を招いたウクライナ政治の問題点を分析した本。著者は、ロシアとウクライナの対立のエスカレーションを防ぐ可能性があった6つのチャンスがあったことを挙げているが(336p)、いずれも生かすことはできなかった。
 日本が、中国との戦争を避けようと思ったら、中国との対立がエスカレーションしないようにしないといけない。そのために何をすべきか、この本の内容は参考になる。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
冷戦終了後、ユーラシア世界はいったん安定したというイメージは誤りだ。ソ連末期以来の社会変動が続いてきた結果としていまのウクライナ情勢がある。世界的に有名なウクライナ研究者が、命がけの現地調査と一〇〇人を超える政治家・活動家へのインタビューに基づき、ウクライナ、クリミア、ドンバスの現代史を深層分析。ユーロマイダン革命、ロシアのクリミア併合、ドンバスの分離政権と戦争、ロシアの対ウクライナ開戦準備など、その知られざる実態を内側から徹底解明する。

2023年10月4日水曜日

【おすすめ度○】大野輝之『自治体のエネルギー戦略』岩波新書, 2013年

著者は東京都庁の幹部職員。題名は「自治体のエネルギー戦略」であるが、内容は気候変動対応について書かれている(そもそも都内にエネルギー資源がほぼ皆無であり、エネルギー自給率がゼロの東京都で文字通りの「エネルギー戦略」を論じてもほとんど意味がない)。アメリカ自治体の気候変動対策(ニューヨーク市、RGGI、カリフォルニア州など)を踏まえて、東京都キャップアンドトレード制度の形成過程を説明している。
私の個人的な意見であるが、実は東京都庁そのものには東京都キャップアンドトレード制度が適用されていない。だから東京オリンピックのような排出量を増やす事業が自由にできる。都民には排出抑制を要求する一方で、東京都庁が排出量を増やすことをやっているのはいかがなものかと感じる。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
待ったなしのエネルギー問題をどうするか.そのヒントが東京都の実践にある.都庁政策担当者の報告と提言.
待ったなしのエネルギー問題をどうするか.そのヒントが,「気候変動対策」で国家に先んじCO2排出総量削減制度を導入した,東京都の実践にある.経済界,電力会社等の反発をどう合意へと変え,エネルギー大量消費型都市からの転換に挑んだか.アメリカの都市・州の事例も紹介しつつ,自治体での可能性を都庁政策担当者が語る.


【おすすめ度●】粟屋剛『人体部品ビジネス』講談社, 1999年

アメリカの人体部品取引、フィリピン・インドの臓器売買の実態、人体部品ビジネスの法哲学など。良書だが古いのでおすすめ度は●にした。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
すでに事態はここまできている!
このレポートを前に、あなたはいったい何を考えるか。
心臓弁が6950ドル、アキレス腱は2500ドル。提供された人体組織を加工して急成長するアメリカ産業。刑務所や病院を舞台にしたフィリピン、インドの腎臓売買。いまや臓器が「商品」となり、脳死体は「医療資源」と化す。テクノロジーと資本主義の行き着く果てを見つめ、倫理を問う。


【おすすめ度●】岩崎俊博 編『地方創生に挑む地域金融』金融財政事情研究会, 2015年

著者は野村資本市場研究所関係者。地方行政に関わる地域金融機関の最新の取り組みに関する論文集。アメリカの事例が多い。 内容:人口減少から財政破綻に至ったデトロイト市の教訓 米国の地域教育資金形成制度 ヘルスケアREIT 空き家有効活用 ソーシャルインパクトボンド 地方債改革など


出版社ウェブサイトから紹介を引用
「まち・ひと・しごと創生」のために金融・資本市場ができる貢献は何か   
急激な地方人口の減少に警鐘を鳴らした増田レポートの提言実現に向けて、わが国を代表する金融専門政策シンクタンクが総力をあげて、以下の4つの枠組みから現状を分析し、具体的なソリューションを提示する。   
(1) 個人金融資産の動きとライフ・プランニング
(2) 地域金融機関のビジネスモデル改革
(3) 地域活性化への金融ソリューション
(4) 産業関連の地方創生施策


2023年9月23日土曜日

【おすすめ度●】ナンシー・フレイザー『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』ちくま新書, 2023年

単純な本ではないが、手短に要約すれば、資本主義が、実は商品交換以外のシステム(マルクスの指摘した原始的蓄積、ケアとジェンダー、自然資源と環境)に依存しつつ、商品交換以外のシステムを破壊することに焦点をあてた考察。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
資本主義は私たちの生存基盤を食い物にすることで肥大化する矛盾に満ちたシステムである。世界的政治学者がそのメカニズムを根源から批判する。
なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ―。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。

2023年9月12日火曜日

【おすすめ度☆】鈴木普・三枝弘育『改訂新版 食肉製品の知識』幸書房, 2018年

食肉生産・加工の技術面から食肉貿易や食品安全などの社会制度面まで網羅した教科書。 内容:肉食の歴史 畜肉の生産 畜肉の栄養と科学 畜肉の部位と特徴 畜肉の衛生 加工技術 食肉製品とJAS規格 食鳥の生産と利用 食肉輸入 食肉の安全など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
食肉と食肉製品の基礎的な知識から、現在の食肉製品をとりまく状況や、高齢者向けの商品開発などを盛り込み、また、食肉の加工技術や食肉製品のJAS規格についても詳しく書かれています。世界に通用し信頼される日本の食肉製品を作り上げるための、時代に即した好適な入門書となりました。是非ご購読ください。

2023年8月30日水曜日

【おすすめ度☆】佐々木晶二『改訂版 いちからわかる都市計画のキホン』ぎょうせい, 2023年

都市計画制度の教科書。著者は元国土交通省の官僚(国土交通政策研究所所長で退職)。都市計画は頻繁に制度が変わるので、できるだけ新しい教科書で勉強する必要がある。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
都市計画を知りたい人が「いちばん最初に読む」本!
○多岐にわたる都市計画及び都市計画制度について、担当者として最低限知っておくべき知識が1冊でわかる!
○QA形式の解説で、気になった箇所・知りたい箇所から学べます。
○はじめて都市計画関係部署に配属された方や都市計画及び都市計画制度の概要についてやさしく学べる実務書をお探しの方におすすめです。

改訂のポイント
○Q&Aを見直し、解説に用いたデータや参考資料も更新した最新版。
○新規問答として、生産緑地や災害予防等の基礎に関する内容(「生産緑地とはどのような計画ですか?」「近年創設された災害予防のための土地利用規制はどのようなものですか?」)を追加。
○そのほか第2部第6章として「宅地造成及び特定盛土等規制法」(「宅地造成等規制法の一部を改正する法律」令和4年5月27日公布、令和5年5月26日施行)に関する押さえておくべき基礎の問答を新たに5問追加(問答内容は以下目次参照)。




【おすすめ度○】山中美智子・玉井真理子・坂井律子『出生前診断 受ける受けない誰が決めるの? 遺伝相談の歴史に学ぶ』生活書院, 2017年

「出生前診断」とは、妊娠中に、検査によって胎児に障害があるかどうかを判定する検査のこと。検査で胎児に障害が見つかると中絶する場合も少なくない。実際に遺伝カウンセリングに関わっている著者たちによる、出生前検査に関するさまざまな考察の本。 内容:日本の遺伝カウセリングの歴史と出生前検査 出生前診断について考えたいこと 「自己決定」の落とし穴


出版社ウェブサイトから紹介を引用
出生前診断を議論するとき金科玉条のように語られる「遺伝カウンセリングの充実」。
しかし、その内容はきちんと検証されてきただろうか?
検査のための手続きになってはいないだろうか?
長年にわたり遺伝カウンセリングを実践し、そのあり方を模索してきた先人たちに学び、技術ばかりが進展する出生前診断とどう向き合うかを、立ち止まって考える。

2023年8月28日月曜日

【その他の情報】ドイツ環境省が、福島原発事故の汚染水放出を批判

ドイツ環境省が、福島原発事故の汚染水放出を批判している。





【その他の情報】木材業界で相次ぐ大型倒産、危機感高まる

イタヤ(新潟県)、征矢野(そやの)建材(長野県)の(木材業界としては)大型倒産の取材を通して、現在の木材業界の構造的問題を明らかにする興味深い記事。征矢野建材の倒産の直接の原因が、ウッドチップを利用した再生エネルギー事業だった。FIT(Feed In Tarif、固定価格買い取り制)では太陽光発電が優遇されている(電力の買取価格が高い)ので大規模な太陽光発電所が各地に建設されているけど、木質バイオマスについては、現状の買取価格では「儲かるビジネス」として成立させることは容易ではないようです。

これは「新・ウッドショック」なのか?木材業界で相次ぐ大型倒産、危機感高まる(ダイヤモンドオンライン)
今年6月と8月、木材業界で発生した大型倒産が波紋を呼んでいる。新潟県に本社を置く(株)イタヤ(南蒲原郡田上町、負債35億8500万円)、長野県の征矢野(そやの)建材(株)(松本市、負債65億2000万円)の2社が相次いで民事再生法の適用を申請した。

2023年8月27日日曜日

【おすすめ度○】茅野恒秀・青木聡子 編『地域社会はエネルギーとどう向き合ってきたのか』新泉社, 2023年

エネルギーと地域社会の関係についての環境社会学の研究論文集 内容:薪炭利用の変遷とエネルギーの由来の不可視化 石炭産業の盛衰と地域社会 庄川流域の大規模ダム開発と地域社会 下北半島六ケ所村「原子力半島」の地域開発史と現在 茨城県東海村・原子力施設の立地点における生活の場の再創造 芦浜原発反対運動 反・脱原発の市民運動によるオルタナティブの創出(生活クラブ生協の事例) アメリカ先住民族と核汚染 地域分散型再生可能エネルギーの進展と障壁 エネルギー転換と社会イノベーションなど

出版社ウェブサイトから紹介を引用
〈エネルギーのあり方を問い直し、これからの社会のあり方を考える。〉
近代以降の燃料革命はエネルギーの由来を不可視化し、消費地と供給地の関係に圧倒的な不均衡をもたらし、農山村の社会と自然環境を疲弊させてきた。
巨大開発に直面した地域の過去・現在・未来を見つめ、公正なエネルギーへの転換を構想する。
〈本書が、望ましいエネルギー転換のあり方を問うにあたってまず行ったのが、私たちのエネルギー利用が誰のどのような犠牲の上に成り立つものであったのかを直視し直すことであった。そして、犠牲を強いられがちな人びとがエネルギー資源や施設といかに向き合ってきたのかについて、歴史をさかのぼりながらとらえ直す作業であった。
誰の健康も生活も犠牲にせずエネルギーを生み出すことは容易ではない。だからこそ、「公正なエネルギー」への転換は、世代内と世代間の双方において「公正な社会」への転換を要請する。——編者〉



2023年8月25日金曜日

【おすすめ度○】ダン・イーガン『肥料争奪戦の時代』原書房, 2023年

リンの発見から利用が拡大する歴史。肥料の話以外に、リンを含む洗剤とそれによる水質汚濁の話も多い。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
肥料として農業を支え、人類に不可欠な希少資源リン。そのリンの世界的な枯渇、争奪戦、海洋流出、食料ショックのリスクーーいま知っておかないと怖いリン問題について、ピューリッツァー賞ファイナリストが警鐘を鳴らす。


2023年8月21日月曜日

【おすすめ度◎】浅井基文「日中平和友好関係を願う立場からの問題提起」(ウェブ上の論文)

浅井基文氏(元外交官)による、現在の日中関係・米中関係の優れた分析とまとめ。本ではなくウェブ上の論文ですが、非常に重要なものなのであえて紹介する。

2023年8月18日金曜日

【おすすめ度☆】林宏『化学物質管理の法律 改訂版』第一法規, 2023年

化学物質管理の教科書 内容:化学物質管理とは何か 化学物質管理の国際的枠組み 化学物質管理の業務と法律 規制物質 労働安全衛生法の改正

出版社ウェブサイトから紹介を引用
製造業の化学物質管理担当者が、はじめに知っておきたい化学物質関連法令の基本事項を網羅した入門書。化学物質関連法令の基礎を図表等を用いてわかりやすく解説。労安法関連の改正のポイントもフォローした改訂版。
〇自社の業務がどのような法令に関係しているのか、初任者にもわかるように解説するため、業務起点で必要な法令を理解することができる。
〇化学物質に関する幅広い法令を把握するため、関連法令の第1条から解説するのではなく、化学物質の管理規則(登録、安全性評価、各国共通の事項等)の仕組み・枠組みといった全体像から解説する。また、化学物質管理の仕組みを図解等を用いてわかりやすく解説するため、時間がなくても手軽に法律の基礎を把握できる入門書となる。
〇各章のページ末尾には、法令の重要事項等をチェックリスト形式で登載するため、複雑な法令でも最低限の法令知識を簡単に確認できる。
〇労安法関連の改正と対応のポイントもフォロー。

【おすすめ度☆】花井荘輔『増補改訂版 リスクってなんだ?』丸善出版, 2022年

化学物質の「リスク」に関して、概説的な知識がわかる教科書。 内容:リスクとは何か ハザード管理とリスク管理 リスク評価のシナリオ 直接暴露 間接暴露 取り込み・吸収・体内動態 健康影響 環境生態影響 変動性と不確実性 リスクの判定 データベースとシステム リスクを超えて合理的な意思決定に向けて

以下に述べることはこの本だけの問題点ではなく、リスク論の教科書に共通する問題点であるけど、「リスクは人やグループによって異なる」という事実が、化学物質に対する「感受性」の個人差とされている。男性と女性の間でもリスクは異なるが(例えば子宮がんや卵巣がんのリスクがあるのは女性だけで、男性には子宮がんや卵巣がんのリスクはない)、これを「化学物質に対する個人の感受性の違い」だとするのは不適切であろう。
 個人のリスクの差は男性と女性の違いのような生理的な理由によって引き起こされるだけではなく、社会的・経済的な理由によっても引き起こされる。水俣病事件では、お金のある人は汚染された水俣湾の魚を買わず、他の地域でとれた魚を飼うことができたが、魚が売れなくなって困窮した漁民たちは、他の食物を買うためのお金がなかったので汚染されていることを知りながら水俣湾の魚を食べ続けるしかなく高リスクにさらされた。
 ジェンダーや社会的・経済的条件によってリスクが異なるというのは、「文系」のたわごとではなく科学的に十分証明できることである。それなのに、ジェンダーや社会的・経済的条件に基づくリスクの差を無視してしまうのは、本当の意味で科学的な態度とは言えない。個人(あるいはグループ)によってリスクが異なるということを認めるならば、リスクの「利害得失」を評価するときに、リスクの低い人(グループ)にとっては利得がプラスになるけど、リスクの高い人(グループ)にとってはマイナスになるということがあり得る。この点の配慮が不十分であることが、リスク論に基づいた「科学的」な議論が、必ずしも社会に受け入れられない原因ではないだろうか。
 社会全体の平均値としては利益が損失を上回る場合でも、個人やグループとしてはそうではないことはあり得るのである。損失が利益を上回る人やグループに対して、「社会全体の平均値としては利益が上回っているのだから、リスクを受け入れよ」と言っても説得できないのは当たり前で、それは科学を理解していないために非合理的に反発しているのではない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
2006年に刊行した 『リスクってなんだ? ―化学物質で考える』 の増補改訂版
 SDGsが世界的な広がりをみせる中,地球温暖化や海洋プラスチックなど,私たちの日常生活をとりまく化学物質とのあり方について誰もが真剣に考えなければならなくなりました.不確かな未来にどう生きるか,どう決断するか,また,根拠のない情報が極大化する時代に対処するためにも,科学的な思考力,つまりリスクの考え方を養うことが非常に重要です.
  本書は “リスクってなんだ?” の発想で,化学物質のリスク評価の基本(利害得失を十分に吟味し,その過程と根拠を公開して一般的な判断の材料とする)を解説.初版の内容に,社会の変化と化学物質をめぐる世界的な動向を概観し,変化の大きい社会のあり方にも触れました.化学となんらかの関係をもつ人はもちろんのこと,日常生活において化学物質との接点をもつ一般の人にも大いに参考になる一冊です.

 

2023年8月17日木曜日

【おすすめ度◎】大沢真理 編『ジェンダー社会科学の可能性4 公正なグローバル・コミュニティを 地球的視野の政治経済』岩波書店, 2011年

やや古い上に簡単な本ではないが、ジェンダーの視点から社会科学の再検討に取り組んだ重要な本。 内容:グローバル社会政策の構想 主流派貿易理論・異端派貿易理論を超えるフェミニスト貿易理論 グローバリゼーションとジェンダーの政治経済学 交差的抑圧とジェンダー・ジャスティス/ポリティクス 人口・環境・開発のジェンダー課題 人身取引問題と国際協力 日本の政府開発援助(ODA)政策の課題 フードガバナンスの比較ジェンダー分析 国際法とジェンダー

出版社ウェブサイトから紹介を引用
グローバルなジェンダー公正の実現という難問に,経済学,社会学,政治学,国際法学が挑む.
日本の性別役割分業が途上国女性の出稼ぎを引き寄せ,WTOの知的財産権保護協定が途上国の,とりわけ女性のエイズ患者を苦しめている.グローバルなジェンダー公正を実現するにはどうすればいいのか.この難問に,経済学,社会学,政治学,国際法学が挑む.フェミニスト経済学の第一人者,ダイアン・エルソン氏(エセックス大学教授)が寄稿.




【おすすめ度☆】松永和紀『お母さんのための「食の安全」教室』女子栄養大学出版部, 2012年

やや古いがわかりやすいリスク論の入門書 内容:食品と放射性物質 食中毒・BSE・アレルギー 化学物質 思い込みのこわさ(中国産食品、遺伝子組み換え、有機農業、消費期限、健康食品、窒息) リスクの考え方など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
放射線、食品添加物、遺伝子組換え、ノロウイルス……ちまたには「○○を食べれば安全、××は危険」という食の安全にかんする情報があふれています。
しかし、それらは必ずしも真実とはかぎりません。手元にこの本を置いて、テレビや新聞で気になる話題が出てきたら、「あれ、どんな話だっけ?」とページを開いてみてください。
情報に惑わされずに、本当に心配しなければならないことを心配する。本書がその指針を示してくれます。

【おすすめ度☆】農文協編集部『今さら聞けないタネと品種の話』農山漁村文化協会, 2020年

タネと品種のQ&A、野菜のルーツと品種の入門的な話

出版社ウェブサイトから紹介を引用
タネや品種にまつわる今さら聞けない基本的かつ大事なポイントを、ギュッと一冊に。第1章は「タネと品種のQ&A」。「ソラマメ20mlって何粒?」「タネの寿命って何年?」など、タネ袋やカタログの情報の見方から、タネの生産・流通の仕組みまで紹介。第2章は「図解 野菜のルーツと品種の話」。人気の野菜15種について、原産地やおもな系統、品種の特徴や選び方などを図解に。第3章は、「農家・育種家の品種の見方」。ベテラン農家のカタログの読み方や、育種家による品種の特性の生かし方の解説など。



【おすすめ度○】岡本有佳・加藤圭木 編『だれが日韓「対立」をつくったのか』大月書店, 2019年

2019年の本なのでやや古くなっているが、徴用工問題、慰安婦問題などに関してQ&A形式で入門的な知識が得られる本 内容:韓国の歴史清算の取り組み メディアの責任 戦後生まれの責任と解決への道など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
徴用工問題に端を発し悪化する日韓関係。だが、そもそも問題の根はどこにあるのか? 日本人が抱く韓国への疑問や反発に答える。
「徴用工」問題に端を発し悪化の一途をたどる日韓関係。だが、そもそも問題の根はどこにあるのか? 「徴用工」「慰安婦」「少女像」の問題など、韓国への疑問や反発を解きほぐし、日韓の相互理解と対話へとつなぐ。


2023年8月13日日曜日

【おすすめ度●】白楽ロックビル『科学研究者の事件と倫理』講談社, 2011年

著者が(おそらく多大な労力を費やして)構築した「研究者の事件データベース」に基づいた事例分析。2011年の本なので古くなっている部分もある(なのでおすすめ度は○でなく●にした)。取り上げられている事件のタイプは盗用、捏造・改竄、研究費不正、アカハラ・セクハラ、産学協同、学位、兼業、名義貸し、試験に関する不正・贈収賄など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
日本には科学研究者の事件に関する客観的なデータがなく、改善のための政策・施策は根拠に基づいたものではなかった。データがなければ、「科学研究者の事件」を改善したり、改善されたかどうかを評価することはできない。著者は10年余りかけ、読売新聞の記事データベースから、明治・大正・昭和・平成時代の136年間の「科学研究者の事件データベース」を作り、それに基づいて科学研究者の事件・倫理の実態を分析した。「研究者倫理」や「研究者のキャリアパス」に興味がある大学院生はもちろん、大学院生を指導する立場の大学教員、企業技術者、大学・研究機関の管理者、メディア、行政官庁の方などに最適の1冊。


【おすすめ度○】栗原俊輔『ぼくは6歳、紅茶プランテーションで生まれて。』合同出版, 2020年

スリランカの紅茶プランテーションにおける児童労働の問題をテーマにして、発展途上国の現在の問題や植民地支配について書かれている。 内容:スリランカという国 紅茶の国・スリランカの歴史 紅茶プランテーションの労働者 社会から取り残される紅茶農園 農園のコミュニティが抱える6つの問題 植民地時代の遺物になっているプランテーション 紅茶農園の子供たちにも夢がある 子供たちが人生を選択できるようになるために わたしたちにできること フェアトレードの限界 スマートコンシューマーになる NGOの役割 など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
スリランカ・農園労働者の現実から見えてくる不平等
1杯の紅茶を通して見えてきた、あまりにアンフェアなこの世界の苦い現実。

1杯の紅茶を通して見えてきたのは、
19世紀から時がとまったような、
あまりにアンフェアなこの世界の苦い現実。

スリランカの紅茶プランテーションでは、
きょうも女性労働者は茶葉を手づみし、男性労働者は肉体労働に汗を流します。

封建的な労働環境・不衛生な住環境・社会からの差別的な待遇……
人生の選択肢は望まなくてもただ一つ。
母も父も祖母も祖父も、みんな同じように農園労働者になってきました。

閉ざされた社会のシステム、暮らしぶり、そして差別。
21世紀にもなって、あまりにアンフェアなこの世界の現実。

日本で紅茶を飲む私たちにできること。


【おすすめ度○】岸本聡子『水道、再び公営化』集英社新書, 2020年

世界的な公共サービスの「民営化」の流れのなかで、一部の国では水道も民営化が進められた。しかし、水道に関しては民営化に任せることによってさまざまな問題が発生し、「水道民営化」の象徴的存在だったフランスの首都パリ市を含めて「再公営化」に踏み切る事例が現れてきている。本書は、そのような水道「再公営化」に焦点を当てたルポルタージュ的な本。 内容:水道民営化という日本の危機 水メジャーの本拠地、パリの水道再公営化 資本に連携するための「公公連携」 イギリスの大転換(PFIの終了) 再公営化の起爆剤は市民運動 欧州のミニュシパリズムとフィアレス・シティ 地域政党バルセロナ・イン・コモンなど。
※この本が出版されたのは、著者の岸本氏が杉並区長選挙に立候補する(2022年)より前であり、選挙運動のための内容は一切書かれていない。現在政治家になっている人の本であっても、本が書かれたのが選挙に出る前であり、かつ選挙運動のための内容が書かれていない場合には「おすすめ」することがある。(そもそも、「おすすめ」した本の著者が選挙に出でいるかどうか、全てチェックするのは非現実的)

出版社ウェブサイトから紹介を引用
水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと

【日本の民主主義に新風を吹き込む、杉並区長・岸本さとこ。
欧州・市民運動のなかで育んだ「公共」再生のためのポリティックス!】
民営化の嵐で疲弊した欧州市民の怒りが、街を動かした。
「恐れぬ自治体」が立ち上がり、「ミュニシパリズム(地域自治主義)」の精神でつながった。
やがてその脱・民営化/再公営化の運動は、破綻していた地域経済や人々のつながりまでも「再生」していったのだ。
そのとき市民と自治体のブリッジを果たしたのは、NGOで働くひとりの日本人女性・岸本さとこ。
彼女が日本に伝えた新しいデモクラシーの方法とは? 
地殻変動が始まった、民主主義の最前線が、ここにある!

【斎藤幸平さん(『人新世の「資本論」』)も絶賛!】
「誰もが必要とする水やエネルギー。
それを大企業からみんなの手に取り戻し、<コモン>=(公共財)として再建する。
その方法を新・杉並区長が具体的に伝える、豊かで魅力的な一冊!」

【本文より】
「水のような<コモン>の管理を人々の手に取り戻すことこそが、形骸化しつつある民主主義を再起動させる鍵なのだ。
(略)私は小さな草の根の変化の積み重ねなしに、国や国際レベルの変化を望む近道はないと思っている。
地域から民主主義の練習と実践の運動を重ね、地域を越えて連帯することで力をつけていきたい。
再公営化、ミュニシパリズム、フィアレス・シティ運動は、これからも成長していくだろう。
(略)その胎動は日本でも始まっている。」




2023年8月12日土曜日

【おすすめ度●】グループ21『不良債権の正体』講談社, 1998年

1990年代前半のバブル崩壊と不良債権問題に関する良い本はたくさんあり、私もかなり目を通したけど、この本はそれらの中で特に興味深かった本。不良債権の発生メカニズムを実践的に明らかにしている。 国土法の運用の問題点や日本的文化(企業共同体的関係、契約意識の不備)と不良債権の関係も書かれている。
著者の「グループ21」の正体は不明だが、内容的に見て新聞記者などのジャーナリストではなく、大学の研究者や弁護士なら匿名にする必要がないことを考えると、官僚(国家公務員)ではないかと想像される。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
不良債権隠しのカラクリがいま明らかになる
総額140兆円と言われる不良債権はなぜ発生したか。銀行はどのように問題を先送りしたか。地価再暴落で何が起こるか――。気鋭の研究集団が問う「日本経済“失敗の本質”」

【おすすめ度●】浜田康『粉飾決算』日本経済新聞社, 2016年

著者は公認会計士。公開資料を利用したバブル崩壊後の大型粉飾事件の詳細な調査。具体的に取り上げられているのは日本長期信用銀行(長銀)、三洋電機、東芝など。

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東芝事件は経営者だけの問題ではない。背景にある構造的課題に、ガバナンス時代の会計ルールの在り方という視点から鋭く切り込む。
東芝の不適切会計問題が浮き彫りにした会計システムの課題
企業統治、内部統制に潜むリスクは?
監査人は何を見ていたのか?
経営責任を司法は問えない?
長銀、三洋電機、東芝の粉飾決算問題を会計士の視点から徹底検証、組織ぐるみの「隠蔽」「責任逃れ」の連鎖の実態を明らかにし、日本が抱える構造的な問題をえぐり出します。