日韓台における有機農産物の制度と取り組みの実例。
本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
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【まとめ】このブログ全体のまとめです。
紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に) 【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら (教科書あるいは入門書的な本) 【おすすめ度○】の本の一覧はこちら (読むことをおすすめする本) 【おすすめ度●】の本の一覧はこちら (専...
2025年7月18日金曜日
【おすすめ度○】川手督也,李裕敬,佐藤奨平 編著『日韓台における有機農産物のフードシステム』筑波書房, 2025年
【おすすめ度☆】畝山智香子『ほんとうの「食の安全」を考える ゼロリスクという幻想』化学同人, 2021年
基準値の決め方、食品のリスク分析、食品の有効性の評価など教科書的な内容。
【おすすめ度☆】畝山智香子『安全な食べものってなんだろう』日本評論社, 2011年
リスク論の立場からの食品安全に関する教科書的な本。福島原発事故後に関心が高まった放射能汚染についても説明されている。 内容:食品の安全性と基準値は いろいろな食品の発がん性 リスクとうまく付き合っていく 食の安全情報など
2025年7月17日木曜日
【おすすめ度☆】小田康徳 編『公害・環境問題史を学ぶ人のために』世界思想社, 2008年
日本の公害と環境問題の通史。戦前の問題、特に石炭鉱害問題についてていねいに述べられているのが特徴。また本書の後半で、「公害問題が問いかけているもの」とうい題名で公害に関する様々な論点がまとめて取り上げられているのも有用。 内容:足尾鉱毒事件 別子銅山煙害事件 大阪の煙害問題 庄川ダム建設と流木問題 石炭鉱害問題 水俣病 イタイイタイ病 四日市 大阪空港 西淀川 カネミ油症 薬害スモン 地球温暖化 原子力発電所 土壌・地下水汚染 廃棄物 自動車排ガス 公益性・公共性の思想 公害問題と差別 公害裁判 公害と住民運動 公害問題と労働者 公害問題と医学・衛生学 公害問題と科学技術
【おすすめ度☆】植原亮『科学的思考入門』講談社現代新書, 2025年
科学的な考え方の基本を紹介する本。なお、下にコピーしたこの本の紹介文では、科学的思考が「私たちに必須の「免疫」」と書かれているけど、このように科学用語(免疫)を不正確な「たとえ」に使ってしまうのは科学的思考ではないですね。 内容:科学的思考はなぜ大事なのか 科学的とはどういうことか 科学と科学でないものの違い 科学的用語や定義の重要性 因果関係 科学的思考を阻害する心理 実験の役割 対照実験の重要性とランダム化 科学的説明とはどういうことか
2025年7月16日水曜日
【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)
【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)
ティム・マーシャル『宇宙地政学と覇権戦争』原書房, 2024年【まとめ】おすすめ度☆の本(教科書あるいは入門書的な本)
【まとめ】このブログ全体のまとめです。
【まとめ】おすすめ度○の本(読むと有意義な本)
おすすめ度○(読むと有意義)の本のまとめです。(新しい本→古い本の順)
【おすすめ度○】庄司光,宮本憲一『恐るべき公害』岩波新書, 1964年
「公害」という言葉を現代的な意味で使ったおそらく日本で最初の本。この本によって「公害」という考え方の基本的な枠組みが作られたといってよい。古い本だが現在でも価値ある内容なのでおすすめ度は○にした。 内容:日本の公害地図 市民生活と公害 私たちはどのように守られているか 大気汚染の影響 水汚染と騒音の影響 公害の政治経済学 日本資本主義と公害 国民運動へ
【テーマ別】公害問題に関する本
特に公害問題に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)
【おすすめ度☆】橘川武郎『エネルギー・トランジション』白桃書房, 2023年
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、技術と制度検討する本。 内容:エネルギー危機とカーボンニュートラルは後退するか カーボンニュートラル2050宣言と第6次エネルギー基本計画 カーボンニュートラルへの日本の施策 再生可能エネルギー主力電源化の厳しい道のり 原子力発電をどうするか(著者はリプレースによる革新炉新設を主張) 火力発電 水素・アンモニア・合成燃料の課題 需要サイドのアプローチ(省エネ) リアルなエネルギー・トランジションの道すじ
2025年7月15日火曜日
【おすすめ度☆】大野健一ほか『新・東アジアの開発経済学』有斐閣アルマ, 2024年
東アジア経済に関する教科書。 内容:直接投資と貿易構造 地域連携と貿易・資本の自由化 デジタル化・持続可能な開発・開発と住民 開発をめぐる政策論争と政治体制 日本経済 中国の経済発展 韓国・台湾・ASEANほか
【おすすめ度○】詫摩佳代『グローバル感染症の行方』明石書店, 2024年
感染症に対する世界的な取り組みを、国際政治の立場から説明している。 内容:保険分野の多国間枠組みの変遷と行方 新型コロナワクチンと国際関係(中国のワクチン戦略) 地域内保健協力の可能性と課題 グローバルヘルスガバナンスなど
【おすすめ度☆】宮下修一, 寺川永, 松田貴文, 牧佐智代, カライスコス・アントニオス『消費者法 第2版』有斐閣ストゥディア, 2024年
環境問題(もっと正確にいえば公害問題)と深くかかわる消費者法制の教科書。 主な内容: なぜ消費者法が必要か 消費者保護のしくみ 消費者契約の概観 広告・表示規制 勧誘規制 契約内容規制 消費者による権利の行使 救済 特徴的な取引 電子商取引 継続的役務提供取引 連鎖販売(マルチ商法) 割賦販売 貸金業法 金融取引・投資取引 不動産取引 製造物責任
2025年7月14日月曜日
【おすすめ度◎】ヘンリー・サンダーソン『電気自動車は本当にエコなのか サプライチェーンの資源争奪戦から環境破壊まで』原書房, 2024
電気自動車製造に必要な鉱物資源(リチウム、コバルト、ニッケル、銅)採掘に関する人権侵害、政治腐敗(賄賂と利権の横行)と環境破壊のルポルタージュ。中国企業のサプライチェーン進出といういわゆる「地政学的」問題も取り上げられている。
2025年7月13日日曜日
【おすすめ度●】内山昭一『昆虫食入門』平凡社新書, 2012年
昆虫食文化の紹介。本の初めに昆虫料理の写真が多数出てくるが、そこで読むのを挫折する人が多いと思う。
【おすすめ度●】畔蒜泰助・平沼光『原発とレアアース』日本経済新聞社(日経プレミアシリーズ), 2011年
原子力とレアアースに関する資源外交について、独自の観点から書かれている。内容が古くなっているところもあるが、10年以上たった現在でも通じる内容も多い。ただしアカデミックではない独自な観点で書かれているためおすすめ度は●にした。
【おすすめ度◎】ケヴィン・デイビス『ゲノム編集の世紀 クリスパー革命は人類をどこまで変えるのか』早川書房, 2022年
ゲノム編集技術について、技術だけでなくビジネス、法規制、倫理などの面からも論じている。テーマ自体が難しいうえに、アカデミックではなくジャーナリストの書き方なので読むのにかなり根気がいる。
【テーマ別】気候変動問題に関する本の一覧
気候変動問題に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)
【おすすめ度☆】作山巧『食と農の貿易ルール入門』昭和堂, 2019年
少し古くなっているが、このテーマに関するよい教科書。 内容:基礎から学ぶWTO・EPA・TPP 貿易はなぜ行われるのか GATTの歴史と基本原則 ウルグアイラウンド農業合意 WTO農業規制の実施状況 WTO協定下の重要品目の貿易制度 ドーハラウンド交渉 SPSと紛争処理制度 TRIPSと地理的表示 世界のFTAの動向 日本のEPA TPP メガFTA時代の日本の食と農
【おすすめ度●】小内亨『危ない健康食品&民間療法の見分け方』フットワーク出版, 2000年
健康食品や民間療法の問題点を指摘し、信頼できる情報とできない情報をどうやって見分けるかについて考察している。2000年の本なので内容が古くなっているところもあるが、信頼できない表現(「自然治癒力」「体質改善」などの科学的にあいまいな用語や、過度に健康不安をあおったり現代医療を否定する表現)や信頼できない肩書(●●研究所所長など)に気を付けるべきという指摘など、現在でも有効な内容も多い。
2025年7月11日金曜日
【おすすめ度☆】共生エネルギー社会実装研究所『脱炭素の論点 2025-2026』旬報社, 2025
気候危機の科学、対策技術から製作まで、気候変動問題について網羅的にまとめている本。個々の論点については率直に言って疑問に感じるところがないわけではないが、気候変動問題の全体像を1冊で把握できる。なお編者のうち堀尾正靭先生は農工大名誉教授、秋澤淳先生は農工大教授。
【おすすめ度◎】嶋津暉之『水問題原論 (増補版) シリーズ・川・湖・海を守るために』北斗出版, 1999年
ダム問題に関する基本的な本。 内容:虚構の水行政―生活と自然を奪うもの ダムの過大放流 河川維持用水のまやかし 非合理的な水利権 ずさんな工業用水行政 水の浪費を放任する水道行政 誰のための農業用水事業か 水源開発は必要か 治水面からの検証 水道原水の水質悪化 ほか
【おすすめ度●】加賀隆一 編著『新版 プロジェクトファイナンスの実務』金融財政事情研究会, 2020年
資源開発やインフラ整備などのプロジェクト」に関わる金融について、実務的に詳しく説明している。専門性が高いのでおすすめ度は●にした。 内容:プロジェクトファイナンスの基本 リスク 事業性審査とキャッシュフローコントロール 契約管理 イスラム金融 公的金融機関(各国・国際機関)など
【おすすめ度●】奥田英信・三重野文晴・生島靖久『開発金融論』日本評論社, 2006年
発展途上国の開発を支援する「開発金融」について詳しく説明する本。良書だが古いのでおすすめ度は●にした。 内容:途上国開発と金融の役割 途上国金融システムの発展 金融の銀行型システムと市場型システムの比較 グローバリゼーションと途上国銀行セクター 外国銀行の進出と役割 途上国企業の資金調達 開発金融とコーポレートガバナンス 途上国農村の金融問題とマイクロファイナンス 対外債務問題 開発援助資金とミレニアム開発目標 途上国のインフラファイナンス
2025年7月10日木曜日
【おすすめ度●】日本貿易会『日本の成長戦略と商社』東洋経済新報, 2014年
商社が、単なる商売だけでなく、ビジネスを通じて世界的な課題の解決にも関与している実例を紹介している。良書だがやや古いのでおすすめ度●にした。 内容:リーマンショック後の世界と日本 世界経済の潮流と課題 日本が抱える課題 総合商社の機能と役割 商社活躍の事例(農林水産業 医療・介護・健康 ICT 再生可能エネルギー インフラ輸出 クールジャパン 開学進出支援 資源 エネルギー 食料 国内インフラ 水資源)
2025年7月9日水曜日
【おすすめ度●】中野一新『アグリビジネス論』有斐閣ブックス, 1998年
「アグリビジネスによる世界食料の支配」という観点からアメリカ、EU、日本などのアグリビジネスの活動を分析する良書。良い本だがさすがに内容が古くなっているのでおすすめ度は●にした。
【おすすめ度○】藤井良広 編著『進化する金融機関の環境リスク戦略』金融財政事情研究会, 2011年
「環境リスク」と金融ビジネスとの関係を多角的に論じる良書。良い本だが内容が古くなっているのでおすすめ度は○にした。 内容:金融にとっての環境リスク 環境リスクの会計評価 CSRと環境リスク メガバンク・地域銀行と環境金融 環境不動産 環境保健 プロジェクトファイナンスにおける環境配慮(国際的潮流) SRI 政投銀ほかの環境格付け 生物多様性と金融 カーボンファイナンス 環境ビジネスの最前線など