都市計画制度の教科書。著者は元国土交通省の官僚(国土交通政策研究所所長で退職)。都市計画は頻繁に制度が変わるので、できるだけ新しい教科書で勉強する必要がある。
本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
注目の投稿
【まとめ】このブログ全体のまとめです。
紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に) 【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら (教科書あるいは入門書的な本) 【おすすめ度○】の本の一覧はこちら (読むことをおすすめする本) 【おすすめ度●】の本の一覧はこちら (専...
2023年8月30日水曜日
【おすすめ度☆】佐々木晶二『改訂版 いちからわかる都市計画のキホン』ぎょうせい, 2023年
【おすすめ度○】山中美智子・玉井真理子・坂井律子『出生前診断 受ける受けない誰が決めるの? 遺伝相談の歴史に学ぶ』生活書院, 2017年
「出生前診断」とは、妊娠中に、検査によって胎児に障害があるかどうかを判定する検査のこと。検査で胎児に障害が見つかると中絶する場合も少なくない。実際に遺伝カウンセリングに関わっている著者たちによる、出生前検査に関するさまざまな考察の本。 内容:日本の遺伝カウセリングの歴史と出生前検査 出生前診断について考えたいこと 「自己決定」の落とし穴
2023年8月28日月曜日
【その他の情報】木材業界で相次ぐ大型倒産、危機感高まる
2023年8月27日日曜日
【おすすめ度○】茅野恒秀・青木聡子 編『地域社会はエネルギーとどう向き合ってきたのか』新泉社, 2023年
2023年8月25日金曜日
【おすすめ度○】ダン・イーガン『肥料争奪戦の時代』原書房, 2023年
リンの発見から利用が拡大する歴史。肥料の話以外に、リンを含む洗剤とそれによる水質汚濁の話も多い。
2023年8月21日月曜日
【おすすめ度◎】浅井基文「日中平和友好関係を願う立場からの問題提起」(ウェブ上の論文)
2023年8月18日金曜日
【おすすめ度☆】林宏『化学物質管理の法律 改訂版』第一法規, 2023年
化学物質管理の教科書 内容:化学物質管理とは何か 化学物質管理の国際的枠組み 化学物質管理の業務と法律 規制物質 労働安全衛生法の改正
【おすすめ度☆】花井荘輔『増補改訂版 リスクってなんだ?』丸善出版, 2022年
2023年8月17日木曜日
【おすすめ度◎】大沢真理 編『ジェンダー社会科学の可能性4 公正なグローバル・コミュニティを 地球的視野の政治経済』岩波書店, 2011年
やや古い上に簡単な本ではないが、ジェンダーの視点から社会科学の再検討に取り組んだ重要な本。 内容:グローバル社会政策の構想 主流派貿易理論・異端派貿易理論を超えるフェミニスト貿易理論 グローバリゼーションとジェンダーの政治経済学 交差的抑圧とジェンダー・ジャスティス/ポリティクス 人口・環境・開発のジェンダー課題 人身取引問題と国際協力 日本の政府開発援助(ODA)政策の課題 フードガバナンスの比較ジェンダー分析 国際法とジェンダー
【おすすめ度☆】松永和紀『お母さんのための「食の安全」教室』女子栄養大学出版部, 2012年
やや古いがわかりやすいリスク論の入門書 内容:食品と放射性物質 食中毒・BSE・アレルギー 化学物質 思い込みのこわさ(中国産食品、遺伝子組み換え、有機農業、消費期限、健康食品、窒息) リスクの考え方など
【おすすめ度☆】農文協編集部『今さら聞けないタネと品種の話』農山漁村文化協会, 2020年
タネと品種のQ&A、野菜のルーツと品種の入門的な話
【おすすめ度○】岡本有佳・加藤圭木 編『だれが日韓「対立」をつくったのか』大月書店, 2019年
2019年の本なのでやや古くなっているが、徴用工問題、慰安婦問題などに関してQ&A形式で入門的な知識が得られる本 内容:韓国の歴史清算の取り組み メディアの責任 戦後生まれの責任と解決への道など
2023年8月13日日曜日
【おすすめ度●】白楽ロックビル『科学研究者の事件と倫理』講談社, 2011年
【おすすめ度○】栗原俊輔『ぼくは6歳、紅茶プランテーションで生まれて。』合同出版, 2020年
スリランカの紅茶プランテーションにおける児童労働の問題をテーマにして、発展途上国の現在の問題や植民地支配について書かれている。 内容:スリランカという国 紅茶の国・スリランカの歴史 紅茶プランテーションの労働者 社会から取り残される紅茶農園 農園のコミュニティが抱える6つの問題 植民地時代の遺物になっているプランテーション 紅茶農園の子供たちにも夢がある 子供たちが人生を選択できるようになるために わたしたちにできること フェアトレードの限界 スマートコンシューマーになる NGOの役割 など
【おすすめ度○】岸本聡子『水道、再び公営化』集英社新書, 2020年
2023年8月12日土曜日
【おすすめ度●】グループ21『不良債権の正体』講談社, 1998年
【おすすめ度●】浜田康『粉飾決算』日本経済新聞社, 2016年
著者は公認会計士。公開資料を利用したバブル崩壊後の大型粉飾事件の詳細な調査。具体的に取り上げられているのは日本長期信用銀行(長銀)、三洋電機、東芝など。
【おすすめ度●】大杉卓三, アシル・アハメッド『グラミンのソーシャル・ビジネス』集広舎, 2011年
バングラデシュで発祥したグラミングループのビジネスモデルと、その世界的展開の状況。良書だが10年以上前の本で内容は古くなっている(そのためおすすめ度は○でなく●にした)。 内容:ソーシャル・ビジネスの概念 グラミン銀行とグラミングループ グラミン・シャクティ(再生エネ事業) バングラディシュでの合弁企業(ダノン・ヴェオリア・雪国まいたけ他) グラミン・モデルの世界への展開(グラミン・アメリカ ウガンダ他)
【おすすめ度○】小林雅一『ゲノム革命がはじまる』集英社新書, 2019年
ゲノム編集に関して、社会への影響を予測した良書(だがすでに古い。2019年の本なのに!) 内容:遺伝子検査ビジネスの現状と課題 ゲノム編集とは何か ゲノム編集への医療への応用の現状 ゲノム編集食品 科学捜査 遺伝子ドライブ 人間の「改良」と優生学など
【おすすめ度☆】可児滋『異常気象と気象ビジネス』日本評論社, 2018年
異常気象が多発する中で、どうやってビジネスを異常気象から守り、また異常気象をビジネスチャンスにするかについて教科書的に述べた本。 内容:気象ICT革命がビジネスを変える 異常気象とは 気象とICT(気象庁・民間気象事業者) 機構リスクの産業界への影響と気象データの活用 天候デリバティブと保険 災害債権(キャットボンド) 気象ビジネス市場など
2023年8月11日金曜日
【おすすめ度○】倉沢愛子・松村高夫『ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相』岩波書店, 2023年
2023年8月9日水曜日
【おすすめ度☆】伊藤優志・難波良多・原田誠也『日本産品を世界へ! よくわかる食品輸出』日本食糧新聞社, 2023年
1テーマ2ページ形式の入門書。著者は農水省輸出・国際局の関係者なので、この本に書かれていることは農水省、というか政府の公式見解とみてよい。政府の公式見解を知ることは出発点として大事だけど、それだけでは限界がある。
2023年8月6日日曜日
【おすすめ度☆】国際協力機構『JICA×SDGs』山川出版社, 2023年
1テーマ2ページ形式で国際協力機構(JICA、「ジャイカ」と発音する)の取り組んでいることを紹介している。「JICAって何をやってるんだろう?」と思った人がとりあえず読んでみるのによい本。
【おすすめ度●】松野誠也『日本軍の毒ガス兵器』凱風社, 2005年
毒ガス兵器の研究と開発、毒ガス兵器の製造と教育、毒ガス使用禁止をめぐる国際的な動向と日本軍の対応、日中全面戦争と毒ガス戦の展開、アジア太平洋戦争期の毒ガス戦、なぜ日本軍は毒ガス兵器に依存した戦いを行ったのか、戦後史の中の日本軍毒ガス兵器問題など
【おすすめ度☆】いのうえせつこ『ウサギと化学兵器 日本の毒ガス兵器開発と戦後』花伝社, 2020年
相模海軍工廠(神奈川県寒川町)、大久野島、陸軍登戸研究所と731部隊、中国大陸での日本遺棄化学兵器問題などのルポルタージュ。率直にいえば突っ込んだ取材はされていないが、そういう本の方がかえって読みやすい人もいるだろう。
2023年8月4日金曜日
【おすすめ度☆】江連恭弘・佐久間健 監修『13歳から考えるハンセン病問題』かもがわ出版, 2023年
若い人には信じられないかもしれないが、日本では、なんと1996年(平成8年)までハンセン病患者を原則として施設に閉じ込める政策がとられていた。この本は、この重大な人権侵害問題かつ医学的にも誤りについて入門的な知識が得られる本。
2023年8月2日水曜日
【おすすめ度○】太田昌克『日本はなぜ核を手放せないのか』岩波書店, 2015年
【おすすめ度●】週刊ダイヤモンド取材班『神戸・都市経営の崩壊 いつまで山を削り海を埋め立て続けるのか』ダイヤモンド社, 2001年
かつて「都市経営」の模範だった神戸市が、震災と神戸新空港の失敗によって混乱に陥っている状況を描いている。古い本だが「都市経営」とは何だったのか知りたい人におすすめ。なお神戸市の都市経営がうまく行っていた(ように見えていた)時代に、それを紹介する本としては今給黎久『株式会社神戸市はいま』オーエス出版社, 1987年がよい。
【おすすめ度●】松本創『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走』140B (イチマルヨンビー), 2016年
著者は元神戸新聞記者。大阪の新聞・テレビには政治部がなく、社会部が橋下を取材していた。その結果、テレビが橋下徹を育てた。
【おすすめ度●】能川元一・早川タダノリ『憎悪の広告』合同出版, 2015年
極右雑誌の広告を収拾することにより、それら極右雑誌自体が差別と憎悪を扇動するのみならず、広告そのものも差別と憎悪の扇動であることを明らかにしている。
【おすすめ度●】中原聖乃・竹峰誠一郎『核時代のマーシャル諸島 社会・文化・歴史、そしてヒバクシャ』凱風社, 2013年
マーシャル諸島の経済・社会の概論。マーシャル諸島の歴史、アメリカの安全保障体制の影響、内政・外交・自治体・NGO、言葉・宗教・親族関係・土地制度などを扱っている。残念ながら統計が全く利用されていない。
【おすすめ度●】早川タダノリ『「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜』青弓社, 2016年
https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787220653/
【おすすめ度○】有本建男・佐藤靖・松尾敬子ほか著『科学的助言』東京大学出版会, 2016年
科学が重要な役割を果たす現代社会において、政策決定に科学者はどのように関わるべきかという問題を考察した良書。ただし、この本は良書なのだが、福島原発事故(原発事故を収拾する際、原子力の「専門家」の「助言」が役に立たず、政治家が素人判断で対処せざるを得なかった)の後の本であるにもかかわらず、原発事故あるいは原子力政策は扱われていない。一方で、原発事故そのものは扱われていないにもかかわらず、原発事故後に問題になった放射性物質の食品安全性は扱われており、政府あるいは政策の批判になりそうなテーマは避けられているように見える。 内容:現代社会と科学的助言 科学的助言者の役割 科学的助言のプロセスと原則 各国の科学的助言体制とグローバル化 食品安全とリスク評価の独立性 医薬品審査 地震予知 地球温暖化 科学技術イノベーション政策 21世紀の科学技術の責務と科学的助言
2023年8月1日火曜日
【おすすめ度●】岸政彦・梶谷懐 編著『所有とは何か』中公選書, 2023年
「所有」をめぐる論考集。この本全体としてのまとまりはないが、それぞれの論考は深く考えられていて興味深い。ただし、かなり高度な内容なので専門知識がない人が読んでも理解困難だろう。 内容:戦後沖縄の社会変動と所有権の再編 タンザニアのインフォーマル経済における所有・贈与・人格 中国におけるコンヴェンションとしての所有制度 経済理論における所有概念の変遷 世界システム論と「所有」 資本主義の有限性と所有 所有に関する思想など