主に企業の中で、さまざまな矛盾に悩みながら技術者としての生きざまを通そうとした人たちの記録。現在とはあまりにも時代状況が違う上に、この本には社会状況の説明がほとんど書かれていないので、今の若い人には共感しづらい(それ以前に理解しづらい)点が多いかもしれない。
本のおすすめを中心にして、学生のみなさんに役立ちそうな情報を書きます。※このブログで紹介している本はいずれも良書ですが、ここで紹介していない良書もたくさんありますので、これから順次増やしていきます。 【おすすめ度】 ◎=特におすすめ ☆=初学者向けに良い本(教科書や入門書) ○=読む価値が高い本 ●=そのテーマに関心が高い人向け。専門性が高く一般向けではない本と、良書だけど内容が古くなっている本。
注目の投稿
【まとめ】このブログ全体のまとめです。
このブログで紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 陰謀論、マスコミ、科学的認識論/科学方法論などに関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 気候変動とエネルギー・資源問題に関する本の一覧 原子力と核兵器に関する本 地...
2023年5月6日土曜日
【おすすめ度●】平野恵嗣『もの言う技術者たち 「現代技術史研究会」の70年』太郎次郎社, 2022年
2023年5月4日木曜日
【おすすめ度☆】常石敬一『化学物質は警告する』洋泉社, 2000年
古い本だが、化学物質に関する面白いエピソード集 取り上げられている化学物質は、化学兵器・ヒ素・窒素・塩素・青酸・リン・水銀・PCB・ダイオキシン・フロン・環境ホルモンなどの有害物質。
【おすすめ度○】木村元彦『コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う』集英社インターナショナル, 2023年
【おすすめ度○】ロバート・ビロット『毒の水』花伝社, 2023年
近年、有害物質PFASが多摩地区でも検出されて関心が高まってきているが、アメリカではかなり以前から問題視されていた。この本は、アメリカでPFAS汚染問題の第一人者とされる弁護士の記録。会話文が多いルポルタージュのスタイルなので、本の書き方が合う人と合わない人がいると思う。
【おすすめ度◎】藤川賢・友澤悠季 編『なぜ公害は続くのか』新泉社, 2023年
2023年5月3日水曜日
【おすすめ度○】橘川武郎『エネルギー・シフト』白桃書房, 2020年
やや難しいが、再生可能エネルギー主力電源化のための条件を詳しく検討している。なおこの本の本題からは外れてしまう論点だが、この本では柏崎刈羽原発の売却を提案しているが(76ページ)、いまさら原発を買おうという会社があるのだろうか? 狂信的に原発に固執するフランス国営電力(EDF)なら買うかもしれないけど、外国資本に売ることを考えているのだろうか。 内容:「差異性下のエネルギー主力電源化」と直面する課題 第5次エネルギー基本計画の検討 主力電源化への2つのアプローチ 原子力発電をどうするか カギ握る使用済み核燃料の処理 火力発電をどうするか CCSとCCU 水素がエネルギー構造全体を変える可能性 再生可能エネルギー主力電源化の担い手は誰か
【おすすめ度○】仁藤夢乃 編著『当たり前の日常を手に入れるために 性搾取社会を生きる私たちの闘い』影書房, 2022年
性搾取被害から若い女性を守るために、アウトリーチ(バスカフェ)活動やシェルター活動に取り組んでいる団体(Colabo)の活動の紹介
【おすすめ度●】森林投資研究会 編『諸外国の森林投資と林業経営』海青社, 2019年
題名の通り、世界における森林投資の現状分析 内容:世界における森林所有と森林投資 日本の製紙企業にみる海外森林投資の歴史と世界の森林投資の今日 ベトナム・インドネシア・ニュージーランド・オーストラリア・アメリカ・ハンガリー・東アフリカの実例
【おすすめ度☆】大島寿美子ほか『大学の歩き方・学問のはじめ方』ミネルヴァ書房, 2023年
大学1年生に向けた大学生活への案内 内容:大学生の一日 大学生って何だろう 自分で自分を成長させる 情報を使いこなそう 大学生活で困ったら 大学生として働くということ 講義って何だろう 数字を活用しよう 書くことに親しむ 口頭で伝える、表現する
2023年5月2日火曜日
【おすすめ度●】長谷部恭男『増補新版 法とは何か 法思想史入門』河出ブックス, 2015年
著者は思想史研究者ではなく憲法学者なので、思想史研究者とは違った観点から法思想の歴史を述べている。おそらく多くの人にとっては(私自身を含む)、思想史の専門家が書いた本よりこの本の方が問題意識が明確でわかりやすいのではないかと思います。 内容:法はあなたにとってどういう存在か 何のための国家か 平和と自己防衛を目指す国家(ホッブズ) 個人の権利を保障する国家(ジョン・ロック) 自由を保全する国家(ルソー) 永遠に完成しない国家(カント) 人々がともにいきるための立憲主義 国家と法の結びつきは人々の判断にどう影響するか 法の規範性と強制力(ケルゼンとハート) 法と道徳の関係(ハートとドゥオーキン) 法が法として機能する条件 法と国家 民主的に立法することがなぜ良いのか なぜ多数決か 民主制の過去から学ぶ 法に従う義務はあるか 道徳がすべてなのか
【おすすめ度○】エリン・ブロコビッチ『スーパーマンは来ない』緑風出版, 2023年
本の題名からはふざけた印象を受けるが、中身はまじめなアメリカの水質汚染問題・有害化学物質問題の概説書。最近、多摩地区でも検出されて問題になっているPFASの問題も取り上げられている。著者は著名な環境保護運動家であり、この本にも環境保護運動家の視点が盛り込まれているが、「環境弁護士」的な視点も強い(実際には、この本の大部分を弁護士が執筆していると思われる)。
【おすすめ度○】三浦有史『脱「中国依存」は可能か 中国経済の虚実』中公選書, 2023年
題名から受ける印象とは異なり、この本は中国経済の概説書である。脱「中国依存」は可能か?という問いの答えは、この本を読んでみて考えてほしい。 内容:中国依存から出発する中国経済の見方 米中経済摩擦 貿易依存度の低下が示す内製化の進展 中国はなぜ米国との対立を厭わないのか 米中対立の行方 不動産バブル崩壊を防げるか 過剰債務体質を改善できるか 共同富裕は格差を是正するか 対外融資と債権国としての責任 付加価値貿易からみた日本の製造業
【おすすめ度☆】古田一雄・斉藤拓巳・長崎晋也『安全学入門 第2版』日科技連, 2023年
リスク管理論の立場から安全を考える教科書 内容:安全の基本概念 リスク表現と安全目標 ハザードの同定 確率論的安全評価 事故分析 化学物質の環境・生態動態解析 毒性評価 化学物質による環境リスク ヒューマンファクター リスクマネジメント リスクコミュニケーション
【おすすめ度☆】高橋幸資 編著『でん粉製品の知識』幸書房, 2016年
でん粉に関する総合的教科書 内容:世界のでん粉産業 でん粉の製造法と利用特性 でん粉の科学 でん粉の加工と改質 でん粉の用途 でん粉食品の特徴
【おすすめ度☆】滝田賢治『国際政治史講義』有信堂, 2022年
20世紀国際政治の概説書。21世紀の話は少ない。 内容: 産業革命と近代資本主義の生成 第1次世界大戦 戦間期の国際関係 第2次世界大戦 第2次世界大戦後の国際秩序構想 メリカ主導の対日占領政策 冷戦の発生から終結まで 冷戦後の世界
2023年4月25日火曜日
【おすすめ度○】ティモシー・パチラット『暴力のエスノグラフィー』明石書店, 2022年
2023年4月16日日曜日
【おすすめ度●】石坂匡身・大串和紀・中道宏『日本は食料危機にどう備えるか』農山漁村文化協会, 2023年
現在の日本はコメ以外の食料の大部分を輸入に頼っており、カロリーベースの自給率は40%を下回っている。しかし、日本の経済力は急速に落ち込んでおり、円安も進んでいる。今後は今までのように外国から輸入ができるとは考えられない。このような状況を踏まえ、日本において食料危機に備えるための考え方を説明している。著者たちは元・農水省の幹部職員なので、アカデミックではなくいわゆる「官僚的」な書き方になっている。 内容:日本の食生活の現状 食料安全保障とは何か 日本は不足に備えているか 各国の備えの状況 備えの基本は農地の確保 農業、とりわけ水田農業の持つ意義
【おすすめ度○】野村総合研究所『カーボンニュートラル』日本経済新聞出版, 2022年
日本を含め、先進諸国が2050年でのカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)の実現を約束している。この本は、カーボンニュートラルとはなにかから始まって、カーボンニュートラルの全体像がコンパクトに分かる本。 内容:カーボンニュートラルとはなにか カーボンニュートラルを実現するための技術とソリューション カーボンニュートラルによる各業界への影響と機会 カーボンニュートラルの実現に向けた課題と対策
2023年4月14日金曜日
【おすすめ度☆】小林尚朗・篠原敏彦・所康弘 編『貿易入門 第2版』大月書店, 2023年
著者は明治大学商学部の教員 狭い意味の貿易だけでなく、南北問題や開発も説明されている。 内容:貿易の歴史 貿易の理論と課題 貿易政策 貿易実務 国際収支と外国為替 戦後貿易の制度(IMFとGATT) グローバル化とWTO体制 貿易と開発(南北問題) 多国籍企業と直接投資 地域主義・地域貿易協定 日本企業の国際化と国際マーケティング 農業と資源の貿易 貿易とサービス・環境
【おすすめ度☆】佐野啓介 編『フードビジネス最新キーワード64』日経BP, 2023年
野村総合研究所フードバリューチェーンチームによる解説。1キーワードあたり4ページでコンパクトに記述されているので、関心をもてるキーワードが見つかったらより深く情報を集めてみるとよい。
【おすすめ度●】郭四志『脱炭素産業革命』ちくま新書, 2023年
カーボンニュートラルに向けた経済の変革。技術革新、生活様式の変革、意識の変革、産業組織・経営モデルの変革、ロシアによるウクライナ侵攻の地政学的インパクトなど総合的多角的に論じている。
【おすすめ度●】田中利幸『検証「戦後民主主義」 わたしたちはなぜ戦争責任問題を解決できないのか』三一書房, 2019年
この本では、昭和天皇の戦争責任を追及する立場から、昭和天皇の戦争責任を不問にしている「戦後民主主義」の限界を指摘している。
2023年4月13日木曜日
【おすすめ度○】大竹久夫 編著『リン資源枯渇危機とはなにか』大阪大学出版会, 2011年
やや古い本だが、一般にはあまり知られていないが非常に深刻な問題であるリン資源の問題について多角的に説明している良書。リンの生化学的重要性、経済的重要性、国際政治上の重要性、リン資源枯渇の危険性およびリンのリサイクルの可能性などについて書かれている。
2023年4月9日日曜日
【おすすめ度●】中野敏男・板垣竜太・金昌祿・岡本有佳・金富子『「慰安婦」問題と未来への責任』大月書店, 2017年
【おすすめ度◎】本郷正武・佐藤哲彦編『薬害とはなにか 新しい薬害の社会学』ミネルヴァ書房, 2023年
薬害問題の理論と、現実の薬害問題の全体的構造がわかる良書。薬害問題を単なる自然科学的な薬品副作用の問題としてではなく加害と被害の関係ととらえ、加害と被害を生み出す社会的構造を明らかにしている。学部生にはやや難しいかもしれないがぜひおすすめ。 内容:薬害の定義と薬害概念 薬害被害と再発防止策 医療の不確実性と薬害 薬害事件の各論(サリドマイド、スモン、薬害エイズ、薬害肝炎) 薬害教育 薬害エイズ事件のメディア表彰 制度化から見る薬害と食品公害
2023年4月8日土曜日
【おすすめ度☆】山と渓谷社編『アウトドア六法 正しく自然を楽しみ、守るための法律』山と渓谷社, 2023年
山や海でのアクティビティに関わる法律の紹介。登山、ハイキングや釣り、スキューバダイビングなどを趣味にしている人は知っておいた方がいい知識だし、山や海の自然保護に関する法律の入門書としても有用。
【おすすめ度☆】沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ[新版]』有斐閣ブックス, 2023年
地方財政の全体像が分かる教科書。ただし地方財政危機や財政再建はもう少し掘り下げてもよかったのではないかという気がする。地方財政の理念や制度の基本を踏まえた上で先進的なトピックにも触れられているので(ただし必ずしも掘り下げられてはいない)予備知識が全くない人には少し読みづらいかも。 内容:日本の地方財政 政府間(国-地方)財政関係 経費 予算 地方自治体の収入 地方税 地方交付税 国庫支出金 地方債 地方財政の歴史的展開 持続可能な地域づくりと地方財政 対人社会サービスと地方財政 地方公営企業、第三セクター 地方財政の展望
2023年4月7日金曜日
【おすすめ度●】中山琢夫『エネルギー事業による地域経済の再生』ミネルヴァ書房, 2021年
自治体レベルでの地域付加価値創造に注目しつつ、再生可能エネルギーと地域経済の関係を分析する良書 内容:地域付加価値創造の分析ツール 日本における地域付加価値創造モデル 再エネ電源間の比較分析 実例(太陽光、風力、小水力、地熱、木質バイオマス、熱電併給) 電力小売り事業 再エネの自治体政策への貢献 ドイツにおけるシュタットベルケ 分散化、デジタル化、再生可能エネルギー主力時代の新たな展開など
【おすすめ度◎】山形辰史『入門 開発経済学 グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション』中公新書, 2023年
理論に偏らない開発経済学の良い入門書。開発援助に関心がある人は、まず最初にこの本を読むといいと思う。 内容:開発の成果と課題 経済成長とイノベーションのメカニズム 国際社会と開発途上国 援助と国際目標など
【おすすめ度●】田口淳一・青木美保『遺伝子検査のモラル』彩流社, 2023年
遺伝子検査に関する基礎知識の説明を踏まえて、問題点を指摘している。

























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