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【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。 【テーマ別一覧】 気候変動問題に関する本 公害問題と食の安全に関する本 医療や生命、バイオテクノロジーなどに関する本 地域づくりと地方自治に関する本 水問題(水資源、上下水道、水汚染、治水など)に関する本 原子力と核兵器に関する本 陰謀論、...

2025年12月6日土曜日

【まとめ】このブログ全体のまとめです。

紹介する本が増えてきたのでまとめます。


【おすすめ度◎】の本(特におすすめする本、このページの下の方に)
【おすすめ度☆】の本の一覧はこちら(教科書あるいは入門書的な本)
【おすすめ度○】の本の一覧はこちら(読むことをおすすめする本)
【おすすめ度●】の本の一覧はこちら(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)
【おすすめ度◎】特におすすめの本
上野貴弘『グリーン戦争』中公新書, 2024年(気候変動問題に関する基礎的な知識がないと読みづらい)
手塚洋輔『戦後行政の構造とディレンマ』藤原書店, 2010年(本の題名とは異なりワクチン問題を扱った本、やや難しい)

【ウェブ上の論文】

【テーマ別】公害問題と食の安全に関する本

公害問題と食の安全に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)


直接公害問題を扱った本ではないが、密接な関係がある本

【テーマ別】原子力と核兵器に関する本

原子力と核兵器に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

【おすすめ度●】馬場朝子, 尾松亮『原発事故 国家はどう責任を負ったか』東洋書店新社, 2016年

チェルノブイリ原発事故の被害者を救済するための「チェルノブイリ法」の解説と、運用実態のルポルタージュ。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
チェルノブイリ原発事故被災地で、被害補償や健康診断の実施を定め、被災者の生活を守り続けている「チェルノブイリ法」。
この法律を作った政治家たちの理念と、被災地の人びとの声を聞き、この法律の価値を考える。そこには今の日本にはない、人の命と生活を守る高い理想と強い意志がある。
被災者支援について、責任感と当事者意識に欠ける日本政府のあり方に、一石を投じる書。




【おすすめ度●】梶谷懐, 高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK出版新書, 2019年

中国では、IT技術やプラットフォームが急速に発展し、それを応用して各種の「信用スコア」によって国民を評価・監視するシステムが構築されつつある。この現象を思想の面から理解しようとしているが、そのような考察が成功しているかどうかはよくわからない。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
習近平体制下で、人々が政府・大企業へと個人情報・行動記録を自ら提供するなど、AI・アルゴリズムを用いた統治が進む「幸福な監視国家」への道をひた走っているかに見える中国。
セサミ・クレジットから新疆ウイグル問題まで、果たしていま何が起きているのか!?
気鋭の経済学者とジャーナリストが多角的に掘り下げる!


2025年12月4日木曜日

【おすすめ度○】本堂毅, 平田光司, 尾内隆之, 中島貴子編『科学の不定性と社会』信山社, 2017年

現実におきている問題(主に法的問題)と科学の関係を検討する良書。 内容:ルンバール事件と科学 科学と防災(地震予知) 医学的診断の社会性(「メタボ」はいかにして作り出されたか) 犯罪捜査と科学 科学と裁判 家族概念の科学と民法 科学の不定性とは何か 理科教育における科学の不定性 東北大学での科学教養教育 法教育における科学リテラシー 科学の不定性と市民参加など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
私たちは科学的な専門知とどのように向き合っていけばいいのでしょうか?幅広い分野から、信頼の著者が集った科学リテラシー入門。

科学は頼りになりますが、なんでも解決してくれるわけではありません。ときどき暴走もしてそうです。

現代社会の安定と繁栄の根底に,「科学に関する専門知」が重要な役割を果たしてきたこと,いることに疑う余地はありません.しかしながら,「3.11」後の現在,そのあり方や用いられ方に対し様々な批判や疑問の目が向けられていることも,また確かです.では,これから先,私たちは科学的な専門知とどのように向き合ってゆけばよいのでしょうか.これは現代社会が直面する大きな課題です.本書は,この課題に「科学の多様な不定性と意思決定」という観点からアプローチします.


2025年11月30日日曜日

【おすすめ度●】ジェフリー・トゥービン『ザ・ナイン アメリカ連邦最高裁の素顔』河出書房新社, 2013年

1980年(レーガン政権)から2008年(ブッシュ政権の終焉)までの時期のアメリカ連邦最高裁の動向のルポルタージュ。この時期には、クラレンス・トーマス、アントニン・スカリアという極端に保守的で共和党寄りの裁判官が指名されて、アメリカ最高裁の保守化が始まった。しかしこの時期にはまだ左派(ジョン・ポール・スティーヴンス、スティーヴン・ブライヤー、ルース・ベイダー・ギンズバーグ)の影響力も強かった上に、サンドラ・オコナー、デイヴィット・スーター、アンソニー・ケネディが中間派となり、もともとは保守派だったレンクイスト長官も保守的傾向を弱めたので最高裁の極端な保守化は進まなかった。本書の著者は、2000年大統領選挙でのフロリダ再集計停止の最高裁の決定(最高裁の決定により、ジョージ・W・ブッシュが大統領に当選した)を、大統領選挙でブッシュを勝たせるために法をゆがめたものであり、最高裁の最大の汚点だと言っている。他にも重要な判例をめぐる裁判官の討論が書かれているが、率直に言って同じ題材を扱った『ブレザレン』ほど迫力ある内容ではない(『ブレザレン』が扱っているのは1960~70年代のまさに激動の時代を扱っているので、『ブレザレン』ほど迫力ある内容にならないのはやむを得ない)。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
妊娠中絶、同性愛者の権利、死刑制度、銃規制などをめぐり、アメリカ社会の縮図である連邦最高裁の内側を鋭く詳細に綴ったノンフィクション。ニューヨークタイムズ年間最優秀図書。



2025年11月27日木曜日

【まとめ】おすすめ度○の本(読むと有意義な本)

おすすめ度○(読むと有意義)の本のまとめです。(新しい本→古い本の順)

阿部潔『東京オリンピックの社会学 危機と祝祭の2020JAPAN』コモンズ, 2020年
マーク・ダウィ『草の根環境主義』日本経済評論社, 1998年

【おすすめ度○】シッダルタ・カラ『ブラッド・コバルト コンゴ人の血がスマートフォンに変わるまで』大和書房, 2025年

主にアフリカのコンゴ民主共和国のコバルト鉱山でのきわめて悪質な奴隷労働や児童労働のルポルタージュ(当事者の言葉では、「われわれは墓場で働いている」)。コンゴの独立までは宗主国ベルギーによって搾取が行われていたが、本書によれば現在は中国企業がとってかわった。しかし中国企業だけが問題なのではなく、悪質な奴隷労働や児童労働によってコバルトが採掘されていることを知りつつ、コンゴからコバルトを購入しているグローバルなサプライチェーン全体の問題だという。それ以外にコンゴのウラン鉱山と北朝鮮の関係や、レバノンのヒズボラなどの組織の暗躍も触れられている。
 この本では婉曲に書かれているが、このような深刻な事態をもたらした最大の原因はコンゴの政治が極度に腐敗し、コンゴの特権階級は自分たちの利益のために国民がどれだけ犠牲になっても何ら対策を取ろうとしないからである。なぜ、そのような腐敗した特権階級が権力を握り続けることができるのか。それはコバルトをはじめとするコンゴの資源を利用するグローバル企業たちが、コンゴの特権階級とひそかに結託し、それを利用・保護しているからであろう。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
児童労働、人身売買、1日12時間掘っても1ドル…コンゴ人の証言を通して初めて描かれた苛烈な搾取!

【おすすめ度☆】栗山浩一、馬奈木俊介『環境経済学をつかむ 第5版』有斐閣, 2024年

新古典派的な環境経済学の標準的な教科書。なぜか所蔵している図書館が少ない。 主な内容:生活と環境 経済発展と環境問題 ごみ問題と循環型社会 地球温暖化問題 環境問題発生のメカニズム 外部性と市場の失敗 共有資源の利用と管理 公共財とフリーライダー 環境政策の基礎と応用 環境の価値評価 企業と環境問題 地球環境問題と環境経済学など

出版社ウェブサイトから紹介を引用
専門知識を持たなくともエッセンスを確実に理解できるように,具体的な環境問題を取り上げて丁寧に解説した好評入門書の最新版。新たに「ナッジと環境政策」のunitを追加し,図表やトピックスを更新。オンライン講義にも最適なウェブサポートページを掲載。


2025年11月22日土曜日

【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)

 【まとめ】おすすめ度●の本(専門性が高く一般向けではない本と、良書だが内容が古くなっている本)

ティム・マーシャル『宇宙地政学と覇権戦争』原書房, 2024年
林公則『農業を市場から取りもどす』日本経済評論社, 2024年

【おすすめ度●】山岡淳一郎『日本はなぜ原発を拒めないのか』青灯社, 2017年

原子力に関するいろいろなトピックを扱っているが、本としてのまとまりがない。東芝崩壊については非常に詳しく、かつ厳しく追及している。 内容:原発の失敗と東芝崩壊 政治・官僚・経済界・学界・報道の癒着 原発テロの危険 日本の核武装の野心

版元ドットコムから紹介を引用
日本を震撼させた、名門企業・東芝の転落劇。
その元凶、原発を拒めない国家の闇に迫る。

・原子力産業と核戦略の「日米一体化」という名目の対米従属
・推進派が固める「原子力ペンタゴン(五角形)」体制の盤石さ
・原発は核物質の宝庫。それを狙うテロリストに、無防備な日本
・戦後の政治家たちに潜在的に受け継がれてきた核武装の誘惑
・フクシマ発の脱原発、自然エネルギーによる自立の道が見えてきた!

気鋭のジャーナリストが、経済人・官僚・政治家・福島を取材して明かす、
原発の闇と地元の脱原発への光!
渾身のノンフィクション


【テーマ別】気候変動問題とエネルギー問題に関する本の一覧

気候変動問題とエネルギー問題に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

上野貴弘『グリーン戦争』中公新書, 2024年(気候変動問題に関する基礎的な知識がないと読みづらい)
岩瀬昇『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか』文春新書, 2014年


【おすすめ度●】吉田文和『ドイツの挑戦 エネルギー大転換の日独比較』日本評論社, 2015年

福島原発事故以降のドイツの脱原発(原発廃止・解体)と放射性廃棄物の政策、再生可能エネルギー促進政策を詳しく説明する。原子力をめぐるリスクと倫理に関する議論もなされている。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
環境先進国ドイツにおける脱原発と再生可能エネルギーの実態を徹底調査し、日本の現状と比較。日独が互いに学ぶべき教訓とは?

【おすすめ度◎】鈴木真奈美『日本はなぜ原発を輸出するのか』平凡社新書, 2014年

やや古いが、原子力発電所の輸出を題材にして、原子力をめぐる国内・国際的な関係を鋭く
分析する良書。 主な内容:福島原発事故と原子力輸出 原子力輸出の歴史 スリーマイル原発事故から原子力ルネサンスまで 公的融資の役割 地球環境問題と原子力 中国・台湾・インドネシア・アメリカSTPの事例 核エネルギー利用の是非など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
安倍政権は福島原発事故にもかかわらず、トルコ等に原発を売り込んでいる。その理由と問題点をわかりやすく解き明かした初めての本。
福島原発事故の収束は見えず、原因解明も不十分。その一方、安倍政権はトルコ、UAEなどで積極的にセールスを行っている。もしも契約が成立すると、完成・運転までの長期間の責任を(企業を超えて)日本が負うことになる。将来世代にも大きな影響を及ぼすこのことを、なぜ安倍政権は進めるのか? 本書は、原発輸出(原子力輸出)の理由、背景と構造、問題点を解き明かした初めての本であり、この問題が私たち一人一人に関わっていることを示している。


2025年11月20日木曜日

【おすすめ度○】清水善仁『公害の記憶をどう伝えるか』吉川弘文館, 2025

著者は歴史学者。「公害アーカイブズ」の視点から資料保存の重要性とその方法論について述べる。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
公害の記録や資料を整理し保管・展示する意義と可能性を追究。大学の公害資料館にも言及し、アーカイブズ活動の重要性を説く。
四日市ぜんそくや水俣病など、1960年代の社会問題であった公害をめぐる裁判から長い年月が過ぎ、当時の記憶を未来へどう継承していくかは大きな課題となっている。公害の記録や資料を整理・保管・展示する「公害アーカイブズ」を提唱し、意義と可能性を追究。大学の公害資料館の取り組みにも言及し、アーカイブズ活動の重要性を説く注目の書。


2025年10月26日日曜日

【おすすめ度●】長島・大野・恒松法律事務所カーボンニュートラル・プラクティスチーム『カーボンニュートラル法務 第2版』金融財政事情研究会, 2025年

カーボンニュートラルに関する法規制を弁護士の立場から分析した本。著者が弁護士なので、法律に関するかなり専門的な内容。 内容:再エネ電力 カーボン・クレジット 水素とアンモニア カーボンニュートラルに関する訴訟 電気事業 不動産・インフラビジネス 企業情報開示 ファイナンス取引など。

出版社ウェブサイトから紹介を引用
新時代に求められるカーボンニュートラル(脱炭素)法務とは
企業開示、ファイナンス取引、電力や不動産など脱炭素に向けた規制・政策と法務分野の留意点を解説した最新版
 地球温暖化が問題視されてから久しくなりますが、ここ数年は局地的な熱波、大規模な洪水など、地球温暖化に伴う気候変動が世界中に大きく影響を与える事象が増え、地球温暖化への対応がいよいよ待ったなしの状況となり、世界各地でカーボンニュートラル(脱炭素化)に向けての動きが急速に活発化しています。
 日本においても様々な法規制の整備が日々進んでいるとともに、国際的な枠組みによるソフトローも大きく進展し、そのような速い動きのために、カーボンニュートラルに伴うソフトローも含めた法的枠組みを体系立てて理解することが容易でない状況になっています。初版刊行以降も、令和4年省エネ法等改正、周辺地域の住民説明会等を導入した令和5年再エネ特措法改正、水素社会推進法およびCCS事業法の成立などカーボンニュートラルに関連する法令に大きな動きがありました。
 第2版ではこの間の大きな動きを含め、実務の進展等をできるだけ反映するよう努めました。
 初版同様に、執筆者一同、カーボンニュートラルに伴う法的枠組みを少しでも読者の皆様に理解し易く伝えることができればと思い、執筆しております。こうした執筆者らの思いが成功し、本書が幾ばくかでも読者の皆様のご理解に役に立つことを願っております。

【おすすめ度○】佐原徹哉『極右インターナショナリズムの時代』有志舎, 2025年

ノルウェーで大量殺人事件を起こしたアンネシュ・ブレイヴィクの思想や、ヨーロッパ特にヨーロッパでの極右運動の分析など。「極右」ではないがイスラム教系のジハード主義の問題点も詳しく書かれている。

版元ドットコムから紹介を引用
なぜこの時代に「右傾化」が世界中で進行しているのか。欧米で広がる 極右政党の台頭と反イスラムの風潮、中東を中心としたムスリム諸国で の宗教右派の台頭、西側リベラル政治勢力の後退にもかかわらず加速し 続ける新自由主義経済政策――。一見するとバラバラに映る現象の背景 には、実は共通する力が作用している。本書は極右思想のネットワーク 化とその思想の広がりを、特定の国家・民族に限ることなく、地域横断 的に分析することを通して、世界的な「右傾化」メカニズムの解明に挑む。

2025年10月18日土曜日

【テーマ別】科学的認識論・科学方法論、陰謀論(極右や宗教を含む)、マスコミなどに関する本

陰謀論(極右、宗教を含む)やマスコミ、科学的認識論・科学方法論などに関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

フィリッパ・レヴィン『14歳から考えたい優生学』すばる舎, 2021年(優生学は人種差別や陰謀論との関係が深い)

【テーマ別】戦争と平和に関する本

戦争と平和、およびそれに密接にかかわるエネルギー資源問題や宗教対立に関する本の一覧です。※以下で紹介している本はいずれも良書ですが、これ以外にも良書がありますので、これから増やしていきます。新しい本→古い本の順 ◎=特におすすめ、○=おすすめ、☆=入門書、教科書的な本、●=専門性の高い本(一般向けではない本)

加藤喜之『福音派』中公新書, 2025年(直接に戦争や平和を取り扱った本ではないが、アメリカとイスラエルの関係の一面を知ることができる)